あなたの会社の1on1はどの段階? “やってみた1on1”から“成果を出す1on1”へ|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)

多くの企業で1on1が導入されています。
しかし、「実施しているが成果につながらない」「研修を実施したが現場が変わらない」「一時的に改善したが継続できない」といった課題も少なくありません。
こうした背景には、1on1の改善には段階があり、それぞれの段階に応じた取り組みが必要であるという事実があります。
本ページでは、1on1立て直しのプロセスを4つのフェーズとして整理し、それぞれの段階で参考となる記事をご紹介します。
まずは、貴社の現在の段階に最も近いフェーズをご確認ください。
1on1立て直しの全体像:4つのフェーズ
1on1の立て直しは、一般的に次の4つのフェーズを辿ります。
【第1期】現状可視化期
・1on1は実施されているものの、実施状況や課題がまだ明確になっていない段階です。
・まずは現状を把握し、改善の出発点を明確にすることが重要です。
【第2期】変革着手期
・改善の取り組みは始まっているものの、現場の行動変化が十分に定着していない段階です。
・研修や情報共有に加え、行動変容につながる取り組みが求められます。
【第3期】実践力確立期
・1on1の重要性は共有されているものの、成果につながる対話を再現できる状態の確立が課題となる段階です。
・管理職のスキル向上と、組織的な支援が重要になります。
【第4期】組織定着期
・良質な1on1は実施されているものの、組織として安定的に継続・運用する仕組みの確立が求められる段階です。
・定着のためのモニタリングと運用設計が重要となります。
フェーズ別:参考記事一覧
以下に、各フェーズに対応した記事をご紹介します。該当するフェーズの記事からお読みください。
【第1期】現状可視化期
◎ このフェーズの特徴:
✅ 現場の実施状況を正確に把握できていない
✅ まずは費用をかけず改善したいと考えている
✅ 課題が何かを整理したい段階である
◎ このフェーズで読むべき記事:
【第2期】変革着手期
◎ このフェーズの特徴:
✅ 説明会や研修を実施したが変化が限定的
✅ 管理職の行動が変わらない
✅ 次の打ち手に迷っている
◎ この段階で読むべき記事
【第3期】実践力確立期
◎ このフェーズの特徴:
✅ 管理職のスキルにばらつきがある
✅ 良い1on1を再現できていない
✅ 部下が受け身になっている
◎ この段階で読むべき記事:
【第4期】組織定着期
◎ このフェーズの特徴:
✅ 一時的に改善したが継続できていない
✅ 実施率や質にばらつきがある
✅ 組織として定着させたい
◎ この段階で読むべき記事:
まとめ:1on1の立て直しは「順序」がすべて
1on1の立て直しにおいて、最も重要なのは、現在のフェーズに合った打ち手を選ぶことです。
例えば、実態が見えていない段階でスキルトレーニングを行っても、効果は限定的です。また、スキルが不足している段階で定着施策を導入しても、形骸化してしまいます。
改善は、正しい順序で進めることで、初めて成果につながります。
本記事で特定したフェーズの記事から、順に読み進めてください。
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もし、「自社がどのフェーズにあるのか客観的に整理したい」「研修を実施しているが効果が限定的である」「1on1を組織として定着させたい」などとお考えであれば、まずは現状整理のための弊社の無料相談をご活用ください。
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1on1のスキル研修を実施し、現場からも「やり方は理解できた」という声が聞こえてくる。それにもかかわらず、数か月後には実施率が下がり始め、気づけば一部の上司しか続けていない。
このような状況は、決して珍しいものではありません。問題は、上司や部下の意識が低いことでも、忙しさそのものでもありません。
1on1が「続く組織」と「続かない組織」では、スキル以外の部分に、決定的な違いが存在しています。
本記事では、1on1を“やり切りの施策”で終わらせず、やり続けられる組織に変えていくための定着とモニタリングの考え方を整理していきます。
この記事で扱うこと
✅ 1on1のスキルは身についたのに、実施率が下がっていく構造
✅ 実施率と質を同時に維持している組織に見られる「定着の仕組み」
✅ 定着フェーズで必要になる、モニタリングと効果測定の考え方
この記事は以下のような方におすすめ
✅ 1on1研修後、一時的には回ったが最近実施率が落ちてきている
✅ 部署や上司によって1on1のばらつきが大きくなっている
✅ 「個人任せ」にせず、組織として1on1を支える方法を考えたい
なぜ、1on1は続かなくなるのか
1on1が続かなくなる理由は、多くの場合「忙しくなったから」と説明されます。しかし実際には、忙しさは原因ではなく、最初に表面化する症状にすぎません。
研修直後は、意識も高く、周囲の注目も集まり、多少の負荷があっても実施されます。ところが時間が経つにつれ、業務の優先順位の中で、1on1は「後回しにしてもすぐに困らないもの」になっていきます。
この段階で、1on1が個々の上司の善意や努力に依存していると、実施率は自然と下がっていきます。
続かなくなること自体が失敗なのではなく、続けるための仕組みが設計されていないことが、定着フェーズで顕在化している状態だと捉える必要があります。
「続いている組織」と「止まり始める組織」の分かれ目
1on1が続いている組織と、止まり始める組織を分けているのは、特別な制度や強い管理ではありません。
違いは、1on1を「個人の取り組み」と見ているか、「組織として維持すべき活動」と見ているかにあります。
続いている組織では、自然と実施状況が把握され、問題が起きたときに立ち戻る場所があります。
一方で止まり始める組織では、実施されているかどうかが曖昧になり、気づいたときには、「やっていない人が増えている」状態になっています。
定着の分かれ目は、見えているかどうか、話し合われているかどうかです。
1on1を定着させている組織が見ている6つの観点
1on1が定着している組織では、次のような観点が共有されています。
✅ 1on1の推進主体や役割が曖昧になっていないか
✅ 実施状況を把握するための指標や見方が決まっているか
✅ 定期的に成果や課題を振り返る場が機能しているか
✅ 推進側と現場の間で情報が分断されていないか
✅ 課題が出たときに、改善が止まっていないか
✅ 必要に応じて、外部の視点を取り入れられているか
ここで重要なのは、これらを「やるべき項目」としてチェックリスト化することではありません。どこか一つでも弱くなると、1on1は徐々に形骸化しやすくなります。
自社では、どの観点が十分で、どの観点が脆くなっているのか。それを見極めるための視点として、これらを捉えることが大切です。
実施状況のモニタリングと効果測定の考え方
モニタリングや効果測定という言葉に、「管理される」「評価される」といった抵抗感が生まれることは少なくありません。しかし、定着フェーズにおけるモニタリングの目的は、人を縛ることではありません。続けるために、状況を把握することです。
完璧な数値や精緻な分析よりも、「傾向が見えているかどうか」が重要になります。また、実施率と質を同じ指標で見ようとすると、議論が混乱しやすくなります。
✅ 実施されているか
✅ 実施された1on1が、どのように受け取られているか
これらを分けて捉え、変化に気づける状態をつくることが、モニタリングの本質です。
定着フェーズで起きやすいズレと、立て直しの視点
定着フェーズでは、次のようなズレが起きやすくなります。
✅ 推進役が形式的な存在になり、状況を把握していない。
✅ 定例の会議は開かれているが、共有すること自体が目的化している。
✅ 実施率だけを追いかけ、「なぜ続かなくなっているのか」が話題に上らなくなっている。
