謙虚さと素直さが育む自己成長
以前、某外資系企業で、事業部門の統括責任者を務めていた頃の経験です。
その頃の役割と責任の一つに、人財育成がありました。
自分の後継者を育てることは、業績を上げることと同じく、大事な仕事でした。
自分の意外な側面を見た経験
私は社会に出てからも、自己顕示欲の塊でした。
公私共に、自分が中心。
今思うと恥ずかしく思うことがたくさんあります。
そんな私でしたが、事業部門の統括責任者としての事業運営に加え、人財育成、特に次代のリーダー育成は大事な仕事でした。
ある時、私のチームにいた次代のリーダーを期待する部下に、研修の機会を設けました。
責任者としての私が期待することを伝え、1年間に亘る上級ビジネス英語の研修が始まりました。
業務後に通学するハードな研修でしたが、意欲的に取り組み、また、表情がみるみる精悍に変化しました。
以前より仕事の質も上がり、成長していることはあきらか。嬉しかったです。
そんな姿を見て、素直に喜びを感じる私がいました。
「へー、俺ってこういうことに喜びを感じるのか?以前は自己顕示欲ばかりの私だったのに。」
反発する部下から学んだ、自己成長の壁
彼から学んだことは、自分に求められていることや期待を素直に聴き、受け止め、自分ごととして取り込むことの大切さです。
一方、こんな部下とも仕事をしました。何を伝えても、アドバイスをしても、ろくに耳を貸さず、反発する人。
そして、うまく行かない仕事のことを全て他人や環境のせいにする。
私の目から見て、このような人は変わりません。
いや、変われないのでしょう。
なぜなら、アドバイスなどのきっかけを跳ね返し、自分の考えにしがみつくから。
私から見れば、見えないリミット(成長の壁)を自ら設定してしまっている、気の毒な人でした。
私の伝え方にも課題があったとは思いますが、それでも、変われるきっかけは日常にあるのになあと感じます。
まずは耳を傾け、受け止め、咀嚼して、自分で判断する
自分のことを振り返っても、40代頃までは自我が強く、人や社会に反発し、現実を受け止められないことがあります。
人の成長の過程にはそのような時期もありますし、自意識を高く持って生きることは大切だと思います。
こんな時に是非思い出したいのが、「謙虚さと素直さ」です。謙虚な姿勢や意識は、変化へ適用するための準備を促し、受け止める柔軟性をもたらします。
また、素直さは、人からの意見やアドバイスなどを受け入れ、考える機会をもたらします。
心理学で論理療法と呼ばれるものですが、出来事の受け止め方が、感情や行動に良くも悪くも影響をもたらすと言われています。
固定観念を外して、まずは聴いて、受け止め、自分なりに解釈して結論を導きませんか?
その結論は与えられたものではなく、あなたが導き出したものです。