信用の期待と裏切りの現実
前回の台湾駐在時代の「第2段」の話になります。
まさかの部下の裏切り。わかっているようで認識してない。期待は実は思い込み。
まさか、自分に起こるとは。
恥ずかしいお話ですが、コーチングを学んだ今だからこそ、お伝えしたいことです。
台湾で物を売るなら台湾人の営業を
弾道弾ミサイル騒動(前回のブログ参照)の中、赴任した台湾で営業活動に精を出していた頃の話です。
営業拠点は、台湾中央にある「台中」という温暖でお金持ちが多いところにありました。
赴任当初は、お客さまが台中に多いこともあって、台中に営業部長を採用して常駐してもらっていました。
トヨタが「アメリカ人に物を売るなら、アメリカ人の営業が必要」としていた話を聞いて、同じことをしていました。
その方針に問題はなかったのですが、ある日突然、その部長から「部下の一人を連れて会社を辞め、競合の会社に行く」と言われたのです。
思い込みと安直な自己暗示
彼は取引先にも信頼されているようでしたし、報告(週報)もきちんと入れてきていましたので、コミュニケーションは十分にとれているいると思っていました。
私にしてみれば、日系の会社(外資系企業!)に雇われて、さぞ気持ちよく仕事しているだろうとタカを括っていました。
私は当時、中国語も堪能ではないし、営業成績さえ上げてもらえれば文句なし、と考えていました。いや、そう思うことが楽だったのです。
そして、私は管理系の業務や本社への報告、出張者のもてなしに勤しんでいたのです。
今から考えれば、なんと自分勝手で視野が狭かったのか、と赤面するほどです。
傾聴と相手を認めることができているのか?
台北本社から台中支店には出張頻度も多くなく、十分なコミュニケーションもしないで自分の思い込みで現場を任せてしまったツケは、ある日突然にきました。
部下の一人を連れて、競合に転職すると言われてしまい、「話をしようよ」と言っても後の祭り。
その後、必死のパッチで得意先を訪問して周り、顧客の流出はほぼ防げましたが、本当に良い経験になりました。
言葉も文化も異なる海外にあってはドラスチックな展開になりますが、日本にいても同じことが起こるのだと思います。
「相手のことを本当に理解しているのか」
「話をするときにしっかりと傾聴できているのか」
「意見が食い違ったとしても、しっかりと互いを認める関係があるのか」
コーチングの力
コーチングの世界では、相手を認めることがスタートラインになります。
考え方が異なっても、それを認め、共感し、自分自身のバイアスや思い込みから解放します。
ほんの一部のスキルにすぎませんが、プロコーチを使うことで落とし穴に落ちるリスクを下げ、自らのパフォーマンスを最大化するチャンスを広げることができます。
あなたと部下との関係は良好ですか?
それは、あなたの思い込みになっていませんか?
まとめ
言葉や文化が異なると、ちょっとしたことがきっかけで、誤解を生じたりします。
だからと言って、衝突を恐れて相互理解への努力を怠るならば、その負の影響は必ず起きます。
それは海外に居なくても同じです。
私自身、このような経験を教訓に、今後も努力を続けていきたいと思っています。
それはコーチとしてというよりも、一人の人間として成長したいという思いからです。