
どのくらいとればいい? 部下との時間
35歳くらいになると、部下を持ちながら、上司からだけではなく、関連する他の部門などからの要求にも応えなければならない場面が増えていきます。
そのような中で、自分の部下とその他に対して、どのくらいの割合で時間を費やしていけば良いのでしょうか?
私の経験をお伝えすることで、これからそのような立場になる方々への参考となれば嬉しいです。
35歳 製品開発プロジェクトリーダー:部下8割
技術部門に在籍していた私は、3人の後輩たちと悪戦苦闘しながら、目の前の課題に日々取り組んでいました。
そのような私が35歳の時に、製品開発プロジェクトのリーダーになり、12名の部下を持つようになりました。
多くの部下を率いてプロジェクトを推進していく立場になった私は、チームビルディングを学び、部下に向き合うことを大切にしたチーム運営を心がけました。
様々な会議に出席し、その内容を部下に展開したり、定時後には部下から相談を受けたりするなど、部下との接する時間を多くとり、私自身も部下とのコミュニケーションを楽しんだ時期でもありました。
38歳 新設部門の課長:部下5割
38歳の時に、新設された技術支援部門の課長を任されることになりました。
新しい部門だったので、与えられたミッションをクリアするために、会社の中でどのような役割を担い、誰に対してどんな価値を提供していくのかを、まず最初に考えました。
今まで接したことのない全国の課長職の人たちとの調整も必要でしたし、部下も全員変わり、より一層の高いコミュニケーション力が求められました。
その時に大いに役立ったのが、部門の役割や社内ポジションを可視化したドキュメントを用意したことです。
それにより、プロジェクトに関わる他の部署の人たちは、「あそこにこれをお願いしたい」とか、部下たちも「自分たちはこう動くんだ」ということが明確になったようです。
この頃は、他部署との調整毎が増えたため、以前に比べると部下に接する時間は減りましたが、こうしたツールを活用することで、減ったコミュニケーションの時間をカバーすることに役立ったように思います。
39歳 本社事業企画の課長:部下2割
新しい部門の立ち上げを順調に進めて1年半ほど経った時、上司から突然の異動を命じられました。
それまでの技術支援部門での社内コンサル的な改善活動が評価され、本社の事業企画部門の課長職を命じられたのです。
成長事業をマネジメントする立場で、経営層や親会社からも注目されるポジションに、39歳の私が就いたことに、周囲の多くの人が驚いたようでした。
しかし、最初から苦難の毎日でした。数字の中身もまだわからないうちから、5年後の大きな目標を課せられ、少ない部下しか与えられず、上から降りてくる要求に応えるだけの日々。
私は、自分のことだけで精一杯の状態になり、部下と接する時間は、2割程度まで少なくなっていました。
部下たちとの距離が日に日に大きくなっていくのを感じるのでした。
44歳 営業部次長:部下6割
その後、44歳で営業部の次長として新規プロジェクトを任されます。
それまでの部下とのコミュニケーション不足という反省を生かし、コーチングと出会ったこともあり、部下一人一人との時間を確保する、1on1ミーティングの時間を設けるようにし、私の業務時間の5〜6割近くを、部下と接する時間に費やすようにしました。
これにより、チームの一人一人が「メンバー全員で取り組んでいる」という意識と充実感を得るようになり、業績や結果は後からついてくるということも経験することができました。
まとめ
このように、35歳を過ぎると会社の中での立ち位置がどんどんと変化していきます。部下の人数も増えていくでしょう。
部下の一人一人が、主体性をもって仕事ができるようになり、チームのパフォーマンスが向上するようになるためには、リーダーであるあなたが駅伝チームの監督のようになって、部下のやる気を高めていく必要があるのです。
「え、そんな時間、どうやったらとれるの?」と思われているかもしれませんね。量が無理なら、質を高めるしかありません。
質の高いコミュニケーションとはどういうものなのか? そう思ったあなたには、コーチングのスキルをマスターした、経験豊富なメンターとの会話を試してみることをおすすめします。
きっと、あなたのチーム運営、部下とのコミュニケーションに大いに役立つはずです。