折れない心のつくり方 心のスクリーンに何を描きますか?
私は大学を卒業した後にビール会社に入社してサラリーマンをやっていました。
定年まで勤めるつもりでしたが、入社12年目の1月に会社を経営していた父親が全く突然亡くなってしまい、全く予期せぬ形で、その気も全くなかった父の会社を引き継ぐことになったのです。
今から23年前36歳の時でした。
苦難の日々の始まり
その会社は年商20億で借金40億円を抱えており、正社員80名はほとんどすべてが流れ者の板前の集団でした。
ここから私の大変な日々が始まったわけです。
多額の借金に会社とはとても言えないような崩壊していた組織。
次から次へと信じられないようなことが起こります。
砂を噛むような理不尽な想いを何度も味わいました。
中小企業で起こりうるあらゆる事件、事故、不祥事のすべてを 経験したといっても良いほどでした。
毎日、毎日信じられないような出来事が発生し、私はどんどん追い詰められていきました。
そしてそのプレッシャーがピークに達して、私自身が崩壊する寸前に私は一つの決心をしたのです。
「毎日、信じられないような出来事や事件が起こる。こんなひどい目に合う人はそんなに存在するわけではない。ある意味では滅多にない貴重な経験だ。だったらそれをいつか本にしてやる」と心に決めたのです。
それからは何か苦しいことや辛いことがあると、これも本のネタにしてやると思うようにしました。
こいつか出版する本のネタになると思うと、追いつめられながらも少しは気持ちが落ち着いていきました。
心のスクリーンにイメージを描く
それから私は自分の心のスクリーンに一つのイメージを描き続けました。
私にとって、大きな本屋といえば東京の八重洲ブックセンターです。
入口に入ると1Fが雑誌や小説、正面のエスレーターを2Fにあがるとビジネス書コーナー。
そのコーナーの正面の平棚に私の本が2列平積みしてある。
そしてお客さんが私の本を手に取ってレジに持っていく。
苦しいこと、辛いことがあるたびに、私はこのイメージを自分の心のスクリーンに描き続けました。
それから16年後の2015年7月、本当に私の本はPHP研究所から出版されることになったのです。
私はすぐに八重洲ブックセンターに行きました。
入口からエスレーター乗って、2Fのビジネスコーナー。正面の棚の一番前。
私の本は大々的に3列にわたり大量陳列されていました。嬉しかったです。
自分が本当に願って心のスクリーンに描き続けたことは 実現するんだと確信したのです。
イメージを実現させる二つの力
これは何も「引き寄せの法則」とか、「思考は現実化する」というスピリチュアルの世界の話ではありません。
一つには、以前にもブログに書きましたが「カラーバス効果」の影響があります。
心のスクリーンにいつも自分の望むものを描いていれば、自然とその望むものに関連する情報が集まってきます。
新車を購入しようと決めた途端、急に車のCMが目に付くようになるなどの経験は誰にもあるのでないでしょうか?
自分の望むものをはっきりとイメージし続けることで、脳が自動的に関連する情報を集めてくれるのです。
情報が多く集まればそれだけ実現の可能性も高まります。
二番目には、日々の意思決定に無意識での影響を与えるという事です。
私たちは日々、数えきれないほどの無意識での意思決定をしています。
心のスクリーンに描き続けたイメージはその無意識の意思決定に影響し、自分の望むものに近づくように導いてくれるのです。
例えばこの会合に参加するかしないか、この本を読むか読まないかなど、無意識のうちに自分のイメージを実現するために より良い選択をするようになっていきます。
この二つの力により心のスクリーンに描いた姿は実現にむけて動き出すのです。
まとめ
大事なのは自分が本当に望んでいるモノ、欲している姿を 細部に至るまでありありと何度も何度も心のスクリーンに描き続けることです。
そしてそのイメージに鮮やかな色が付くようになった時、目指す姿に向かって大きく前進していることでしょう。
皆さんは毎日、心のスクリーンに何を描いていますか?
私は1日に何度も立ち止まって、今、何を心のスクリーンに描いていたかを確認します。
大抵は不安、怒り、焦りなどのネガティブなことが多いのです。
そんな時は深呼吸して、自分の望むイメージを心のスクリーンに描き直すようにしています。
心のスクリーンに何度も何度も自分の望む姿を描くことで、そのイメージは私たちを望むところに連れていってくれる自動操縦装置となるのです。
さあ、皆さんは心のスクリーンに何を描きますか?