これらはすべて、1on1が悪い方向に進んでいるサインです。
立て直しの第一歩は、新しい施策を打つことではありません。いま何が起きているのかを、関係者で同じ目線で捉え直すことです。
まとめ|1on1が続く組織かどうかを見極める視点
最後に、本記事で整理してきた判断軸をまとめます。
✅ 1on1が、特定の個人の頑張りに依存していないか
✅ 実施状況や傾向を把握し、立ち戻れる仕組みがあるか
✅ 「続けるために何を見るか」が、組織で共有されているか
1on1は、一度仕組みをつくれば終わりの施策ではありません。定着フェーズに入ったいま、自社がどの状態にあるのかを見極めることが、次の一手を考えるための出発点になります。
もし、「どこから手をつけるべきか分からない」「現状の整理自体が難しい」と感じている場合は、第三者の視点で状況を棚卸しすることも、一つの選択肢です。
自社にとって、1on1を“やり続けられる仕組み”にするために、何が足りていて、何が弱くなっているのか。その整理から、次のフェーズが見えてくるはずです。
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1on1を継続的に機能させるためには、運用の質が重要です。
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関連記事のご案内
本記事は「組織定着期」の実践内容です。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。
→ あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)
基礎から確認する場合:
→ 「1on1が嫌だった」と言われる前に 〜 効果が出ない1on1を見直す最初の一歩

1on1がうまくいかないとき、多くの企業ではまず「上司側の関わり方」に目が向きます。
・質問力が弱いのではないか。
・傾聴が足りないのではないか。
・フィードバックが適切でないのではないか。
こうした視点は確かに重要です。
一方で、上司側の改善を重ねても、1on1がどこか噛み合わないまま続いている企業も少なくありません。
その背景には、メンティ(部下)側の「受け方」が揃っていないという構造があります。
この記事では、部下が受け身で終わってしまう1on1が、どのように生まれているのかを整理しながら、「部下向け1on1の受け方教育」という打ち手の位置づけを考えていきます。
この記事で扱うこと
✅ メンティ(部下)が1on1をどう「受け取ってしまっているか」という前提の整理
✅ 受け身で終わる1on1が生まれやすい構造と、その見えにくいズレ
✅ メンティ側に必要な「1on1の受け方」の共通認識
この記事は以下のような方におすすめ
✅ 上司側の改善だけでは1on1に限界を感じている方
✅ 若手・部下が1on1で受け身になってしまう理由を整理したい方
✅ 部下向けに1on1の受け方を揃える必要性を感じている方
なぜ1on1は「受け身で終わってしまう」のか
受け身な1on1は、必ずしも部下の意欲や姿勢の問題から生まれるわけではありません。多くの場合、部下は1on1を「何を求められている場なのか分からないまま」迎えています。
日常の業務会話と同じ延長線上で捉えている部下もいれば、評価や指導の場だと身構えている部下もいます。
こうした認識のばらつきがある状態では、どれだけ上司が工夫しても、対話は表面的になりやすくなります。
受け身で終わる1on1は、「個人の問題」ではなく、前提が共有されていない構造から生まれているのです。
メンティが1on1で感じやすい「違和感」と「警戒」
1on1の場では、上司が日常会話ではしないような質問を投げかけることがあります。
・将来についてどう考えているか。
・最近、何に悩んでいるか。
・仕事の意味をどう捉えているか。
こうした問いは、1on1では自然なものです。しかし、事前に説明がない場合、部下にとっては違和感のある問いになります。
・「なぜ今それを聞かれるのか分からない」
・「評価につながるのではないか」
・「正解を言わなければならないのではないか」
こうした警戒心が生まれると、部下は無意識のうちに、当たり障りのない受け答えを選ぶようになります。結果として、1on1は深まらず、受け身な時間として消化されていきます。
「理解されていない1on1」で起きていること
1on1の目的や価値、どのような対話が想定されているのかが共有されていない場合、現場では次のようなことが起きやすくなります。
✅ 上司の問いの意図が分からず、無難な回答に終始する
✅ 本音を話す場なのか判断できず、様子見が続く
✅ 毎回の1on1が「何となく話す時間」になる
これらは、部下が怠慢だから起きているわけではありません。1on1という場そのものを、どう受け取ればよいのか分からない状態で、参加しているだけなのです。
実際に、管理職向けの対話スキル向上の取り組みを行った際、多くの管理職から次のような声が聞かれました。
「このトレーニングを通じて、私たちは1on1の目的や価値を十分に感じることができた。
でも、部下たちが同じように1on1に臨んでくれるのかが不安だ」。
管理職自身は、1on1を意味のある対話の時間として理解できている。一方で、部下側がその前提を共有していないまま1on1に臨めば、対話が噛み合わなくなるのは自然なことです。
このとき起きているのは、スキル不足ではなく、上司と部下の前提理解の非対称です。
メンティに必要なのは「スキル」よりも「受け方の前提」
部下側の課題を語るとき、「自己開示力を高めるべきだ」「発言力をつけるべきだ」といった議論になりがちです。しかし、大切なポイントはそこではありません。
重要なのは、部下が次のような前提を理解しているかどうかです。
✅ 1on1は何のための時間なのか
✅ 上司はどのようなスタンスで関わってくるのか
✅ 1on1を自分にどのようなメリットがあるのか
これらが分からないままでは、どれだけスキルを求めても、部下は動きようがありません。
また、部下向けの1on1受け方教育は、部下のためだけの施策ではありません。
管理職が
「この問いを投げかけて大丈夫だろうか」
「どう受け取られるだろうか」
と迷いながら1on1に臨んでいる状態では、対話はどうしても浅くなります。
部下が1on1をどう理解しているのか。その前提が揃っているかどうかは、管理職が安心して関われるかどうかにも直結します。
「受け方の教育」とは、部下に何かをうまく話させるためのものではなく、安心して参加できる前提を揃えることでもあるのです。
「受け方」を揃えるという打ち手の位置づけ
では、部下向けの1on1受け方教育は、誰のための施策なのでしょうか。
それは、次の三者すべてに関わる打ち手です。
✅ 部下が1on1をどう受け取ればよいか判断できるようにするため
✅ 管理職が迷わず問いを投げ、対話に集中できるようにするため
✅ 1on1という仕組み全体の効果を高めるため
どちらか一方のための施策ではありません。上司と部下の間にある前提のズレを減らし、1on1が機能する条件を整えること。それが、部下向け「1on1の受け方教育」の本質的な役割です。
ここで重要なのは、「どう設計するか」「どう実施するか」ではありません。まず、なぜ前提を揃える必要があるのかを、組織として理解できているかどうかです。
まとめ
✅ 受け身な1on1は、部下の姿勢ではなく前提の不一致から生まれやすい
✅ 部下向けの受け方整理は、管理職の不安を和らげる意味も持つ
✅ 上司と部下の前提を揃えることが、1on1全体の効果を支えている
自社の1on1は、部下にとって、管理職にとって、どのような場として受け取られているでしょうか。
次のフェーズでは、こうした前提をどのように現場に根づかせていくのかを、別の観点から整理していくことになります。
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1on1を定着させるためには、仕組み化が不可欠です。
もし、
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・定着の仕組みを設計したい
