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部下と上手くコミュニケーションがとれないとき

先日、部下とのコミュニケーションに悩むAさんからご相談を受けました。

彼の部下は、入社2年目のHさん。仕事は丁寧に取り組みますが、相手に堅い印象を与えてしまい、取引先とあと一歩踏み込んだ関係を築くことができません。もう少し親しみやすい印象を与えてほしいと伝えても、あまりピンと来ていない様子。

性別や世代の違いもあり、Aさんも、どう伝えたらよいものやらと困り果てていました。


あなたは、部下の人となりを知っていますか?

私は、Aさんに、Hさんの人間像について少し掘り下げて尋ねてみました。

  • Hさんは、職場ではどんな人と仲良くしていますか?
  • Hさんは、普段はどんなことに興味・関心を持っていますか?
  • Hさんが一番目を輝かせて話してくれた話題は何でしたか?

Aさんは、とても驚きました。

上司と部下として長い時間仕事を共にしていますが、Hさんに関するこれらの質問に、ほとんど答えることができなかったからです。

セクハラ・パワハラなどの問題も気になり、Aさん自身、部下とのコミュニケーションに消極的になっていました。


スモールトークの効用

上司と部下は、あくまでも仕事上の関係です。しかし、それ以前に人と人との関係である以上、そこに「信頼」がなければ、コミュニケーションロスが起きてしまいます。

そして、信頼関係を築くには、一見無関係とも思える小さなコミュニケーションを積み重ね、その人がどういう人かを知ることが大切です。

そこで、私はAさんに宿題を出しました。

Hさんが好きな物を見つけて、雑談をすることです。

この時、共通の話題を見つけて盛り上がる必要はありません。Hさんがどんな人なのか、まずは興味を持って話を聞いてみてください、と。


Aさんの後日談

後日、Aさんに宿題の結果を尋ねました。

Aさんは、外回りの時に、Hさんがいつも同じドリンクを買っていることに気づき、それを話題にしてみました。

すると、話に花が咲き、彼女の人懐っこい側面を見つけることができました。

取引先とのやり取りでも、そういう側面を見せたらいいんだよ!と伝えると、Hさんも「なるほど、そういうことか!」と納得した様子。


部下の課題は、あなたの課題!?

この例は、部下との信頼関係を築く上で、スモールトークが有効であることを示すだけではありません。

部下の課題が、実は、上司が部下との間で抱えていた課題と共通していたことにも気づかされる良い例です。

部下ができないことを嘆く前に、部下がとるべき対応を上司として見せることができているのか、今一度、見直してみてもよいかもしれませんね。


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飯塚 予始子
飯塚 予始子
弁護士。東京大学大学院法学政治学研究科(法曹養成専攻)卒業後、日本司法支援センター(法テラス)のスタッフ弁護士を経て、現在は弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所に所属する。夫婦や親子の問題、相続・事業承継などの家事事件が専門。ハラスメント問題やコーチ・カウンセラー業界の法律問題、外国人問題なども数多く取り扱う。趣味は、寝ること、こたつに入ってみかんを食べながら海外ドラマを見ること。

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