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社内1on1で「目標を描けない」部下への接し方

導入が広がる、社内でのコーチングや1on1ミーティング。

しかし、担当する管理職・リーダーなどからは、「部下から上手く目標を引き出せない」と言う声をよく聞きます。そのような部下に、どう接していけば良いのでしょうか。


目標を描けない場合の2つの理由

部下の目標を上手く引き出せない理由として、以下の2つが考えられます。

一つは、「利き脳」によるものです。利き脳とは、利き手の「右利き」や「左利き」のように、考えるときや行動するときに、無意識の中で優位に働く方の脳のことを言います。

一般的に、右脳タイプの人は、ひらめきやイメージ、創造性に優れており、目標やビジョンを描くことが得意であることが多いと言われています。

それに対し、左脳タイプの人は、分析力や言語認識が優れ、論理的であることが多いと言われています。私の知人を見渡しても、「目標やビジョンを描くことが苦手だ」という人には左脳タイプが多いようです。

あなたと部下での利き脳が異なるために、お互いにとってしっくりと来るような目標にならないということが考えられます。

もう一つの理由は、たとえ部下が右脳タイプであっても、仕事上の目標やビジョンを描くことを、これまでにあまり経験したことがないということです。

上記の2つの理由を踏まえ、どのように対応していくと良いのかを考えてみましょう。


利き脳の見分け方

上記で紹介した利き脳について、もう少しだけ詳しく説明すると、インプット(理解)するときの利き脳と、アウトプット(表現)するときの利き脳に分けることができるといわれています。

ここでの詳細の説明は控えますが、広く紹介されている利き脳の簡単な見分け方をご紹介したいと思います。


■インプット(理解)するときの利き脳の見分け方

両手の指と指を交互に組み、親指の上下を確認し、

  • 右手の親指が下の場合 → 右脳タイプ
  • 左手の親指が下の場合 → 左脳タイプ

上の写真の場合、右手の親指が下なので「右脳タイプ」


■アウトプット(表現)するときの利き脳の見分け方

腕を組んだ時に、

  • 右腕が下の場合 → 右脳タイプ
  • 左腕が下の場合 → 左脳タイプ

上の写真の場合、右腕が下(体に接している腕)なので「右脳タイプ」


ただし、アウトプットの利き脳は、職業や生活環境によって後天的に変化することがあるといわれていますので、日常の中での相手の言葉や行動などを参考にしてみると良いでしょう。


「目標を描けない」と言う部下への接し方

では、目標が上手く描けない相手への接し方について、上記の利き脳の特性や私の経験などを踏まえ、ご紹介したいと思います。

1)左脳タイプの人への接し方

「相手の目標・ビジョンを上手く引き出せない」と感じているあなたは、そもそも右脳タイプかもしれません。

左脳タイプの相手から目標を引き出すには、「理想的なビジョンは?」や「何が見える?」ではなく、「スローガンは?」とか「大切にしたいことは?」など、言語化を意識した思考や表現ができるようにサポートすると良いでしょう。

また、左脳タイプは、現状を認識・分析したり、理論立てて考えることが得意なため、右脳タイプのように「ワクワクする夢・目標」を描くというよりは、推測や「現状を踏まえた未来」を目標にすると納得感を得られることが多いようです。

2)右脳タイプだが、仕事上の目標やビジョンを描くことができない場合

これは若い人に多いケースかもしれませんが、以下の3つのアプローチがヒントになるかもしれません。

① 仕事以外の趣味などの目標を引き(聴き)出してみる

スポーツでもゲームでも構いません。今より上達することで、どのような楽しい未来に繋がるのかを想像させてみましょう。

目標をもって取り組むことを覚えたり、自分の趣味に興味を抱いてくれたあなたへの親近感や信頼感が増し、仕事のこともを多く話してくれるようになるでしょう。

② 仕事上のキャリアパスを示す

存在することを知らない土地を目指すことができないように、会社や上司の立場の人は、この会社で働く上で、どのような将来や機会があるのかを示す必要があるでしょう。

また、これまでの様々な人の事例を示すことも、部下にとって、自分の将来を描くにあたり、大いに参考になると思います。

③ 「会社や仕事を利用・活用する」という観点も

とかく「会社のために」と考えがちですが、自己実現や成長のために会社や仕事を利用する、という考えた方も「あり」だと私は思います。

「海外出張を通じて、多くの異文化に触れてみたい」とか、「将来の起業に向けて、会社の中で新規事業の立ち上げを経験したい」など、素晴らしいことではないでしょうか。


経験学習サイクルは、部下だけの話ではない

そもそも、1on1ミーティングは、「経験→内省→教訓の明確化→次の行動への適用」といった、経験学習のサイクルを回すことによる、対象者の成長を促すものです。

この経験学習のサイクルは、部下にだけではなく、1on1ミーティングを実施する上司のあなたにも当てはまるものです。

1on1ミーティングは、マニュアルがあればできるようになるというようなものではありません。上手くできるようになるためには、経験を積み、経験学習サイクルを回すことが唯一の近道です。

上司であるあなた自身も、社外メンターなどとの1on1ミーティングを上手に活用し、経験学習サイクルを回していきましょう。


( 林 英利 メンターの詳細プロフィールページはこちら )

林 英利
林 英利
大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロフェッショナル・コーチ、研修講師として独立。その後、銀座コーチングスクール代表を務め、2019年に(一社) 日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA)を設立し代表理事に就任。2020年秋より「Biz Mentor」事業をスタート。元 国際コーチング連盟(ICF)日本支部 顧問・ICF 認定プロフェッショナルコーチ(PCC)趣味は、楽器演奏(ギター・ドラム)、4歳の孫と遊ぶこと。 ◎著書:一瞬で自分を変えるセルフコーチング(三笠書房)

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