キャリア理論で自身のキャリアを考える
最近のBizMentorにおける1on1や、自身のコーチングのセッションにおいて、キャリアについての話題が多く挙がっている。
残念なのは、キャリア=仕事と捉えている人が多い。
キャリア=人生と捉えてみると、違う世界が見えて来るのではないか。
このブログでは、キャリアをキャリア理論から考えてみることにより、新しい気づきが生まれ、攻略法を見つけるきっかけになればと思っている。
代表的な3つの理論から考えてみよう。
ドナルド・E・スーパーのキャリア発達理論
ドナルド・E・スーパー(アメリカ、1910–1994)が提唱している、キャリア発達理論。
キャリアは「人々が生涯にわたって追求し、社会的に占めている地位・業務・職務の系列」としており、一時的な職業活動に限定しない、人生の生き方や人間関係、社会的な役割としている。
また、その上で大事なのは自己概念の追求であると言っている。
自己概念とは、自分は何者(存在意義、価値観、好き嫌い、得意不得意、経験、夢など)である。
それをしっかりと理解することで、自分が将来どのようになって行きたいのか、何をすべきなのか、そのためのリソースや優先順位などが明らかになり、その結果、自分が描くゴール(ありたい姿)がクリアになってくる。
そうなれば、おのずとそこに進んでいく道筋、つまり自己実現させていくプロセスが見つけやすくなる。
エドガー・H・シャインの組織内キャリア発達理論
エドガー・H・シャイン(アメリカ、1928- )が提唱している、組織内キャリア発達理論。
キャリア開発の視点の本質は、時の経過に伴う個人と組織の相互作用に焦点があると言っている。
キャリアは大きく外的キャリア、内的キャリアに大別され、これらを掛け合わせたのが、自身のキャリアなのだ。
外的キャリアとは、経験した仕事の内容や実績、組織内での地位、いわゆる仕事でのキャリア、内的キャリアとは、仕事人生の中で歩みや動きに対する自分なりの意味付け、価値観、いわゆる自分自身をどう捉えるか。
つまり自分がよりどころにしているもの、それだけは手放したくない最も重要な事柄を明確にしつつ、会社の中で、自分はどう生きていくのか、偉くなるのか、他の仕事も身に着けるのかなど、進むべき方向性を定めていく。
これにより自分をより理解し、戦略的に、自身のキャリアをプランニングすることが出来る。
ナンシィ・K・シュロスバーグのトランジション理論
ナンシィ・K・シュロスバーグ(アメリカ、1929- )が提唱している、トランジション理論。
人生の大きな変化を「転機」と捉え、それを乗り越える方法を体系化した。
人生における転機(出会い、別れ、就職、事故、病気、子供の誕生など)は、年齢や発達段階によって誰もが平等に経験するものではなく、個々の人生の様々な時期で固有に発生するものだとされている。
そしてその転機を、4S Situation(状況)、Self(自己)、Support(支援)、Strategies(戦略)の視点から点検する。
この転機の下にいる人は、時に不安だったり葛藤があったりするので、それをこの4Sの観点で整理し、冷静に見定めることにより、その転機に振り回されることなく乗り切ることが出来るようになる。
まとめ
たくさんいる理論家の中で、今回は3人を紹介した。
この3人から言えるのは、
- まず自分自身をしっかりと知ること
- 戦略的に自身のキャリアを仕事だけではなく、自分軸を合わせてプランニングすること
- 良いことも悪いことも含め、転機をしっかり捉え攻略していくこと
自分キャリアを考えるうえで、少しでも参考になれば幸いだ。
きっと、ご自身の未来は更に明るくなると確信している。