リーダーの資質が問われるとき
過去に自分が部下だった頃に、上司に対して「こうあってくれたら」と思っていたのに、あなた自身も、部下から同様に思われている、ということはないでしょうか。
「部下が自分に何を求めているのか知りたい」と思うリーダーの参考になればと、私が経験したエピソードをご紹介したいと思います。
良いリーダーとは
まずはじめに、部下から見た「良いリーダー」とは、どんな人でしょうか?
- ポリシーを持って業務を遂行している人
- 先頭に立って、部下を引っ張ってくれる人
- 部下に成長の機会を与えてくれる人
- 部下のしたことに対して責任を負ってくれる人
などではないかと、私は思います。
リーダーに必要な資質とは
リーダーに必要な資質とは、「業務を遂行できる能力」と言えるのではないでしょうか。
仕事面でのテクニカルスキルはもとより、コミュニケーションスキルだけでなく、部下から信頼されることが必要です。
部下への信頼と信用
私がリーダーになりたての頃の話ですが、部全体のグループは6つあり、その一つを任されたばかりで、慣れないリーダー業務に翻弄される毎日を過ごしていました。
当時、部下は7名で、当然ですが役割を決めて業務を進めていました。
その業務の中でも、最終的には社長の決裁までを必要とする、部全体の「業務手順書」を作成するという重要な任務を任されていました。この手順書を作成するにあたっては、十数回の会議を行うほど、念入りに取り組んでいました。
私は部下から上がってきた最終段階の書類に目を通し、「よし、これで間違いない」と押印して稟議に回すように指示したのです。
ミス発覚
ところが、あろうことか、この稟議に回した書類が、「先祖返り」していたのでした。先祖返りとは、最終的な修正を加える一つ前のバージョンのことで、稟議に回してはならないものだったのです。部下が間違って古い資料を稟議に回してしまったのが原因でした。
私は正直焦りました。リーダーになりたてでもあり、何より私はミスを一番恐れていたからです。
すぐに担当者を別室に呼んで、話を聞くことにしたのですが、要領を得ません。ミスを認めないばかりか、挙句の果てには、「役割自体が不公平だ」とか言いだす始末です。
責任を負う
部下を問いただしても、ミスを取り戻せるわけでもなく、上司の部長に大至急報告する必要がありました。
覚悟を決めて部長に報告に向かったのですが、私は言い訳ばかりを考えていました。しかし、ふと、先ほど原因を問いただした部下と自分が同じだということに直前で気がついたのです。
そして、私は言い訳をせず、もちろん部下のミスのせいにするのもやめる事にしました。
この時に思ったのは、リーダーとして仕事をこなすこと以上に、責任を負う事の難しさを身をもって学んだ気がしています。
さて、あなたならどうしますか?
あなたも、リーダーとしての資質について考えてみませんか?
迷いが生じた時は、同じように悩んだり多くの苦労を積み重ねてきた、経験豊富なメンターに相談してみることをおすすめします。