「自己主張する力」を身につける
コーチングの講師という仕事柄、私の元には、コーチングを「部下育成に役立てたい」とか「1on1ミーティングに活用したい」といったビジネスリーダーが毎月のようにいらっしゃいます。
今日のブログでは、そんなビジネスリーダー達が抱えるひとつの悩みについて取り上げてみたいと思います。
リーダーが抱えるコーチングとは異なる悩みとは?
私はコーチングの講座を開講していますので、学びに来られる方には、当然ながら「コーチングスキルを身につけたい」という根本的な目的があります。
言うまでもありませんが、ここで言うコーチングスキルとは、「認める」「聴く」「質問する」といった、相手の気づきを引き出し、行動を促すためのスキルのことを指します。
ところが、リーダーに求められる役割や責任からなのでしょうか、時折、「部下に対して自分の気持ちや要求を伝える時、どのような方法が適切か」といった質問を受けます。
特に現代は、伝え方次第でパワハラだ、モラハラだと訴えられかねない、リーダーにとっては受難の時代でもありますので、そのような質問があるのはごもっとものような気がします。
自己主張するための「アサーティブ」というスキル
そこで悩めるリーダー達にお伝えしたいのが、「アサーティブ」という自己主張するためのスキルです。
アサーティブとは、相手を尊重した上で、誠実に、率直に、対等に自分の気持ちや要求を伝えることです。
感情をそのままぶつけるのではなく、自分の気持ちを尊重しつつ、自分の主張をしっかりと伝える方法です。
アサーティブに伝える具体的方法のひとつに、「事実」→「感情」→「要求」→「結果」の順で伝えるというものがありますので、次にそれをご紹介したいと思います。
アサーティブに伝える具体的方法
例えば、営業成績は抜群でも、社内の経費精算に関しては杜撰なAさんがいたとします。結果として、Aさんは経理部門からの評判は良くありません。
あなたは、Aさんの上司として、「経費精算に関してきちんと処理してほしい」という旨をどのように伝えるべきでしょうか?
ここで、先の具体的方法に沿って、Aさんに伝えてみたいと思います。
<事実> 先日、経理課長から聞いたんだが、経費精算に遅れが出ているようだね。どうやらそれで、経理業務に支障が出ているようだ。 <感情> このような事態になっているとは知らず、私も反省している。営業成績の良い君だけに、このようなことで評価が下がることが忍びない。 <要求> 外出続きで忙しいとは思うが、今後は必ず2日以内に処理をしてくれるかい。 <結果> それができれば私から言うことは何もない。社内的も君の評価はさらに上がることだろうね。 |
まとめ
意外と思われるかもしれませんが、アサーティブに伝える具体的方法の中には、コーチングで学ぶところの「フィードバック」や「リクエスト」のスキルが効果的に用いられています。
ビジネスリーダーには、「効果的に引き出す」だけでなく「効果的に伝える」スキルも学べるコーチングスキルを身につけられることをお勧めします。