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本記事は「組織定着期」の取り組みです。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。
→ あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)
次の段階について知りたい場合:
→ 1on1を“やり続けられる組織”に変えるための、定着とモニタリングの考え方

多くの企業で1on1は制度として導入され、定例の面談として定着しつつあります。一方で、管理職の対話スキルが思うように伸びず、1on1の質に課題を感じている企業も少なくありません。
研修を実施しても行動が変わらない場合、管理職個人の資質や意欲の問題として片づけられてしまうことがあります。しかし実際には、スキルの育て方そのものに原因があるケースも多く見られます。
この記事では、管理職の1on1対話スキルを高めるために欠かせない「4つの要素」を整理します。
あわせて、最初から高度なスキルを求めるのではなく、段階を踏んで育成することの重要性についても考えていきます。
この記事で扱うこと
✅ 管理職の1on1対話スキルを高めるための4つの要素
✅ 各要素で押さえるべきポイント
✅ スキルを実務レベルで高めるためのトレーニングの考え方
この記事は以下のような方におすすめ
✅ 管理職向けの1on1研修を行っているが、1on1の質が変わらないと感じている
✅ 1on1の課題は管理職の「対話スキル」だと考えている
✅ 管理職育成を属人的にせず、再現性のある形で進めたい
管理職の1on1スキルは「才能」ではなく「育成対象」である
1on1がうまくいかないとき、「向いている人と向いていない人がいる」「コミュニケーション力の差が出る」といった捉え方がされることがあります。
しかし、1on1の対話スキルは属人的な才能ではなく、後天的に高めていくことができるスキルです。
伸び悩みが起きている場合、スキル習得を前提とした設計になっていない可能性があります。特に、最初から高度なスキルを求めてしまうと、管理職自身が「できない感覚」を強く持ちやすくなります。
まずは、1on1スキルを育成対象として捉え直すことが重要です。
1on1対話スキルを高める4つの要素とは
管理職の1on1対話スキルを高めるためには、次の4つの要素が欠かせません。
1つだけを強化しても、スキルは定着しにくくなります。4つの要素が組み合わさることで、はじめて実務で使えるスキルとして育っていきます。
✅ 必要な「知識」のインプット
✅ 本物の1on1を受ける側としての「体験」
✅ 知識と体験を踏まえた「練習」
✅ 練習セッションが機能しているかの「評価」
以下、それぞれの要素について整理します。
要素①:必要な「知識」をインプットする
1on1に関する知識は、スキル習得の土台になります。ただし、ここで求められるのは理想論や抽象的な概念だけではありません。
面談の目的や構造、基本的な進め方など、最低限押さえるべき共通認識が重要です。
この段階では、「理解していること」「実際にできること」を一致させる必要はありません。まずは、共通言語を持つことが目的になります。
要素②:本物の1on1を「受ける側」として体験する
管理職育成で見落とされがちなのが、良い1on1を受ける体験です。面談をする側としての視点だけでは、1on1の本質を理解しきれないことがあります。
受ける側として、どのような問いが考えを深めるのか。どのような関わり方が安心感につながるのか。そうした感覚は、体験を通じて初めて腑に落ちるものです。
この体験があるかどうかで、その後の練習の質は大きく変わります。
要素③:知識と体験を踏まえた「練習」を行う
スキルを伸ばすうえで欠かせないのが練習です。ただし、いきなり完成度の高い対話を目指す必要はありません。
最初は、問いかけの仕方、話を聴く姿勢、対話の進行など、テーマを絞って練習することが有効です。
知識と体験を踏まえた練習であれば、「何を意識して練習するのか」が明確になり、効果的にスキルを高めることができます。
要素④:練習が機能しているかを「評価」する
練習を重ねるだけでは、スキルが伸びているかは分かりません。そのため、練習が機能しているかを確認する視点が必要になります。
ここでいう評価とは、査定や数値管理を指すものではありません。上達しているポイントや、まだ課題が残っている点を言語化するための確認です。この評価があることで、次の練習につなげることができます。
なぜ段階を踏んだスキル習得が有効なのか
1on1スキルは、一度に身につくものではありません。最初から高度なスキルを求めると、管理職は「できない自分」を強く意識してしまいます。
段階を踏むことで、理解する → 体感する → 試してみる → 振り返る、というプロセスが回り始めます。この循環が生まれることで、スキルは少しずつ定着していきます。
まとめ:自社の管理職育成を振り返る視点
最後に、この記事の内容を踏まえて、次の観点で自社の状況を振り返ってみてください。
✅ 管理職の1on1スキルは、育成対象として扱われているか
✅ 知識・体験・練習・評価の4要素がそろっているか
✅ 最初から高度なスキルを求めすぎていないか
管理職の1on1スキルは、育て方次第で高めていくことができます。
次のフェーズでは、面談を受ける側の視点や、スキルを定着させるための仕組みも重要になってきます。自社がどの段階にあるのかを見極めながら、次の一手を検討してみてください。
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部下の関わり方を変えることも、1on1改善の重要な要素です。
もし、
・組織全体で1on1の質を高めたい
・管理職と部下の双方から改善を進めたい
このような場合は、無料相談をご活用ください。
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本記事は「実践力確立期」の取り組みです。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。
→ あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)
次の段階について知りたい場合:
→ 受け身で終わる1on1から抜け出すための、部下向け「1on1の受け方教育」とは
→ 1on1を“やり続けられる組織”に変えるための、定着とモニタリングの考え方

他社の1on1事例を読んでも、「参考になるようで、結局どう自社に当てはめればいいのか分からない」そう感じる担当者は少なくありません。
その理由は、事例の内容が悪いからでも、自社のレベルが低いからでもありません。多くの場合、自社と他社で“置かれている段階”が違うまま比較してしまっていることに原因があります。
この記事では、複数の企業事例を横断して見えてきた、1on1が定着している企業に共通する「進み方の段階」を整理します。
やり方やノウハウではなく、どんな順序で、どんな壁にぶつかってきたのか。その全体像を確認することを目的とします。
この記事で扱うこと
✅ 1on1が定着し、機能している企業がどのような段階を踏んでいるか
✅ 複数の他社事例をもとに整理した、共通する進め方の全体像
✅ 成果が出るまでに、各段階で何が起きていたのか
この記事は以下のような方におすすめ
✅ 他社の1on1の取組みを参考にしたいが、自社との違いが判断できていない
✅ 1on1を進めているものの、今のやり方が正しい順序なのか不安がある
✅ 次にどんな打ち手を検討すべきか、全体像から考えたい
なぜ他社の1on1事例は、そのまま真似してもうまくいかないのか
事例記事を読むと、成果が出ている状態だけが切り取られて見えることがあります。しかし実際には、どの企業も最初からうまくいっていたわけではありません。
違いを生んでいるのは、「優れた施策」ではなく、どの段階で、何に直面し、どう乗り越えてきたかです。
