2026/01/22

1on1ミーティング

1on1を立て直すなら、どこから始めるべきか 〜 全社展開を成功させるための第一歩

1on1の効果が出ていない企業が立て直しを検討する際、多くの担当者が悩むのが「どこから始めるべきか」という問題です。

全社一斉に取り組むべきか、それとも一部の部署から始めるべきかによって、その後の成否は大きく変わります。

中〜大規模企業の支援を通じて明らかになっているのは、立て直しの成否は「最初の集団の選び方」に大きく左右されるという事実です。

本記事では、なぜ全社一斉での立て直しが難しいのかを構造的に整理した上で、成功確率を高めるための実務的な始め方と、横展開につなげるための具体的な考え方を解説します。

 

この記事で扱うこと

✅ 1on1立て直しを「全社一斉」で始めることの難しさ
✅ 成功確率を高める「最初の集団」の選び方
✅ 早期に成功事例を作り、横展開を進める実務ポイント

 

この記事は以下のような方におすすめ

✅ 1on1は導入済みだが、効果が出ず立て直しを検討している
✅ 全社で取り組むべきか、一部の部署から始めるべきか迷っている
✅ 確実に成果につながる「始め方」を知りたい

 


 

なぜ「全社一斉」で立て直すと失速しやすいのか

1on1の効果が出ていない企業の担当者から、「この機会に全社一斉で立て直したい」という相談を受けることは少なくありません。

しかし、中〜大規模企業において、全社一斉で立て直しを成功させることは、実務上それほど多くありません。その背景には、組織内の状態に大きなばらつきがあるという現実があります。

例えば、同じ企業の中でも、次のような違いが存在します。

✅ 1on1の意義を理解している管理職と、そうでない管理職がいる
✅ 全部下との対話に積極的な管理職と、業務優先で後回しにする管理職がいる
✅ すでに課題意識を持っている部署と、問題を認識していない部署がある
✅ 業務の繁忙度により、取り組みやすい部署と取り組みにくい部署がある

この状態で全社一斉に取り組むと、前向きに進む部署もあれば、形だけの実施に留まる部署も生まれます。

その結果、「結局変わらなかった」という印象が広がり、立て直しそのものが失速してしまうケースもあります。

 

最初の集団は「成功しやすい組織」を選ぶことが重要

立て直しの初期段階で最も重要なのは、“成功しやすい集団”から始めることです。なぜなら、初期段階で成功事例が生まれることで、組織内に次のような変化が起きるからです。

✅ 1on1の価値を実感する管理職が増える
✅ 他の組織の関心が高まり、自発的な参加希望が生まれる
✅ 人事施策としての説明力と説得力が高まる
✅ 横展開が自然な流れで進みやすくなる

逆に、最初の取り組みで成果が見えない場合、立て直しの取り組みスピードは急速に失速してしまいます。だからこそ、「最初の集団の選び方」が、その後の成否を大きく左右するのです。

 

方法①:トップや責任者が積極的な組織から始める(最も推奨)

最も成功確率が高い方法は、トップや責任者が積極的な組織から開始することです。成功しやすい組織には、次のような特徴があります。

✅ 従業員エンゲージメントを高めたいという問題意識を持っている
✅ 上司と部下の対話の質を高める必要性を認識している
✅ トップ自らが1on1を実施している
✅ 忙しくても対話の時間確保を優先している

このような組織では、取り組みの意義がトップから明確に発信されるため、メンバーの納得感が高まりやすくなります。また、取り組みが遅れている管理職へのフォローも機能しやすくなります。

さらに重要なのは、他の組織のトップに影響を与えることです。「あの部門で成果が出ているなら、自分の組織でも取り組みたい」という動きが生まれ、横展開が加速します。

 

方法②:手挙げ(立候補)制で募る

自主的に取り組みたい管理職を募る方法も、有効な選択肢です。この方法には、次のような利点があります。

✅ 主体的な意欲を持つ管理職から開始できる
✅ 試行錯誤を前向きに進めやすい
✅ 成功事例が生まれやすい
✅ 取り組みの質が高まりやすい

一方で、成果を適切に共有しない場合、次の参加者が増えにくくなる可能性があります。そのため、成果の見える化と共有が重要になります。

 

方法③:経営層が期待度の高い人材を選抜する

経営層が期待する管理職を選抜して開始する方法もあります。この方法は、次のような場合に有効です。

✅ 次世代リーダーの育成と連動させたい場合
✅ 組織変革の中核となる人材を育てたい場合
✅ 成功事例の象徴となる人材を作りたい場合

ただし、選定基準を明確にし、選定理由を適切に説明することが重要です。

 

よくある失敗:公平性を優先しすぎること

立て直しの初期段階でよくある失敗の一つが、公平性を優先しすぎることです。

全ての組織を同時に対象とすることは一見合理的に見えますが、成功事例が生まれにくくなるリスクがあります。

立て直しの初期段階では、「成功事例を生み出すこと」を優先することが重要です。

 

最初の一歩:候補組織を「成功しやすさ」で評価する

まずは、候補となる組織を複数挙げてみてください。
その上で、次の観点から評価することをおすすめします。

✅ トップのコミットメントの強さ
✅ 対話への問題意識の高さ
✅ 取り組みへの主体性
✅ 成功事例として発信できる可能性

成功しやすい組織から開始することで、立て直しを確実に前進させることができます。

 

まとめ

1on1の立て直しを成功させるためには、「どこから始めるか」が重要です。全社一斉ではなく、成功しやすい組織から段階的に進めることで、その後の横展開が進みやすくなります。

立て直しを進める際は、次のポイントを意識することが重要です。

✅ 1on1の立て直しは、全社一斉より段階的に進める方が成功確率が高い
✅ 最初の集団は「成功しやすい組織」を選ぶことが重要
✅ 特に、トップが積極的な組織から始める方法が最も効果的
✅ 初期の成功事例が、その後の横展開の推進力になる

最初の集団で成功事例を生み出すことが、1on1を実効性のある取り組みとして定着させるための出発点となります。

 

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本記事は「変革着手期」の取り組みの一部です。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。

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