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飛んできたミサイル!? 〜 海外駐在員の心得

こんなコロナ禍においても、海外駐在で頑張っている人や、駐在辞令を受ける人もいらっしゃると思います。

恥ずかしながら、私の経験もご紹介しながらそんな方への参考になるならと思って書いてみました。


飛んできた弾道弾ミサイル

私の最初の海外駐在が決まったのは、1996年の台湾でした。辞令を受けてすぐに単身で台湾に渡り、少し遅れて家族が渡航することになりました。

当時、中国と台湾が激しく外交戦を繰り広げており、中国が大陸間弾道弾を発射する噂が広がっていました。

まさかと思いながらも、万一を考えて家族の移動を遅らせました。

信じられないことに、そのフライトの予定日に、中国は台湾の北側と南側の海上に数発の弾道ミサイルを打ち込みました。

え? まじ? 

ということで、家族は絶対に台湾に行きたくない! と言い出す始末。

その後、アメリカが空母2隻を台湾へ派遣し、中国は引き下がりましたが、えらいことになりました。


自分の管理できることに集中する

とても不安でしたし、家族も当然不安でしたが、予定から少し遅れて駐在生活がスタートしました。

台湾の人たちは「没関係!(大丈夫だよ!)」と言ってましたが、後で聞いた話だと、金持は結構アメリカなどに出国していたらしいです(おいおい、って感じ)。

そんな経験から、今日は一つのことをお話ししたいと思います。

それは、「自分の管理できることに集中する」、ということです。

いつの時代でも自分ではどうにもならないことが起きるものです。

海外となれば、戦争は起きないと思っていてもミサイルが飛んできたりと(やや極端な例ですが)、普段の生活の「まさか」のレベルを超えた「まさか」です。

そんな時、不安に煽られるまま浮足だったり、営業成績や仕事のアウトプットが悪い時の言い訳にすることがあります。

私もそうでしたし、まして海外に日本人一人放り込まれているのですから、使いやすい言い訳でもあります。

今になって思うに、自分の限られた時間を自分が管理できないことに費やしても全く意味がないと言うことです。

これは自戒の念を込めてでありますが、海外にいるとさらに意識しないといけないことだと思います。


海外という特殊な環境で力を発揮するために

外国で暮らすとなると、自分の常識とか生まれてから長い間に備わった物差しが役立たずになります。

そして今まで経験しなかった新しい情報の洪水に触れ、アクシデントに見舞われます。

でもそれは、素晴らしい経験になり、その後の人生に大きく影響を与える事ばかりです。

ただ、仕事となれば、いかに情報を選択し、何をすれば直接インパクトを与えられて掲げられた目標を達成できるかに集中することができるかです。

それは何も、業務だけでなく、家族の不安を取り除くことが仕事の効率を上げることになるならば、家族のケアが大切になりますし、言葉で苦労しているならば、日本語話すことを強要する前に自分がその国の言葉を話せるようになることが部下を使う早道かもしれません。

本社からのサポートもあるかもしれませんが、多くの人にとっては十分ではないかと思います。

そんな時に、あえて社外にメンターコーチを持つことも、仕事上の目標を達成するための効果的な方法ではないかと思います。


まとめ

ミサイルは簡単には飛んできませんが、海外で頑張っている方々のご苦労は察するに余りあります。

日本で働くよりもかなり幅広い業務に携わることも多く、また異文化の中での苦労は必ず人生にとってプラスになると思います。

最近は、海外志向の人が減っていると聞きますが、自分の管理できることに集中することで、ぜひ海外駐在を楽しんで実り多きものとされますよう祈念してやみません。

森谷 均
森谷 均
ノエビアの台湾法人、米国法人の社長を務める。その後、外資系化粧品会社の日本法人立ち上げなどに加わるなど化粧品業界で幅広く活動。若手リーダーの夢や目標に並走することに喜びを感じている。趣味は、居合道・剣道・映画鑑賞・日曜大工。

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