段階が違えば、同じ取り組みでも意味合いは大きく変わります。その前提を揃えないまま比較してしまうことが、「参考にしたのに活かせない」状態を生んでいます。
1on1が定着している企業が共通して踏んでいた4つの段階
他社事例を構造的に整理すると、多くの企業が次の4つの段階を行き来していることが分かります。
1. まずは始めてみた期
2. 手応えと課題の発見期
3. 良質1on1メンター増加期
4. 実施率の維持と定着努力期
重要なのは、この4段階が一直線に進む成長モデルではないという点です。部署ごとに段階が異なったり、複数の段階が同時に存在したりすることも珍しくありません。
第1段階|【まずは始めてみた期】に組織の中で起きていること
この段階では、とにかく1on1が「始まった」状態にあります。目的や意味づけは揃っていなくても、面談の予定が入り、上司と部下が時間を取って話し始めています。
現場では、「これで合っているのか分からない」「正直、手応えはまだない」といった声が出やすい時期です。
しかし、多くの企業事例を見ると、この段階での違和感は失敗ではありません。後の改善につながる材料が、ここで初めて集まり始めています。
第2段階|【手応えと課題の発見期】で必ず直面する壁
1on1を続けていくと、一部の現場で「少し良くなってきた」という声が出始めます。同時に、管理職ごとの差もはっきり見えてきます。
この段階で多くの企業が直面する大きな課題は、管理職の1on1スキルのばらつきです。
・ 話が広がる人と、すぐ業務指示に戻る人
・ 部下の話を引き出せる人と、沈黙が続く人
こうした差が可視化され、「このままでいいのか」という問題意識が生まれます。ここでは、解決策そのものよりも、課題として正しく認識されることが重要な転換点になります。
第3段階|【良質1on1メンター増加期】に企業が行っていること
課題が明確になると、一部の企業では次の動きが始まります。それは、全員を一気に変えようとするのではなく、良質な1on1を実践できる管理職を増やしていくという取り組みです。
この段階では、社内にロールモデルとなる存在が生まれ始めます。
・「あの人の部下は1on1に積極的に取り組んでいる」
・「困ったときに相談できる」
こうした認識が、少しずつ組織の中に広がっていきます。
第4段階|【実施率の維持と定着努力期】に入った企業の特徴
良質な1on1が実施されるようになると、次に浮上するのが「実施率をどう保つか」という課題です。異動や昇格、新任管理職の増加によって、1on1の前提条件は常に変わります。
この段階にたどり着いた企業の特徴は、第3段階の取り組みをやめていないことです。実施率の維持と並行して、新たな管理職に対しても、良質な1on1が実施できるような施策を行なっています。
定着はゴールではなく、継続的な調整が必要な状態として扱われています。
4つの段階は、同時並行・行き来するものとして捉える
実際の企業では、4つの段階がきれいに分かれて存在することはほとんどありません。
・ ある部署は第2段階
・ 別の部署は第3段階
・ その他の部署は第1段階
といったように、複数の段階が同時に進行しています。
大切なのは、「今どこか」を正確に決めることではなく、どんな課題が前に現れているかを把握することです。
まとめ:他社事例は「答え」ではなく「現在地確認」に使う
✅ 4つの段階は、正解を示すモデルではなく整理のための枠組み
✅ 課題の質は、段階によって大きく変わる
✅ 他社事例は、自社の次の論点を見つけるために活用する
他社がどこまで進んでいるかよりも、自社が今どの段階にあり、何が見え始めているか。
それを判断できる状態をつくることが、次の打ち手を考えるための出発点になります。
無料相談のご案内
管理職の対話力は、1on1の質を左右する重要な要素です。
もし、
・管理職のスキル向上を体系的に進めたい
・トレーニング設計を検討したい
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本記事は「実践力確立期」の取り組みです。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。
→ あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)
次の段階について知りたい場合:
→ 管理職の1on1スキルを高めるために欠かせない4つの要素とは
→ 受け身で終わる1on1から抜け出すための、部下向け「1on1の受け方教育」とは

1on1研修を導入しようと検討を進める中で、「研修は実施したのに、現場があまり変わらなかった」という話を耳にすることがあります。
この問題は、研修内容の細かな良し悪し以前に、最初の研修の設計段階で結果がほぼ決まってしまっている ことが少なくありません。
本記事では、1on1研修を導入する企業が、最初の研修で必ず押さえておきたい2つの条件 に焦点を当てて整理します。
この記事で扱うこと
✅ 1on1研修の最初に必ず組み込むべき「2つの条件」とは何か
✅ 管理職の受け止め方が大きく分かれる、研修初日の構成イメージ
✅ 説明中心で終わってしまう研修が抱える、典型的なNG設計
この記事は以下のような方におすすめ
✅ 1on1研修の導入を検討しているが、内容設計に不安がある
✅ 研修を「やっただけ」で終わらせたくないと感じている
✅ 管理職が1on1の意味を実感できる条件を押さえたい
なぜ1on1研修は「やったのに何も変わらない」状態になりやすいのか
1on1研修が形骸化してしまう背景には、管理職の意欲や能力不足だけを原因にしてしまいがちです。
しかし実際には、最初の研修で管理職が、「なぜやるのか」「どういうものなのか」を 自分の言葉と感覚で捉えられていない ままスタートしてしまうケースが多く見られます。
理解したつもりでも、実感が伴っていなければ、日常業務に戻った瞬間に1on1は後回しになります。
だからこそ、最初の研修では、単なる説明以上の体験設計が求められます。
最初の1on1研修に必ず必要な条件①:トップが語る「なぜ今1on1なのか」
1つ目の条件は、トップ自身が1on1に込める意図を語ること です。これは、研修会社や人事担当者の説明では代替できません。
✅ なぜ今1on1なのか
✅ 組織として何を変えたいのか
✅ 管理職に何を期待しているのか
こうした背景を、トップの言葉で直接聞くことで、管理職は1on1を「自分事」として捉え始めます。
ある企業の1on1研修では、トップが組織の現状を踏まえたうえで、どんな組織にしたいのかを語り、自身の体験を交えながら「その実現に1on1がなぜ有効なのか」を解いていました。
さらに、管理職の立場で感じてきたメリットにまで言及したことで、会場の管理職たちが「それならば」と前向きに受け止める空気に変わったことが、強く印象に残っています。
ここで重要なのは、上手に話すことや、模範的なメッセージを用意することではありません。
トップの言葉が、研修全体の「前提」として共有されること自体が、その後の学びの受け取り方を大きく左右します。
最初の1on1研修に必ず必要な条件②:「本物の1on1」を見せること
2つ目の条件が、本物の1on1をデモとして提示すること です。ここは、最初の研修の中でも、特に失敗が許されないポイントです。
なぜなら、この場で管理職が、「1on1とはこういうものか」「これなら意味がありそうだ」と実感できるかどうかで、その後の姿勢が大きく変わるからです。
逆に、このデモが形だけのものだったり、説明的で終わってしまった場合、管理職は1on1の本当の意義や効果を体感する機会を失います。
それは、単なる理解不足ではなく、大きな機会損失 になります。
この段階では、やり方を分解したり、スキルを評価したりする必要はありません。「こういう関わりが起きるのか」という感覚を、目の前で見せることが目的です。
研修当日の構成イメージ──説明で終わらせないための流れ
2つの条件は、研修当日の中で切り離して考えるものではありません。一日の流れの中で、自然につながる形で配置されることで、管理職の理解と納得が深まります。
