2025/08/23
1on1ミーティング
1on1で関係性を再設計する

プロジェクト型のチームづくりが求められる時代。現場のマネジャーが直面するのは、チームの成果だけでなく、「関係性」「心理的安全性」「対話の質」といった、目に見えにくい課題です。
中でも注目されているのが、1 on 1の活用。ですが、形式的に回しているだけでは機能せず、かえってメンバーのモヤモヤを強めてしまうこともあります。
今回は、1 on 1を起点にチームの関係性を見直すための3つの視点を整理します。
立ち上げフェーズでは「共通言語」を設計する
新チームやプロジェクトの立ち上げ時は、個人面談の場で以下を共有できるかが重要です。
・このプロジェクトの目的と価値は何か
・それぞれが持つ期待や不安は何か
・どんな関わり方を大事にしたいか
関係性は自然発生するものではなく、プロセスの設計次第で意図的に育てられます。1on1は、その起点として機能します。初期段階で「共通言語」をつくることで、後の衝突や認識のズレを減らせます。
既存チームは「暗黙知」を可視化する問いを
既存チームでは、日々のやりとりの中で形成された関係性の質がパフォーマンスに直結します。そこで1on1では、以下のような問いが有効です。
・発言しやすさに偏りはないか?
・自発的な協働は生まれているか?
・「こうあるべき」という固定観念が、行動を制限していないか?
こうした問いは、メンバーの中に眠っている暗黙知やモヤモヤを可視化します。問題を表に出し、言語化することで初めて、改善の糸口が見えてきます。
リーダー自身も「モヤモヤ」と向き合う
1 on 1は、メンバーだけでなくリーダー自身の鏡でもあります。メンバーの言語化を支援するには、リーダー自身の自己認識が欠かせません。
・何を大切にしてマネジメントしているか?
・どこにストレスや違和感を感じているか?
・何を手放せば、チームがもっと動き出すか?
リーダー自身が自分の価値観や課題を明確にすることで、対話はより深まり、相互理解が進みます。内省と対話は、チームを動かす両輪と言えるでしょう。
まとめ
1on1は単なる報告の場ではなく、「関係性を育てる投資」です。形式から本質へ、問いから関係性へ──。チームの自律性を引き出すためには、リーダー自身の関わり方を再設計する視点が欠かせません。
こうした「問いの設計」や「関係性の再構築」を、実践的なケースを通じて学びたい方、関係性から成果をつくる1on1に興味のある方は、以下ご参照ください。
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執筆:田部井 茉里 メンター