
「やめること」の大切さを知る
もし、あなたが、誰かに「リーダーが読むべきお勧めの図書は?」と訊かれたら、何と答えますか?
私の場合、お勧めの図書は何冊かありますが、今日はこちらの図書をご紹介したいと思います。
◆『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』
日本経済新聞出版社 マーシャル・ゴールドスミス
https://www.nikkeibook.com/item-detail/31356
こちらはかなり有名な著書なので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
著者のマーシャル・ゴールドスミス氏は、世界的大企業の経営者80人以上をコーチしたことで知られる、エグゼクティブ・コーチングの第一人者と言われている人物です(彼の実績を知ると、私は恐れ多くて、とても「エグゼクティブ・コーチ」などとは名乗れません)。
「何をすべきか」ではなく「何をやめるべきか」
著書の中で、氏は、リーダーが学ぶ必要があるのは「何をすべきか」ではなく「何をやめるべきか」である、と主張しています。
これを聞いて「あっ」と思った人も多いのではないでしょうか。「何をやめるべきか」なんて、盲点と言いますか、考えたこともない、と言う人もいるかもしれません。
氏は、私達がそのように思ってしまう理由を以下のように述べています。
「会社では、ポジティブな行動を目指して頑張りますという態度を見せるようにすべてができている。つまり、何かをすることを前提としている。」
「組織の業績評価システムは、何かを完璧に成し遂げたときにだけ認めるしくみになっている。」
つまり、会社の本来のあり方として「何をすべきか」を前提としているため、私達も「何をやめるべきか」という視点にはなかなか立ちにくい、ということですね。
「やめること」の大切さ知ろう
この「やめること」の大切さについて、著書の中である事例を紹介しています。
「もし、あなたが良い人だと思われていない人だとしたらどうするか?」というものです。
大抵の人は、「もっと良い人になろう」という目標を掲げて、ポジティブな行動を書き出し長いリストを作成するだろう、と言う一方で、その目標を達成するためには、もっとシンプルで簡単な方法があるとも言っています。あなたにはそれが何だか分かりますか?
それは「嫌なヤツであることをやめる」ことだと述べています。具体的には「何もしない」ことだと。さらに、このことが分かっていることの利点は「実行するのがとても容易である」ことだとも述べています。
このように見てくると、あなたには「やめること」の大切さを実感し、「何もしない」ことを実行する勇気が湧いてくるのではないでしょうか?
リーダーがやめるべき「21の悪い癖」とは?
著書では、さらに、リーダーシップを発揮しようとする際のやめるべきリストとして「21の悪い癖」というものを掲げています。
「21の悪い癖」の全貌は、ぜひ図書を購入してご覧いただきたいのですが(笑)、ここでは、その一部をご紹介したいと思います。
3 良し悪しの判断をくだす
5 「いや」「しかし」「でも」で文章を始める
10 きちんと他人を認めない
など、これらの行為をリーダーは「やめるべき」であるとしています。ここに挙げているのは3つほどですが、21のうちのほとんどがコミュケーションに関わる事柄というのも興味深いですね。