物事の本質を見極める3つの方法
私たちは、ついつい思い込みや先入観を持ってしまうものです。
今日はのブログでは、思い込みや先入観を解き放ち、物事の本質を見極めるための工夫をご紹介したいと思います。
あなたは思い込みや先入観を持っていませんか?
私はコーチという仕事をしています。近年では、スポーツ分野の指導者(いわゆるスポーツのコーチ)と区分して、「プロフェッショナルコーチ」と呼ばれることも多くなってきました。
プロフェッショナルコーチは、スポーツのコーチが「自身の経験や知識に基づき、選手やチームの行動を指導する専門家」であることに対し、「クライアントとパートナー関係を築くことにより、クライアントの目標達成までのプロセスを管理する専門家」ということができます。
コーチがクライアントとパートナー関係を築く上で求められることの一つに、「思い込みや先入観を排除し、クライアントにニュートラルに接する」ことが挙げられます。
コーチが思い込みや先入観を持ってセッションを進めてしまうと、クライアントの可能性を広げる機会を失うことに繋がるからです。
しかし、“言うは易く行うは難し”の言葉が示すように、私たちは、ついつい思い込みや先入観を持って相手に接してしまうことがあるのではないでしょうか。
またそれは、私たちが物事の本質を見極める際にも同様のことが言えるのではないでしょうか。
本質を見極める「タテ×ヨコ×算数」の考え方
では、どのようにして、物事の本質を見極めたら良いのでしょうか?
今回のブログでは、このことについて考えてみたいと思います。
先回のブログでご紹介した、出口治明氏の著書『「教える」ということ』(角川書店)の中に、その答えとなりそうな記載がありましたので、再びここでご紹介したいと思います。
出口氏は「物事を見極める方法」として、下記の3つの視点を持つことを主張しています。
【物事を見極める方法】
① タテ ・・・ 歴史的な視点(昔の人がどう考えていたのか)
② ヨコ ・・・ グローバルな視点(世界の人がどう考えているのか)
③ 算数 ・・・ データに基づく視点(どのようなデータや事実、すなわちエビデンスがあるのか)
まず「タテ」・「ヨコ」・「算数」という言葉の選択がいいですよね。
また、語呂も良く、覚えやすい。出口氏の解説に基づき、それぞれをさらに詳しく見ていきたいと思います。
① タテ(時間軸)
世界中の脳科学者の見解として、人間の脳はこの一万年間、まったく進化していないという結論に基づき、昔の人の成功事例や失敗事例、思考パターンを学ぶことはとても大切である、としています。
② ヨコ(空間軸)
人類はホモ・サピエンスという単一種という視点で考えると、世界の人がどう考えているのかを確認することも非常に大切である、としています。
③ 算数
算数とは、「数字・ファクト・ロジック」で考えることであり、エピソードではなくエビデンス(データ・事実)で考えることが大切で、それらをベースにしない議論は不毛である、と言い切っています。
まとめ
上記の「タテ」・「ヨコ」・「算数」の考え方は、日々忙しく過ごされているビジネスパーソンのあなたにとっては、ひょっとしたら回りくどいものなのかもしれません。
しかし、あなたが時間や空間の中に生きている以上、必ず活かせる視点ではないかと思います。
日常生活や仕事の中で、物事の本質を見極め、正しい判断をするために、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。