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『1兆ドルコーチ』に学ぶリーダーの姿

今話題の『1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』を読みました。そこには、シンプルな「ビジネスの基本」が書かれていました。

シリコンバレーの「伝説のコーチ」とは?

本書は、大手書店の新刊コーナーやビジネス書コーナーで大々的に取り上げられていましたから、ご存知の方も多いかもしれません。

大枠を簡単に説明すると、シリコンバレーで「伝説のコーチ」として知られ、あらゆる成功者に慕われた伝説のリーダー、ビル・キャンベル氏に師事した3人による彼の教えをまとめた書、ということになるでしょうか(個人的には、中国春秋時代の思想家である孔子の教えを、彼の没後に弟子たちがまとめたとされる『論語』に近い感覚があります)。


「1兆ドルコーチ」になるための4つの行動とは?

本書は6章から構成されていますが、「1兆ドルコーチ」となるためには、大きくは以下の4つの行動がカギになると主張しています。


1. 「人がすべて」という原則に立つ

どんな会社の成功も支えるのは「人」である。マネジャーの一番大事な仕事は、部下が仕事で実力を発揮し、成長し、発展できるように手を貸すことであり、マネジャーは部下に対する「支援」「敬意」「信頼」を通じて、その環境を生み出すべきである。


2. 「心理的安全性」が潜在能力を引き出す

コーチャブル(コーチングを受け入れる姿勢のある)相手を見極め、その相手の話に一心に耳を傾け、何をすべきかを指図せず、物語を語って聞かせ、自ら結論を引き出すようにする。自分が率直になり、相手にも同じことを求める、といった環境をつくることである。


3. チームを最適化すれば問題は解決する

問題や機会に直面したら、最初のステップは、問題そのものではなく、チームに取り組み、そこに正しいプレーヤー(素早く学習する能力、厳しい仕事を厭わない姿勢、誠実さ、グリット、共感力、チーム・ファーストの姿勢、など)を見つけることである。


4. ビジネスに愛を持ち込む

人に関心を持ち、プライベートな生活について尋ね、家族を理解し、大変な時には駆けつける。時間や人脈などの資源を、人のために惜しみなく使う。仕事でも仕事以外でもコミュニティをつくる、など、人々が絆で結ばれる時、チームは強くなれる。


本質は「基本的なことを確実にできるようにサポートする」こと

本書を読んで少々意外に感じたのは、この伝説のコーチが、シリコンバレーの成功企業ゆえ何かアクロバティックなことをしたかと言えばそうではなく、「ビジネスの基本的なことをクライアントが確実にできるようにサポートした」という姿がそこにあったということでしょうか。


ビジネスの現場で言えば、コーチがリーダーであり、クライアントが部下という関係になるでしょうか。

あなたが「1兆ドル」とは言わないまでも、伝説のリーダーになるためには、上記の行動をできるところから始めてみると良いかもしれません。

大石 典史
大石 典史
東証一部上場企業2社を含む4社で法人営業、コンサルタント職、人事総務等を経験。現在は、銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校代表、研修講師、パーソナルコーチを務める。国際コーチング連盟(ICF) 認定プロフェッショナルコーチ(PCC)。

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