たとえば、トップの言葉で背景と期待を共有し、その直後に1on1のデモを見ることで、「なぜやるのか」と「どういうものか」が一本の線で結ばれます。
この順序が逆だったり、どちらかが欠けてしまうと、研修は途端に説明中心の場になってしまいます。
この設計を外すと起きやすいNGパターン
最初の研修設計で、次のような状態が起きていないかは、重要な確認ポイントです。
✅ 1on1の目的が抽象的なまま共有されている
✅ 管理職が「結局何を目指すのか」分からないまま終わる
✅ デモがなく、頭の理解だけで進んでしまう
これらはすべて、研修のやり方ではなく、最初の条件設定の問題 と言えます。
まとめ:最初の1on1研修で確認したいポイント
最後に、1on1研修導入時に整理しておきたい視点をまとめます。
✅ トップの言葉で、1on1の背景と期待が語られるか
✅ 管理職が「本物の1on1」を実感できるデモが用意されているか
✅ 説明だけで終わる構成になっていないか
これらは、研修の出来不出来を評価するための基準ではありません。自社の研修設計が、現場が動き出す前提条件を満たしているか を確認するための視点です。
研修後にどう定着させていくかは、また別のフェーズで検討すべきテーマになります。
まずは、最初の研修が「スタート地点として適切かどうか」。
そこから見直してみてください。
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本記事は「実践力確立期」の全体像を理解するための内容です。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。
→ あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)
次の段階について知りたい場合:
→ 1on1が定着している企業が共通して踏んでいる4つの段階 〜 他社事例から整理する進め方の全体像
→ 管理職の1on1スキルを高めるために欠かせない4つの要素とは

1on1の効果が出ていない企業が立て直しを検討する際、多くの担当者が悩むのが「どこから始めるべきか」という問題です。
全社一斉に取り組むべきか、それとも一部の部署から始めるべきかによって、その後の成否は大きく変わります。
中〜大規模企業の支援を通じて明らかになっているのは、立て直しの成否は「最初の集団の選び方」に大きく左右されるという事実です。
本記事では、なぜ全社一斉での立て直しが難しいのかを構造的に整理した上で、成功確率を高めるための実務的な始め方と、横展開につなげるための具体的な考え方を解説します。
この記事で扱うこと
✅ 1on1立て直しを「全社一斉」で始めることの難しさ
✅ 成功確率を高める「最初の集団」の選び方
✅ 早期に成功事例を作り、横展開を進める実務ポイント
この記事は以下のような方におすすめ
✅ 1on1は導入済みだが、効果が出ず立て直しを検討している
✅ 全社で取り組むべきか、一部の部署から始めるべきか迷っている
✅ 確実に成果につながる「始め方」を知りたい
なぜ「全社一斉」で立て直すと失速しやすいのか
1on1の効果が出ていない企業の担当者から、「この機会に全社一斉で立て直したい」という相談を受けることは少なくありません。
しかし、中〜大規模企業において、全社一斉で立て直しを成功させることは、実務上それほど多くありません。その背景には、組織内の状態に大きなばらつきがあるという現実があります。
例えば、同じ企業の中でも、次のような違いが存在します。
✅ 1on1の意義を理解している管理職と、そうでない管理職がいる
✅ 全部下との対話に積極的な管理職と、業務優先で後回しにする管理職がいる
✅ すでに課題意識を持っている部署と、問題を認識していない部署がある
✅ 業務の繁忙度により、取り組みやすい部署と取り組みにくい部署がある
この状態で全社一斉に取り組むと、前向きに進む部署もあれば、形だけの実施に留まる部署も生まれます。
その結果、「結局変わらなかった」という印象が広がり、立て直しそのものが失速してしまうケースもあります。
最初の集団は「成功しやすい組織」を選ぶことが重要
立て直しの初期段階で最も重要なのは、“成功しやすい集団”から始めることです。なぜなら、初期段階で成功事例が生まれることで、組織内に次のような変化が起きるからです。
✅ 1on1の価値を実感する管理職が増える
✅ 他の組織の関心が高まり、自発的な参加希望が生まれる
✅ 人事施策としての説明力と説得力が高まる
✅ 横展開が自然な流れで進みやすくなる
逆に、最初の取り組みで成果が見えない場合、立て直しの取り組みスピードは急速に失速してしまいます。だからこそ、「最初の集団の選び方」が、その後の成否を大きく左右するのです。
方法①:トップや責任者が積極的な組織から始める(最も推奨)
最も成功確率が高い方法は、トップや責任者が積極的な組織から開始することです。成功しやすい組織には、次のような特徴があります。
✅ 従業員エンゲージメントを高めたいという問題意識を持っている
✅ 上司と部下の対話の質を高める必要性を認識している
✅ トップ自らが1on1を実施している
✅ 忙しくても対話の時間確保を優先している
このような組織では、取り組みの意義がトップから明確に発信されるため、メンバーの納得感が高まりやすくなります。また、取り組みが遅れている管理職へのフォローも機能しやすくなります。
さらに重要なのは、他の組織のトップに影響を与えることです。「あの部門で成果が出ているなら、自分の組織でも取り組みたい」という動きが生まれ、横展開が加速します。
方法②:手挙げ(立候補)制で募る
自主的に取り組みたい管理職を募る方法も、有効な選択肢です。この方法には、次のような利点があります。
✅ 主体的な意欲を持つ管理職から開始できる
✅ 試行錯誤を前向きに進めやすい
✅ 成功事例が生まれやすい
✅ 取り組みの質が高まりやすい
一方で、成果を適切に共有しない場合、次の参加者が増えにくくなる可能性があります。そのため、成果の見える化と共有が重要になります。
方法③:経営層が期待度の高い人材を選抜する
経営層が期待する管理職を選抜して開始する方法もあります。この方法は、次のような場合に有効です。
✅ 次世代リーダーの育成と連動させたい場合
✅ 組織変革の中核となる人材を育てたい場合
✅ 成功事例の象徴となる人材を作りたい場合
ただし、選定基準を明確にし、選定理由を適切に説明することが重要です。
よくある失敗:公平性を優先しすぎること
立て直しの初期段階でよくある失敗の一つが、公平性を優先しすぎることです。
全ての組織を同時に対象とすることは一見合理的に見えますが、成功事例が生まれにくくなるリスクがあります。
立て直しの初期段階では、「成功事例を生み出すこと」を優先することが重要です。
最初の一歩:候補組織を「成功しやすさ」で評価する
まずは、候補となる組織を複数挙げてみてください。
その上で、次の観点から評価することをおすすめします。
✅ トップのコミットメントの強さ
✅ 対話への問題意識の高さ
✅ 取り組みへの主体性
✅ 成功事例として発信できる可能性
成功しやすい組織から開始することで、立て直しを確実に前進させることができます。
まとめ
1on1の立て直しを成功させるためには、「どこから始めるか」が重要です。全社一斉ではなく、成功しやすい組織から段階的に進めることで、その後の横展開が進みやすくなります。
立て直しを進める際は、次のポイントを意識することが重要です。
✅ 1on1の立て直しは、全社一斉より段階的に進める方が成功確率が高い
✅ 最初の集団は「成功しやすい組織」を選ぶことが重要
✅ 特に、トップが積極的な組織から始める方法が最も効果的
✅ 初期の成功事例が、その後の横展開の推進力になる
最初の集団で成功事例を生み出すことが、1on1を実効性のある取り組みとして定着させるための出発点となります。
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研修を効果につなげるためには、設計とその後の取り組みが重要です。
