読書好きの私が古典にハマる理由とは?
悩めるアラフォー世代、その活路を書物に求める方も多いと思います。
では、どのようなジャンルを選び、活用すれば良いのでしょうか?
古典を通じて自分の“軸”をみつける
ご存知の方も多いと思いますが、現在、Biz Mentorでは、Book Barというオンライン交流会を定期的に開催しています。参加者が好きな図書を持ち寄り、お酒とおつまみを片手に、気軽にお勧めの図書を紹介し合うというものです。
私も運営サイドとして加わっていますが、図書の紹介に留まらず、それを通じて、参加者の価値観や人柄を知ることができるため、大変有意義な交流会であると感じています。
このことに関連して、私自身の読書経験について触れておきますと、20代・30代はビジネス書(自己啓発系)にハマり、40代はビジネス(経済・社会)小説にハマり、そして今、50代は古典にハマっています。
古典にハマっている理由としては、表現が端的、かつ、抽象度の高いものが多いため、自分の置かれている環境や立場に立脚した読み方ができるということ、また、そこに物事の原理原則や人間の本質を読み取ることができるため、自分の“軸(=基盤)”なるものを見出しやすいことなどが挙げられます。
悩めるアラフォー世代に贈りたい『老子』の一節
実は、これまでのブログにおいても、私が担当する回では、しばしば『孫子』や『論語』などの中国古典を紐解き、リーダーシップのあり方やコーチとしてのあり方を語ってまいりました。その目的は、私から読者へメッセージを伝えたかった、というよりも、私自身が納得したことを共有したかったから、と申し上げた方が適切かもしれません。
このブログを読まれている読者の中には、アラフォー世代、会社組織で言えば、管理職や管理職候補の方が多いのだろうと推察します。今日は、そんな方々に私が共有したい『老子』の一節をご紹介したいと思います(以下は、守屋洋『世界最高の人生哲学 老子』SB Creativeより引用)。
「上善(じょうぜん)は水の如し。水は善く万物を利して争わず、衆人の悪(にく)む所に居る。故に道に幾(ちか)し。」
最も理想的な生き方は、水のようなものである。水は万物に恩恵を与えながら相手に逆らわず、人の嫌がる低い所へと流れていく。だから、道のありように近いのである。
2つのキーワードは「柔軟性」と「謙虚さ」
ここから読み取れるキーワードは2つ。すなわち、「柔軟性」と「謙虚さ」です。
まず、「柔軟性」については、水というのは、丸い器に入れると丸い形になり、四角な器に入れると四角な形になるように、相手に逆らうことなく、相手の出方に応じてこちらの体勢を変えていくという柔軟性を持っているということ。
そして、「謙虚さ」については、水がないと地球上の生物は生存できないが、そんな大きな働きをしていながら、自らは低い所に向かって流れていく。低い所は誰もが嫌がる場所だが、水はあえて人の嫌がる低い所に身を置こうとする謙虚さを持っているということ。
“水”のような生き方ができるということ。これは、ビジネスパーソンである前に、ひとりの人間が目指すべき究極の姿なのかもしれませんね。