千利休の教え − その2 −
「稽古とは一より習い十を知り 十よりかえるもとのその一」
千利休の教え、今回はこれを紹介したいと思います。
「稽古を一から初めて十まで到達したら、また最初の一に戻って学びなさい」と言っています。
反復が大事
「十まで習ったからそれでよし」と考える人は、その時点で成長する事が止まり、その先にあるところには到達できない、との教えです。
明日の命の保証のない戦国時代において、それでも反復の大切さを強く説いているわけですね。
反復の先
この歌の解釈はとりあえず以上なのです。
しかし、それでは「読んだ。なるほど分かった。」と通り一遍で終わってしまいます。
なので、反復の精神で、今一度、読み返してその先にある真意を考えてみたいと思います。
反復は大事だが、単純に同じことの繰り返しなのでしょうか?
一から十まで学び、また一に戻った時の景色って、きっと最初に見た一とは違っているでしょう。
もとのその一に立ち返った時には、最初は気付かなかった事を見つける事が出来、その結果、さらに高いレベルの習得つまり成長に繋がっていくという風に解釈できます。
一期一会
また反復する事で、最初よりも洗練した動きが出来るようになります。
茶道の場合は、それが茶室の中で主客の大切なひと時の醸成にもつながっていきます。
何度も反復して身に付ける事で自分の成長につながりますが、それだけではありません。
そうやって習得したものが、一期一会となる亭主と客との真剣勝負で活きてくるのです。
(一期一会も、利休の言葉といわれています)
あなたが反復して習得するものは、どのような人が関わっていますか?
あなたが目指す目標と一緒に、しっかりと築くべき足元も見直してみて下さい。
新しい年、新しい年度の初めに、原点を考えて共に成長していきましょう。