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本記事は「変革着手期」の取り組みの一部です。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。
→ あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)
次の段階について知りたい場合:
→ 初回の1on1研修で失敗しないために、必ず押さえるべき2つの条件
→ 1on1が定着している企業が共通して踏んでいる4つの段階 〜 他社事例から整理する進め方の全体像

人事主催の説明会を開き、マニュアルを配布し、1on1の重要性を丁寧に伝えた。それでも、現場の1on1が変わらない。
この状態に直面したとき、「やり方の説明が足りなかったのではないか」「管理職の意識が低いのではないか」と考えてしまうことは珍しくありません。
しかし実際には、1on1の効果が出ない企業では、ある共通した“構造”が見られます。
この記事で扱うこと
✅ 人事主催の説明会や資料配布を行っても、1on1が変わらない企業で見られる構造要因の整理
✅ 1on1の効果が出ない状態を、2つのパターンに分けて捉える視点
✅ 外部研修を検討する前に、人事が押さえておくべき判断軸
この記事は以下のような方におすすめ
✅ 1on1の説明会やマニュアル展開は行ったが、現場の1on1に変化を感じられない方
✅ 管理職が1on1をやらない、またはやっていても効果が見えず悩んでいる方
✅ 次に研修を入れるべきかどうか、判断に迷っている人事担当者
1on1の効果が出ない状態は、大きく2つに分かれる
1on1がうまく機能していない企業を見ていくと、状況は大きく次の2つに分かれます。
✅ 管理職が1on1を実施しておらず、実施率そのものが上がらない状態
✅ 実施率は高いが、雑談や進捗確認などで終わり、時間を消費するだけの1on1になっている状態
どちらも「1on1が機能していない」という点では同じですが、起きている問題は異なります。
この違いを整理しないまま対策を考えると、打ち手が噛み合わなくなります。
パターン①:管理職が1on1をやらない・続かない状態
1on1の実施率が上がらないとき、「忙しいから後回しにされている」「管理職の意識が低い」と捉えられがちです。しかし実際には、管理職が1on1の価値を理解できていない状態であることが多くあります。
管理職にとって、日々の業務は常に優先順位の連続です。その中で、「なぜ自分が時間を使って1on1をやるのか」が腹落ちしていなければ、1on1は後回しになります。
これは意欲や姿勢の問題ではなく、合理性の問題です。
パターン②:実施率は高いが、雑談や進捗確認で終わる1on1
一方で、「1on1は実施されているが、効果が見えない」というケースもあります。
この場合、1on1は行われているものの、内容は近況確認や雑談に終始し、行動や関係性に変化が生まれていません。この状態も、管理職の能力不足が原因とは限りません。
多くの場合、1on1の目的とやり方が曖昧なまま実施されていることが背景にあります。
なぜ2つのパターンが生まれるのか
実施されない1on1と、実施されているが効果がない1on1。一見すると別の問題に見えますが、根底には共通する構造があります。それが、1on1に対する次の3つの認識が揃っていない状態です。
✅ 目的
✅ 価値
✅ やり方
この3つが揃わないまま進められることで、どちらのパターンも生まれます。
構造要因①:1on1の「目的」が共有されていない
説明会や資料で、制度としての1on1は説明されている。しかし、「何のためにやるのか」が管理職一人ひとりの中で言語化されていない。
この状態では、1on1の位置づけは人によってバラバラになります。結果として、実施頻度も内容も安定しません。
構造要因②:1on1の「価値」が腹落ちしていない
目的が説明されていても、それが管理職自身の価値として理解されていない場合があります。
自分の業務や評価とどうつながるのか。なぜ「やる意味がある」のか。ここが腹落ちしていなければ1on1は優先されません。
この背景として見落とされがちなのが、管理職自身が、価値ある1on1を「受け手」として経験したことがないという点です。
これまでのキャリアの中で、1on1を通じて視野が広がったり、行動が変わったりした実感がなければ、1on1は「やるべきもの」ではあっても「意味のあるもの」にはなりません。
その結果、実施されないケースも、形骸化するケースも生まれます。
これは意欲や能力の問題ではなく、1on1の価値を実感する機会そのものが不足している構造です。
構造要因③:「やり方」だけが切り出されている
人事主催の説明会では、どうしても「やり方」の説明が中心になりがちです。質問例や進め方、注意点を整理すること自体は重要です。
ただし、目的と価値が曖昧なままやり方だけが渡されると、1on1は形式的な作業になります。
これは、人事が悪いのではなく、説明会という場の制約から起きやすい構造です。
外部研修を検討する前に、人事が整理すべき判断軸
ここまで見てきたように、1on1が変わらない理由は「研修をやっていないから」ではありません。
外部研修を検討する前に、まず整理すべきなのは、自社がどの状態にあるのかという判断です。
✅ 実施されていないのか
✅ 実施されているが効果が出ていないのか
✅ その背景で、目的・価値・やり方のどこが弱いのか
この整理ができてはじめて、次の打ち手を選べる状態になります。
まとめ
✅ 効果が出ない状態には、「実施されない」「実施されているが効果がない」の2パターンがある
✅ どちらの背景にも、目的・価値・やり方の認識が揃っていない構造がある
✅ 外部研修を考える前に、自社がどこで詰まっているのかを整理することが重要
説明会の次に何を打つべきか。
それは、研修の中身を考えることではなく、この構造をどう扱うかを決めることから始まります。
この整理を踏まえた上で、外部研修をどう位置づけるのかについては、次の記事で扱います。
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1on1が変わらない背景には、構造的な要因が存在します。
もし、
・研修を実施しても変化が見られない
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本記事は「変革着手期」における課題整理を扱っています。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。
→ あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)
次の段階について知りたい場合:
→ 1on1を立て直すなら、どこから始めるべきか 〜 全社展開を成功させるための第一歩
→ 初回の1on1研修で失敗しないために、必ず押さえるべき2つの条件

1on1は、本来、部下の成長や関係性の質を高めるための時間です。しかし現場支援をしていると、「上司との1on1が嫌で嫌でたまらなかった」という声が、退職者インタビューから聞こえてくる企業もあります。
これは制度の良し悪し以前に、現在の1on1がどのような状態で運用されているのかを、組織として把握できていない可能性を示しています
いきなり研修や制度を変える前に、まずは現状を確認することが欠かせません。この記事では、そのための最初の整理の仕方を扱います。
この記事で扱うこと
✅ 1on1が形骸化しているときに現れやすいサインとは
✅ 感覚論に頼らず、現状を把握するための進め方
✅ 現場の声を集めるアンケート設計と、その読み解きのポイント
この記事は以下のような方におすすめ
✅ 1on1は導入しているが、効果を実感できていない
✅ 若手の反応や離職に違和感があるが、原因がつかめていない
✅ まずは予算をかけずに、自社でできることから始めたい
1on1が「嫌だった」という声は、何を示しているのか
