上司と部下の関係性を図説する
アドラー心理学をご存知ですか?
あなたは「アドラー心理学」をご存知でしょうか。2013年に大ベストセラーとなった『嫌われる勇気』(岸見一郎/古賀史健 ダイヤモンド社)で大々的に紹介され、それを通じて知った方も多いのではないかと思います。
私が専門としているコーチングも、その原型は「アドラー心理学」にあると言われています。その中で、対人関係について、アドラーは衝撃的な発言をしています。すなわち、「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」というものです。
これは、人間の悩みを探求していくと、根本的なところは全て対人関係の悩みに行き着く、という解釈です。
これに関しては、賛否両論あるかと思いますが、私の個人的見解すると、ほぼ間違いないな、とも感じています。
関係性を「ジョハリの窓」を使って分析する
この対人関係(人間関係)とは、基本的に自分と相手の二者の関係性について言うわけですが、二者間の関係性(の深さ)に関しては、「知っている」「知らない」というキーワードを使って、以下のようなマトリクスで説明することができます。
実は、これは「ジョハリの窓」と言われるもので、コミュニケーションにおける自己の公開とコミュニケーションの円滑な進め方を考えるために提案されたモデルです。1955年に心理学者ジョセフ・ルフト氏とハリー・インガム氏が発表したことから「ジョハリの窓」と呼ばれるようになりました(「ジョハリの窓」では、上記Aを「開かれた窓」、Bを「気づかない窓」、Cを「隠された窓」、Dを「未知の窓」と表現しています)。
一般的に、Aの窓の面積が大きければ大きいほど(お互いのことをよく知っている状態が大きくなるわけなので)、人間関係が良いということになります。
「開かれた窓」の面積をスキルを使って大きくする
ここで、逆説的な考え方をすると、「自分(リーダー)が窓の面積の広げ方を知っていれば、相手(部下)との関係も良くなるのではないか」ということが言えるのではないでしょうか。
実は、その面積を広げるためのスキルというものが存在しています。
すなわち、「自分が知らない」状態であれば、効果的に引き出すための「質問」を、「自分が知っている状態」であれば、効果的に伝えるための「フィードバック」や「自己開示」を活用すれば、お互いの面積を広げることができるのです。
別の言い方をすれば、これらのスキルは、リーダーが持つべきコミュニケーションスキルであるとも言うことができますね。