2026/01/21
1on1ミーティング
マニュアル展開も説明会もやったのに1on1が変わらない理由 〜 人事が見落としがちな3つの構造要因

人事主催の説明会を開き、マニュアルを配布し、1on1の重要性を丁寧に伝えた。それでも、現場の1on1が変わらない。
この状態に直面したとき、「やり方の説明が足りなかったのではないか」「管理職の意識が低いのではないか」と考えてしまうことは珍しくありません。
しかし実際には、1on1の効果が出ない企業では、ある共通した“構造”が見られます。
この記事で扱うこと
✅ 人事主催の説明会や資料配布を行っても、1on1が変わらない企業で見られる構造要因の整理
✅ 1on1の効果が出ない状態を、2つのパターンに分けて捉える視点
✅ 外部研修を検討する前に、人事が押さえておくべき判断軸
この記事は以下のような方におすすめ
✅ 1on1の説明会やマニュアル展開は行ったが、現場の1on1に変化を感じられない方
✅ 管理職が1on1をやらない、またはやっていても効果が見えず悩んでいる方
✅ 次に研修を入れるべきかどうか、判断に迷っている人事担当者
1on1の効果が出ない状態は、大きく2つに分かれる
1on1がうまく機能していない企業を見ていくと、状況は大きく次の2つに分かれます。
✅ 管理職が1on1を実施しておらず、実施率そのものが上がらない状態
✅ 実施率は高いが、雑談や進捗確認などで終わり、時間を消費するだけの1on1になっている状態
どちらも「1on1が機能していない」という点では同じですが、起きている問題は異なります。
この違いを整理しないまま対策を考えると、打ち手が噛み合わなくなります。
パターン①:管理職が1on1をやらない・続かない状態
1on1の実施率が上がらないとき、「忙しいから後回しにされている」「管理職の意識が低い」と捉えられがちです。しかし実際には、管理職が1on1の価値を理解できていない状態であることが多くあります。
管理職にとって、日々の業務は常に優先順位の連続です。その中で、「なぜ自分が時間を使って1on1をやるのか」が腹落ちしていなければ、1on1は後回しになります。
これは意欲や姿勢の問題ではなく、合理性の問題です。
パターン②:実施率は高いが、雑談や進捗確認で終わる1on1
一方で、「1on1は実施されているが、効果が見えない」というケースもあります。
この場合、1on1は行われているものの、内容は近況確認や雑談に終始し、行動や関係性に変化が生まれていません。この状態も、管理職の能力不足が原因とは限りません。
多くの場合、1on1の目的とやり方が曖昧なまま実施されていることが背景にあります。
なぜ2つのパターンが生まれるのか
実施されない1on1と、実施されているが効果がない1on1。一見すると別の問題に見えますが、根底には共通する構造があります。それが、1on1に対する次の3つの認識が揃っていない状態です。
✅ 目的
✅ 価値
✅ やり方
この3つが揃わないまま進められることで、どちらのパターンも生まれます。
構造要因①:1on1の「目的」が共有されていない
説明会や資料で、制度としての1on1は説明されている。しかし、「何のためにやるのか」が管理職一人ひとりの中で言語化されていない。
この状態では、1on1の位置づけは人によってバラバラになります。結果として、実施頻度も内容も安定しません。
構造要因②:1on1の「価値」が腹落ちしていない
目的が説明されていても、それが管理職自身の価値として理解されていない場合があります。
自分の業務や評価とどうつながるのか。なぜ「やる意味がある」のか。ここが腹落ちしていなければ1on1は優先されません。
この背景として見落とされがちなのが、管理職自身が、価値ある1on1を「受け手」として経験したことがないという点です。
これまでのキャリアの中で、1on1を通じて視野が広がったり、行動が変わったりした実感がなければ、1on1は「やるべきもの」ではあっても「意味のあるもの」にはなりません。
その結果、実施されないケースも、形骸化するケースも生まれます。
これは意欲や能力の問題ではなく、1on1の価値を実感する機会そのものが不足している構造です。
構造要因③:「やり方」だけが切り出されている
人事主催の説明会では、どうしても「やり方」の説明が中心になりがちです。質問例や進め方、注意点を整理すること自体は重要です。
ただし、目的と価値が曖昧なままやり方だけが渡されると、1on1は形式的な作業になります。
これは、人事が悪いのではなく、説明会という場の制約から起きやすい構造です。
外部研修を検討する前に、人事が整理すべき判断軸
ここまで見てきたように、1on1が変わらない理由は「研修をやっていないから」ではありません。
外部研修を検討する前に、まず整理すべきなのは、自社がどの状態にあるのかという判断です。
✅ 実施されていないのか
✅ 実施されているが効果が出ていないのか
✅ その背景で、目的・価値・やり方のどこが弱いのか
この整理ができてはじめて、次の打ち手を選べる状態になります。
まとめ
✅ 効果が出ない状態には、「実施されない」「実施されているが効果がない」の2パターンがある
✅ どちらの背景にも、目的・価値・やり方の認識が揃っていない構造がある
✅ 外部研修を考える前に、自社がどこで詰まっているのかを整理することが重要
説明会の次に何を打つべきか。
それは、研修の中身を考えることではなく、この構造をどう扱うかを決めることから始まります。
この整理を踏まえた上で、外部研修をどう位置づけるのかについては、次の記事で扱います。
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1on1が変わらない背景には、構造的な要因が存在します。
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本記事は「変革着手期」における課題整理を扱っています。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。
→ あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)
次の段階について知りたい場合:
→ 1on1を立て直すなら、どこから始めるべきか 〜 全社展開を成功させるための第一歩
→ 初回の1on1研修で失敗しないために、必ず押さえるべき2つの条件


