2026/01/30

1on1ミーティング

1on1を“やり続けられる組織”に変えるための、定着とモニタリングの考え方

1on1のスキル研修を実施し、現場からも「やり方は理解できた」という声が聞こえてくる。それにもかかわらず、数か月後には実施率が下がり始め、気づけば一部の上司しか続けていない。

このような状況は、決して珍しいものではありません。問題は、上司や部下の意識が低いことでも、忙しさそのものでもありません。

1on1が「続く組織」と「続かない組織」では、スキル以外の部分に、決定的な違いが存在しています。

本記事では、1on1を“やり切りの施策”で終わらせず、やり続けられる組織に変えていくための定着とモニタリングの考え方を整理していきます。

この記事で扱うこと

✅ 1on1のスキルは身についたのに、実施率が下がっていく構造
✅ 実施率と質を同時に維持している組織に見られる「定着の仕組み」
✅ 定着フェーズで必要になる、モニタリングと効果測定の考え方

この記事は以下のような方におすすめ

✅ 1on1研修後、一時的には回ったが最近実施率が落ちてきている
✅ 部署や上司によって1on1のばらつきが大きくなっている
✅ 「個人任せ」にせず、組織として1on1を支える方法を考えたい


なぜ、1on1は続かなくなるのか

1on1が続かなくなる理由は、多くの場合「忙しくなったから」と説明されます。しかし実際には、忙しさは原因ではなく、最初に表面化する症状にすぎません。

研修直後は、意識も高く、周囲の注目も集まり、多少の負荷があっても実施されます。ところが時間が経つにつれ、業務の優先順位の中で、1on1は「後回しにしてもすぐに困らないもの」になっていきます。

この段階で、1on1が個々の上司の善意や努力に依存していると、実施率は自然と下がっていきます。

続かなくなること自体が失敗なのではなく、続けるための仕組みが設計されていないことが、定着フェーズで顕在化している状態だと捉える必要があります。

「続いている組織」と「止まり始める組織」の分かれ目

1on1が続いている組織と、止まり始める組織を分けているのは、特別な制度や強い管理ではありません。

違いは、1on1を「個人の取り組み」と見ているか、「組織として維持すべき活動」と見ているかにあります。

続いている組織では、自然と実施状況が把握され、問題が起きたときに立ち戻る場所があります。

一方で止まり始める組織では、実施されているかどうかが曖昧になり、気づいたときには、「やっていない人が増えている」状態になっています。

定着の分かれ目は、見えているかどうか、話し合われているかどうかです。

1on1を定着させている組織が見ている6つの観点

1on1が定着している組織では、次のような観点が共有されています。

✅ 1on1の推進主体や役割が曖昧になっていないか
✅ 実施状況を把握するための指標や見方が決まっているか
✅ 定期的に成果や課題を振り返る場が機能しているか
✅ 推進側と現場の間で情報が分断されていないか
✅ 課題が出たときに、改善が止まっていないか
✅ 必要に応じて、外部の視点を取り入れられているか

ここで重要なのは、これらを「やるべき項目」としてチェックリスト化することではありません。どこか一つでも弱くなると、1on1は徐々に形骸化しやすくなります。

自社では、どの観点が十分で、どの観点が脆くなっているのか。それを見極めるための視点として、これらを捉えることが大切です。

実施状況のモニタリングと効果測定の考え方

モニタリングや効果測定という言葉に、「管理される」「評価される」といった抵抗感が生まれることは少なくありません。しかし、定着フェーズにおけるモニタリングの目的は、人を縛ることではありません。続けるために、状況を把握することです。

完璧な数値や精緻な分析よりも、「傾向が見えているかどうか」が重要になります。また、実施率と質を同じ指標で見ようとすると、議論が混乱しやすくなります。

✅ 実施されているか
✅ 実施された1on1が、どのように受け取られているか

これらを分けて捉え、変化に気づける状態をつくることが、モニタリングの本質です。

定着フェーズで起きやすいズレと、立て直しの視点

定着フェーズでは、次のようなズレが起きやすくなります。

✅ 推進役が形式的な存在になり、状況を把握していない。
✅ 定例の会議は開かれているが、共有すること自体が目的化している。
✅ 実施率だけを追いかけ、「なぜ続かなくなっているのか」が話題に上らなくなっている。

これらはすべて、1on1が悪い方向に進んでいるサインです。

立て直しの第一歩は、新しい施策を打つことではありません。いま何が起きているのかを、関係者で同じ目線で捉え直すことです。

まとめ|1on1が続く組織かどうかを見極める視点

最後に、本記事で整理してきた判断軸をまとめます。

✅ 1on1が、特定の個人の頑張りに依存していないか
✅ 実施状況や傾向を把握し、立ち戻れる仕組みがあるか
✅ 「続けるために何を見るか」が、組織で共有されているか

1on1は、一度仕組みをつくれば終わりの施策ではありません。定着フェーズに入ったいま、自社がどの状態にあるのかを見極めることが、次の一手を考えるための出発点になります。

もし、「どこから手をつけるべきか分からない」「現状の整理自体が難しい」と感じている場合は、第三者の視点で状況を棚卸しすることも、一つの選択肢です。

自社にとって、1on1を“やり続けられる仕組み”にするために、何が足りていて、何が弱くなっているのか。その整理から、次のフェーズが見えてくるはずです。

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本記事は「組織定着期」の実践内容です。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。

あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)

基礎から確認する場合:
「1on1が嫌だった」と言われる前に 〜 効果が出ない1on1を見直す最初の一歩

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