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千利休の教え − その4 −

「何にても置付けかへる手離れは恋しき人に別るると知れ」

恋しい人との別れとは、はて、どういう意味でしょう。

これは、「道具を置いた手をはなすときは、恋しい人と別れる気持ちのように、置いた道具に想いを残せ」という事です。


余韻を残す

余韻を残せと言われても、禅問答のごとくなかなか難しいものがありますが、恋しい人と別れる時の心残りと言えば、なるほどと一応の理解が出来ます。

他に皆さんがイメージしやすいのは、武芸での残心ではないでしょうか。

敵を倒した後、刀をすぐに鞘にしまうのではなく、一呼吸の間を置くだけで時が止まったような、そんな場面がありますね。


余韻の効果

それでは、道具一つ置くときに、そんな余韻を残す意味合いは何でしょう。

道具を置いた際に、この余韻を持たすことで、客の目線からも道具がしっかりと定位置におさまる落ち着きを感じ取ることが出来ます。

また、空間そのものに奥行も出て無限の味わいが生まれます。


利休は、単純な行為だからこそ、意識しなさいと言っているように思います。


日常での実践

毎度毎度、恋しい人との別れをしていては、なかなか難儀な事であります。

そこで利休百首の中から、もう二つ紹介します。


「手前には強みばかりを思うなよ強きは弱く軽く重かれ」

「点前には重きを軽く軽きをば重く扱う味わいをしれ」


どちらも同じ意味で、重いものを扱うときは軽いものを扱う気持ちで、軽いものを扱うときは重いものを扱うような慎重な気持ちで。


何気ない場面でも、軽いものは重いものを扱う気気持ちを意識してみてください。

おのずと余韻が生じ、リーダーとしてのあなた自身の風格もきっと良い効果に繋がると思います


悩みや相談も、重たいものは思考を変えて解決しやすく、軽いものと思う中に大事な要素が隠れていたりします。

メンターとの対話の中で、ちょっと立ち止まって探してみてください。


( 倉地 修 メンターの詳細プロフィールはこちら )

倉地 修
倉地 修
コーチ・交渉学講座講師。大学卒業後、富士ゼロックス株式会社に入社し海外OEMビジネスのSCM担当となる。プリンター会社の設立でSCM領域の立ち上げ(国内外の商物流整備・SAP R3導入など)を担当。設立した会社へ出向し、外部生産委託(EMS)プロジェクトのSCM領域責任者として1年の半分は中国へ出張し、プロジェクトの立ち上げとビジネス確立に貢献。趣味は、旅行、アウトドア、茶道、妄想

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