2026/08/01
1on1ミーティング
管理職の1on1スキルを高めるために人事ができること―現場で使えるスキル支援の設計と実践ポイント ―
- 管理職の1on1スキルに差が生まれやすい理由
- 1on1に必要な4つの基本スキル
- 人事が管理職のスキル向上を支援する際のポイント
- 研修だけで終わらせず、現場実践につなげる考え方
1on1ミーティングを導入した企業では、管理職によって進め方や対話の質に差が出ることがあります。
ある管理職は、部下の話を丁寧に聴き、本人の考えを引き出しながら成長支援につなげている。一方で、別の管理職は、業務確認や助言中心の時間になっている。
このような差は、管理職の意欲だけで生まれるものではありません。1on1に必要な関わり方を学び、練習し、振り返る機会が十分に用意されているかどうかによっても大きく変わります。
「管理職によって1on1の質にばらつきがある」
「研修は実施したが、現場での変化が見えにくい」
「部下の話を聴く前に、上司がすぐ助言してしまう」
「管理職が1on1をどう改善すればよいか分からない」
1on1を機能させるには、管理職に「実施してください」と伝えるだけでは不十分です。
管理職が現場で使える形でスキルを理解し、実践し、振り返りながら改善していくための支援が必要です。
1on1スキルは、管理職の経験値だけに任せない
1on1は、上司と部下が定期的に話す場です。そのため、一見すると特別なスキルがなくてもできるように見えるかもしれません。
しかし実際には、部下の話を聴く、問いかける、考えを整理する、必要に応じて助言する、次の行動につなげるといった、複数のマネジメント行動が求められます。
これらは、管理職になれば自然に身につくものではありません。
特に、プレイヤーとして成果を出してきた管理職ほど、自分の経験をもとにすぐ助言したくなることがあります。もちろん助言が必要な場面もありますが、1on1が助言中心になると、部下が自分で考える機会は少なくなります。
また、対話が得意な管理職とそうでない管理職では、部下の受け止めにも差が出ます。これは管理職の意欲の問題ではなく、1on1に必要な関わり方を学び、実践し、振り返る機会が不足していることが原因の場合もあります。
だからこそ、人事は1on1を管理職の経験値だけに任せず、必要なスキルを整理し、継続的に支援する視点を持つことが大切です。
管理職に必要な4つの1on1スキル
管理職の1on1スキルを高めるためには、まず「どのような力が必要なのか」を整理する必要があります。
ここでは、特に重要な4つのスキルを紹介します。
部下の話を途中で遮らず、考えや感情を受け止める力です。
部下が自分の考えを整理し、次の行動を見つけられるように問いを投げかける力です。
すぐに答えや助言を出さず、部下が自分で考える時間を支える力です。
話して終わりにせず、次の行動や支援につなげる力です。
これらのスキルは、どれか一つだけ身につければよいものではありません。
部下の話を聴き、問いかけ、考える時間を待ち、必要に応じて行動につなげる。この一連の関わりがあって初めて、1on1は部下の成長支援につながりやすくなります。
人事が設計すべきスキル支援のポイント
管理職の1on1スキルを高めるには、研修を一度実施するだけでは十分とは言えません。
もちろん、基本的な考え方やスキルを学ぶ機会は必要です。しかし、1on1は現場で繰り返し実践されるものです。研修で学んだことが、日々の部下との対話の中で使えるようになって初めて意味があります。
人事が支援を設計する際には、次の3つの観点が重要です。
説明を聞くだけでは、1on1の関わり方は身につきにくい。実際に話す・聴く・問いかける練習が必要です。
うまくいったこと、難しかったことを振り返ることで、管理職は次の1on1での関わり方を改善しやすくなります。
現場での困りごとや工夫を共有することで、個人の経験を組織の学びに変えていくことができます。
特に大切なのは、管理職を評価するためではなく、管理職が安心して学び、改善できる場として設計することです。
1on1がうまくいかないとき、管理職本人も困っている場合があります。部下が話してくれない、つい助言が多くなる、時間を取っているのに手応えがない。こうした悩みを共有し、次の実践につなげられる場があることで、管理職は少しずつ改善しやすくなります。
1on1スキルは、現場で育てるもの
管理職の1on1スキルは、一度の研修だけで完成するものではありません。
1on1は、実際の部下との関係性や業務状況の中で行われます。そのため、現場で実践し、振り返り、改善していくプロセスが欠かせません。
人事が担うべきなのは、管理職に「うまくやってください」と任せることではありません。管理職が1on1を通じて部下の成長を支援しやすくなるように、必要なスキルを整理し、学びと実践の機会を設計し、現場での改善を支えることです。
- 管理職に、1on1で必要なスキルが明確に伝わっているか
- 学ぶだけでなく、練習し、振り返る機会があるか
- 管理職同士が困りごとや工夫を共有できる場があるか
1on1の質を高めるには、管理職個人の意識に頼るだけではなく、組織としてスキルを育てる仕組みが必要です。
管理職が、部下の話を聴き、問いかけ、考える時間を待ち、次の行動につなげられるようになる。そうした関わりが少しずつ広がることで、1on1は単なる面談ではなく、部下の成長を支える対話の場へと変わっていきます。
BizMentorからのご案内
管理職の1on1スキルにばらつきがあると感じる場合、まず必要なのは、現場でどのような1on1が行われているのかを把握することです。
BizMentorでは、1on1施策の現在地を整理し、見直しの優先テーマを確認するための「1on1診断」を提供しています。
自社の1on1が、管理職のスキル支援や現場での定着につながっているかを確認したい場合は、まず現状把握から始めてみてください。
※本記事は、Hcross掲載コラムをもとに、BizMentorサイト向けに一部加筆・再編集したものです。