「1on1が嫌だった」という言葉は、1on1という取り組みそのものを否定しているとは限りません。多くの場合、その言葉の裏には、話す内容や進め方、期待されている役割が曖昧なまま続いていた状態があります。
特にIT企業など変化の速い環境では、若手社員が違和感を抱えたまま声を上げられず、結果として離職時に初めて本音が出ることもあります。
重要なのは、誰が悪いのかを決めることではありません。こうした兆候が自社にも出ていないかを、冷静に確認することです。
1on1が形骸化している組織に見られるサイン
1on1がうまく機能していない組織では、いくつか共通したサインが見られます。
✅ 面談が報告や進捗確認だけで終わっている感覚がないか
✅ 部下側が「何を話せばいいか分からない」と感じていないか
✅ 実施している事実はあるが、振り返りや共有が行われていないか
これらは原因を断定するための材料ではありません。あくまで、現状を把握するための観察ポイントとして扱うことが重要です。
まず行うべきは、評価ではなく現状の見える化
1on1がうまくいっていないと感じると、改善策や研修を検討したくなります。しかし、その前に必要なのは、良し悪しを判断しない状態で事実を集めることです。
現状把握の目的は、上司や部下を評価することではありません。
「今、何が起きているのか」を、組織として共有できる状態をつくることにあります。
現状把握を進めるための基本ステップ
自力改善のトライアル期においては、複雑な設計は不要です。最低限、次の流れを押さえることが出発点になります。
✅ 1on1の実施実態を整理する(頻度・時間・対象)
✅ 関係者が感じている違和感や温度感を集める
✅ 共通点とばらつきを区別して眺める
この段階では、結論を出そうとしないことが重要です。見える化された情報そのものが、次に進むかどうかの判断材料になります。
1on1アンケートで確認すべき観点と設問例
現場の声を集める方法として、簡易的なアンケートは有効です。この段階で重要なのは、評価や原因追及ではなく、感じ方や実態を観察することです。
以下は、そのための設問例です。
✅ 1on1の時間で、業務やプライベートのことについて安心して話せていると感じますか
✅ 1on1で話した内容が、その後の仕事に何らかの形でつながっていると感じますか
✅ 1on1の目的や位置づけを、自分なりに理解できていると感じますか
✅ 1on1の場で、話したくないことを無理に話している感覚はありませんか
✅ 1on1が、自分にとって負担やストレスになっていると感じることはありますか
✅ 1on1の頻度や時間は、今の業務量と比べてどう感じますか
✅ 1on1について、改善してほしい点や違和感があれば自由に記載してください
これらの設問は、上司の良し悪しや能力を評価するためのものではありません。回答の傾向やばらつき、無回答の多さそのものが、現在の運用状態を示す手がかりになります。
数値の高低だけで判断せず、「どの問いに反応が集まっているか」を見ることが重要です。
アンケート結果をどう受け止めるか(判断の前に)
アンケート結果を見ると、すぐに対策を打ちたくなるかもしれません。しかし、ここでも、単発の結果で結論を出さない姿勢が求められます。
結果は、次の一手を決めるための材料であり、答えそのものではありません。
今の状態で、どこまで自力で向き合えるのかを判断するために活用します。
まとめ
今回は、あるIT企業の事例をきっかけに話をしましたが、1on1が「善意で運用されている一方で、実態が見えにくい」という構造は、業種を問いません。
1on1がうまくいっていないと感じたとき、最初にやるべきことは「改善策を考えること」ではありません。
✅ 「1on1が嫌だった」という声は、現状把握が不十分なサインかもしれない
✅ 改善策を考える前に、事実と感じ方を切り分けて整理する必要がある
✅ 自社で対応できる範囲と、次のフェーズに進む判断点を見極めることが重要になる
これらを整理するための現状把握は、自社だけで、費用をかけずに始めることができます。
その結果、構造的な見直しが必要なのか、研修や支援を検討すべき段階なのか、を判断できる状態になって、初めて次の選択肢が意味を持ちます。
「このままでいいのか?」
そう感じた今こそが、1on1を見直すスタートラインです。
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本記事で解説したように、1on1の立て直しは、まず現状を正確に把握することから始まります。
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本記事は「現状可視化期」の取り組みを解説したものです。
1on1立て直しの全体像と各フェーズについては、以下の記事をご参照ください。
→ あなたの会社の1on1はどの段階?|立て直しフェーズ別ガイド(全8記事ナビ)
次の段階について知りたい場合:
→ マニュアル展開も説明会もやったのに1on1が変わらない理由 〜 人事が見落としがちな3つの構造要因
→ 1on1を立て直すなら、どこから始めるべきか 〜 全社展開を成功させるための第一歩

1on1ミーティングを導入・定着させていく中で、
人事や1on1推進担当者が、必ず直面する問いがあります。
「上司と部下の関係性が悪く、
1on1を続けること自体が強いストレスになっていると言われている。
この場合、1on1の組み合わせ変更は認めるべきなのか?」
この問いは、単なる運用論ではありません。
制度をどう守るかと同時に、人をどう守るかが問われるテーマです。
1on1は「関係性向上」のための制度である
まず、前提として押さえておくべきことがあります。
1on1の導入目的の一つは、
上司と部下の関係性を向上させることです。
その意味では、
「関係性が悪いから1on1をやらない」
「やりづらいから相手を変える」
という判断は、
制度の目的から見れば本末転倒に映るのも事実です。
実際、1on1を継続する中で、
- 最初は話せなかったが、徐々に関係性が改善した
- 誤解が解け、信頼が生まれた
というケースがあることも、私たちは数多く見てきました。
しかし、制度には「人を守る責任」もある
一方で、人事として決して軽視してはならない視点があります。
それは、
1on1が、特定の個人にとって強い精神的ストレス源になっている場合に、
どう扱うのか、という問題です。
たとえば、
- 1on1の前日から体調不良や不眠が続く
- 強い不安や緊張で、業務パフォーマンスが著しく低下する
- 1on1後に、自己否定感や無力感が増幅してしまう
このような状態が明確に見られる場合、
「制度だから」「関係性向上のためだから」という理由だけで
継続を強いることは、適切な人事対応とは言えません。
1on1は、
人を支えるための制度であるはずです。
判断軸は「関係性」だけでは足りない
ここで、人事が陥りやすい落とし穴があります。
- 関係性を良くしたい → 続けるべき
- 関係性が悪い → 組み合わせを変えるべき
という単純な二択で考えてしまうことです。
しかし、実際に見るべき判断軸は、次の二つです。
- 1on1という対話の場が機能しているか
- 特定の個人に過度な心理的・精神的負荷がかかっていないか
この二つは、どちらか一方では不十分です。
両方を同時に満たすことが、健全な制度運用です。
人事が押さえるべき「組み合わせ変更」の判断基準
感情論や場当たり的判断を避けるために、
組み合わせ変更は、一定条件下での選択肢として明示します。
たとえば、次のような基準です。
- 3か月間、1on1を継続して実施している
- メンティの1on1満足度が、5点満点中、平均2.0未満で推移している
- 関係性改善に向けた工夫や支援を行っても、改善が見られない
- 本人から、強い精神的負担を示す具体的なサインが確認されている
ここで重要なのは、
「つらいと言ったから即変更」でも、
「制度だから我慢」でもない、という点です。
一定期間・一定基準をもとに、
人と制度の両方を守るための判断を行います。
組み合わせ変更は「保護」であり「否定」ではない
