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燃え尽きバーンアウトと復活のレジリエンス

これまでの経験の中で、大きな仕事をやり遂げた時、或いは、うまく行かずに挫折した時バーンアウト(燃え尽き症候群)を経験したことはありますか? 

そのようなとき、どのように対処したら良いのでしょうか?


熱意の影に潜む喪失感

コロナ禍の影響なのか、「喪失感」という言葉を最近耳にすることが多いです。

コロナ禍によって環境がガラッと変わり、リモートワークが増え、果たすべき目標や仕事自体が変わった方も多いと思います。

変化する時は、何かを失う(トレードオフ)こと。その時に、喪失感が生じるようです。

一方、大きな仕事やプロジェクトをやり終えた時、その達成感と引き換えに喪失感を覚えるとも言われます。

このような喪失感をきっかけに生じるのがバーンアウト(燃え尽き症候群)です。


バーンアウトによる3つの症状

バーンアウトによって引き起こされる症状は、次の3つがあげられます。

1.情緒的消耗感

理想や使命感によって突き動かされていた意欲や思いが、心の疲労感と共に減退する。「なんだか最近疲れるな〜」と言った初期的な心のストレス感。

2.脱人格化

情緒的消耗感が進んだ段階で、周囲からも明らかにストレスがかかっていることがわかる状態。職場や同僚の愚痴や悪口を言う。

3.個人的達成感の低下

「情緒的消耗感」や「脱人格化」に伴い、成果を出せない自分に出会う。理想と使命感に突き動かされながらも自分の不甲斐なさを目の当たりにし、自信を喪失し、自己否定に至る。

責任感が強く、やる気満々の人に、このような喪失感を覚える人が多いと言います。なんとか、自己否定までに至らぬようにしたいものです。


どうしようもない時は、ただ、受け入れる

私にも、先の3つの症状をそれぞれ経験したがあります。

以前勤めていた外資系企業で部門責任者をしていた時、本国の決定で、私が所属する部門が売却されることになりました。

そのタイミングで大幅な組織改変があり、退職することになりました。

会社の決定であり、私にはどうしようもないことでしたが、自分を責めました。何がいけなかったのかと嘆き、全く非生産的な思考をしばらく続けていました。

突然襲ってきた、バーンアウト。自分のことを全く価値のない存在に感じる、上述の「3.個人的達成感の低下」の状態でした。

この時思い出したのが、以前、心理学の先生から教わった、「ただ、受け入れる」と言うこと。まず現実を受け止めることで、消極的な思考から客観的で主体的な思考へ変わりました。

事実を、「ただ、受け入れる」。


窮地に立った友人が教えてくれた、謙虚な姿勢

先日10数年来の知人から連絡がありました。近く会いたいと。

彼はビジョンを持ってガツガツと仕事をこなす、超パワフルなベンチャー企業の経営者。 その彼が、ある事情で退職することに。

彼は恩師に相談し、「これまでに会った人と直接話をして来い」と言われたそうで、私に連絡をくれました。私に会いたいと思ってくれたことを嬉しく思いました。

そして、彼に会ってみると、喪失感のバーンアウト状態。

仕事に打ち込んできた分、これから先どうしたら良いのかと。でも、今まで走り続けてきたので、一旦立ち止まって足元を見つめ直してみる。

そして、この機会に自分の良いところと欠けているところを、客観的に捉えてみると。

改めて人と会い、誰かに話を聴いてもらうことをターニングポイントと捉える。力強いレジリエンスを感じました。


まとめ

バーンアウトは昨今話題ですし、ビジネスでも深刻な課題です。

メンタルを害してしまうきっかけになりますが、一方では、先の知人のように、新たな自分に出会うきっかけになるかもしれません。

思いがけない転換点は、誰もが経験し得ることです。

そのようなとき、私たちメンターがかけがえのない伴走者になれたら嬉しいです。


江島 慈明
江島 慈明
石川島播磨重工業、ジョンソン・エンド・ジョンション、ファイザーなどを経て、現在は、現在は日系製薬企業にて、アジア諸国での新規事業創出、ライセンスビジネスモデルの構築に従事。GCS認定コーチ、日本メンタルヘルス協会 公認カウンセラー 趣味:サイクリング(週末60km超のサイクリングが楽しみ)、高校野球観戦(自身も高校野球経験者)

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