マウンティング部下に出会ったら…
先日、部下との接し方に悩むCさんからご相談を受けました。(なお、守秘義務の関係で、エピソードは大幅に修正しています。)
彼女の部下は、自分より一回り以上年上のGさん。やる気はあるものの、自分なりの仕事のやり方を変えようとせず、会社の方針からずれてしまいます。
Cさんが指示や指導をしても、Gさんは一切聞く耳を持ちません。それどころか、自分のこれまでのキャリアを語り出し、Cさんにマウンティングする始末。
マウンティングし返してみたものの…
話を聞いてもらえず、マウンティングまでされたCさん。
つい感情的になり、Gさんには上から目線で話すことが増えてしまいました。
Gさんの話を一切遮り、指示や指導だけをするようになり…
Gさんと会話するときも、揚げ足をとるようになり…
学歴やこれまでの営業成績を持ち出して、マウンティングし返してみたり…
その結果、CさんとGさんの間で、“マウンティング合戦”に発展。
部下なので無視するわけにもいかず、どうしたものやらと困り果ててしまいました。
マウンティングする人の心理
私は、Cさんに、次のようなお願いをしてみました。
Gさんはなぜマウンティングするのか、「Gさんの目線」で考えてみてください、と。
少し黙り込んだ後、Cさんから出てきたのは、次のような回答でした。
- 自分はこれまで立派なキャリアを築いてきたんだ!、という自負がある…
- 年上だから、若い人たちに負けるわけにはいかない…
- 自分の意見やこれまでの経験が、周囲から認めてもらえない…
- 誰にも弱みを見せられない…
一通り答えた後、Cさんはポロっとひと言。
“そんなに肩肘を張らなくてもいいのに…”
あなたが話を聞く人は誰?
次に私は、Cさんに、次のような質問をしてみました。
Cさんは、なぜ私の意見を聞いてくれるのですか、と。
ここでCさんから出てきたのは、次のような回答でした。
- これまでにもらった助言や知恵、経験談が、実際に役に立っているし…
- ダメなことはダメとはっきり指摘される一方で、自分の成果も評価してくれるし…
- これまでのやり取りから、尊敬も信頼もしているし…
- 自分の話をちゃんと聞いてくれるし…
一通り答えた後、Cさんがポロっとひと言。
“そうか…私は、Gさんの話を聞いていなかったかもしれない…”
Cさんの後日談
後日、Cさんに最近の様子を尋ねると、徐々に変化が表れている模様。
Cさんは、Gさんのマウンティングを聞き流しつつ、その話に耳を傾けるようになったそうです。
もちろん、上司として言うべき時はNoと言う一方で、評価するときも口に出して褒めるようにしました。
その結果、Gさんのマウンティングが減り、Cさんの指示だけは聞くようになってきたそうです。
「マウンティング〇〇の対処法」は、コミュニケーションに関するご相談の中でも、非常によくあるテーマの1つ。
この例にもあるように、視点を様々に移動させることで、解決への糸口が見つかることがあります。
皆さんも、参考にしてみてくださいね。