組み合わせ変更を行う際、
人事が最も注意すべきは、その位置づけです。
これは、
- 上司のマネジメント能力を否定するものではない
- 人間性や相性の優劣を示すものではない
- 制度の失敗を認めることでもない
同時に、
- 強いストレスを抱えている個人を一時的に保護する措置
- 1on1という制度そのものを守るための調整
でもあります。
業務指示・評価・責任関係は、
これまで通り直属上司が担う、という整理も不可欠です。
上司への説明では「個人保護」の視点を正しく伝える
組み合わせ変更の説明を誤ると、
上司は「自分が否定された」「評価された」と受け止めてしまいます。
説明の軸は、次の三点に置きます。
- 制度運用上の判断であること
- 一時的な調整であること
- 本人の心身の負担を考慮した保護的措置であること
| < 説明例 > 1on1は関係性向上を目的とした制度ですが、 実際の運用では、すべての組み合わせで同じように機能するとは限りません。 今回は、一定期間の実施状況と満足度に加え、 本人にかかっている心理的負担も考慮した結果、 一時的な運用調整が必要と判断しました。 これはマネジメント評価や責任の問題ではなく、 制度と個人の双方を守るための判断です。 |
「保護」で終わらせず、「支援」につなげる
個人を守る対応は、
上司を切り離すこととイコールではありません。
上司が希望した場合には、
- 1on1に関する研修
- フィードバックや振り返りを含む個別支援
といった支援策を用意します。
これにより、
- 「外された」
- 「問題があると判断された」
という受け止めを、
「支援を受けられる」「学び直せる」文脈へ転換できます。
まとめ:制度を守るとは、人を守ることでもある
- 1on1は関係性向上のための制度
- しかし、強いストレスを抱える個人を放置する制度は、健全とは言えない
- 人事の役割は、「続ける/変える」を感情で決めることではない
- 制度と人の両方を守る判断基準を持つこと
1on1が文化として根づくかどうかは、
「うまくいかないケース」にどう向き合うかで決まります。
制度を守るために人を犠牲にしない。
人を守るために制度を壊さない。
その両立を目指す姿勢こそが、
1on1を“成熟した取り組み”へと導いていくのだと、私たちは考えています。

プロジェクト型のチームづくりが求められる時代。現場のマネジャーが直面するのは、チームの成果だけでなく、「関係性」「心理的安全性」「対話の質」といった、目に見えにくい課題です。
中でも注目されているのが、1 on 1の活用。ですが、形式的に回しているだけでは機能せず、かえってメンバーのモヤモヤを強めてしまうこともあります。
今回は、1 on 1を起点にチームの関係性を見直すための3つの視点を整理します。
立ち上げフェーズでは「共通言語」を設計する
新チームやプロジェクトの立ち上げ時は、個人面談の場で以下を共有できるかが重要です。
・このプロジェクトの目的と価値は何か
・それぞれが持つ期待や不安は何か
・どんな関わり方を大事にしたいか
関係性は自然発生するものではなく、プロセスの設計次第で意図的に育てられます。1on1は、その起点として機能します。初期段階で「共通言語」をつくることで、後の衝突や認識のズレを減らせます。
既存チームは「暗黙知」を可視化する問いを
既存チームでは、日々のやりとりの中で形成された関係性の質がパフォーマンスに直結します。そこで1on1では、以下のような問いが有効です。
・発言しやすさに偏りはないか?
・自発的な協働は生まれているか?
・「こうあるべき」という固定観念が、行動を制限していないか?
こうした問いは、メンバーの中に眠っている暗黙知やモヤモヤを可視化します。問題を表に出し、言語化することで初めて、改善の糸口が見えてきます。
リーダー自身も「モヤモヤ」と向き合う
1 on 1は、メンバーだけでなくリーダー自身の鏡でもあります。メンバーの言語化を支援するには、リーダー自身の自己認識が欠かせません。
・何を大切にしてマネジメントしているか?
・どこにストレスや違和感を感じているか?
・何を手放せば、チームがもっと動き出すか?
リーダー自身が自分の価値観や課題を明確にすることで、対話はより深まり、相互理解が進みます。内省と対話は、チームを動かす両輪と言えるでしょう。
まとめ
1on1は単なる報告の場ではなく、「関係性を育てる投資」です。形式から本質へ、問いから関係性へ──。チームの自律性を引き出すためには、リーダー自身の関わり方を再設計する視点が欠かせません。
こうした「問いの設計」や「関係性の再構築」を、実践的なケースを通じて学びたい方、関係性から成果をつくる1on1に興味のある方は、以下ご参照ください。
▼管理職の1on1面談スキルを高める「1on1実践トレーニング®︎」
https://www.bizmentor.jp/1on1_pt_lp
執筆:田部井 茉里 メンター

「うちの1on1、正直あまり意味を感じないんです」 そんな声を聞くことはありませんか?
定期的な1on1の導入が進む一方で、その本質が置き去りにされ、形骸化してしまうケースも少なくありません。その背景には、話の中身や頻度以前に、「心理的安全性」という土台があるかどうかが大きく関わっています。
1on1が機能しているか。それは、部下が「この場では安心して本音を話せる」と感じられるかにかかっています。つまり、心理的安全性の担保はリーダーの責任であり、その鍵は“信頼”という関係性の質にあるのです。
なぜ「心理的安全性」が1on1に不可欠なのか?
心理的安全性とは、「チームの中で自分らしくいられる」「間違いや弱みをさらけ出しても否定されない」という感覚のこと。Googleのリサーチでも、高パフォーマンスが上がっているチームに共通する要素として注目されてきました。
1on1は、部下の話を引き出し、共に考えるための貴重な対話の場。その中で、もし部下が「どう思われるかが気になって本音を言えない」のであれば、1on1は単なる報告の時間に成り下がります。
心理的安全性が担保されて初めて、学びや気づき、関係性の進化が生まれるのです。
「信頼」はリーダーから始まる
心理的安全性は、相互の信頼関係の上にしか築かれません。そして、その第一歩は、リーダー自身が“信頼を差し出すこと”です。
例えば、1on1でこんな問いかけをしていないでしょうか?
「最近、何か困ってることはない?」
「何か改善してほしいことある?」
一見よさそうに見える問いも、関係性ができていなければ「様子伺い」や「監視」と受け取られる可能性があります。
それよりも、まずはリーダー自身が「最近こんなことで悩んだ」「自分にも課題がある」といった“開示”をすることで、部下の安心感を生むことができます。
信頼される前に、信頼する。この順番が重要です。
多様性と個別性への配慮が、1on1の質を高める
心理的安全性を語るとき、もうひとつ意識したいのが「部下一人ひとりの感じ方は違う」という視点です。 性格、経験、文化的背景、現在のコンディション——それぞれの違いが、安心できる“条件”を変えます。
つまり、型通りの1on1では限界があるということです。 ある人にとっては「話を遮らないこと」が安心であり、別の人にとっては「時間を厳密に守ること」が安心だったりします。
リーダーに求められるのは、個別性への観察と配慮です。小さな気づきや態度が、大きな信頼につながります。
まとめ──対話を育てるのは、信頼という土壌
心理的安全性は、テクニックではなく関係性の中で育まれるものです。 1on1を「行う」こと自体が目的になっていないか、ぜひ立ち止まって見直してみてください。
信頼は一朝一夕には築けません。しかし、日々の関わりの積み重ねでしか生まれないからこそ、リーダーの在り方が問われます。
本音が出る場には、必ず信頼があります。 そしてその信頼は、まず「安心できるあなた」がいることから始まるのです。
執筆:田部井 茉里 メンター
リーダーとして信頼を生む1on1に興味のある方は、以下ご参照ください。
管理職の1on1面談スキルを高める「1on1実践トレーニング®︎」ご紹介ページ


