議事録を書けない部下の育成方法
私が製品開発のリーダーになった35歳頃、日中は毎日3〜4つの会議を主催・出席していました。今思うと、会議好きな会社だったなと思います。
自分のチームが主催する会議では、板書して議事録をまとめることも少なくありませんでした。その経験が、会議の運営スキルの向上にもつながっていると感じています。
では、自分が運営したい会議の議事録を部下に任せるとしたら、どうでしょうか? 事前にどのようなことを打ち合わせしますか?
「今度の会議、議事録お願いね!」で終わらせておいて、出てきた議事録を見てがっかり、というケースも多いのではないでしょうか。
議事録を書けない部下
「議事録を書けない部下は?」と尋ねられた時に思い浮かぶ顔があると思います。
私がメンターを務める中小企業の幹部の方にも、「部下が議事録を書けない」と悩んでいる人は何人もいます。
彼らの話を聴いていると、いくつかの共通点があることがわかります。
なぜ議事録を書けないのか?
議事録を書けない人の多くは、その会議の目的やその日のゴールを理解していません。
だから、会議中に発生した会話全てを文字に起こしてしまいます。
確かに、補足資料としてそのやりとりの記録はあっていいと思いますが、議事録で求められるのは、そこでの決定事項と、次のアクションにつなげること。
それをわかりやすく議事録に残していくためには、会議の目的とゴールを意識しながらメモをとることが重要なのです。
途中で誰かがどのような発言をしていても、最終的に出した結論は、会議出席者の総意になります。
部下に目的やゴールを意識させる
では、彼らにどのような教育を行なったら良いのでしょうか?
私は、部下から仕事の進め方や判断に関する相談を受けた時に、
「これの目的ってなんだっけ?」
「どんな選択肢がある?」
「それを選ぶとどうなる?」
「ゴールには近づくのかな?」
といった問いかけるようにしていました。
すると、部下なりに考えて、そのときに進めている仕事の目標や目的に照らして、自分で答えを導きます。
答えが出ると、「お、自分で判断できたね!」と私は声をかけるようにしていました。 何度かするうちに、目的やゴールを意識することが習慣化されるのです。
普段の行動は全て練習の機会
目的やゴールを意識することは、普段のメールでも同じ。 誰に何をしてほしいのか、そのために何を伝えるか。
これを簡潔にできるようになるためには、メールから始めるのがいいでしょう。
メールを書くときも、議事録を書くときと同じで、目的や次に起こしてほしいアクションを意識して、簡潔に書くことが肝要です。
周りが思うように動いてくれないのであれば、あなた自身の伝え方に工夫をしてみる必要があるかもしれません。
そう考えると、毎朝のミーティングでも、誰かと話す時でも、あらゆるところに練習の場が転がっています。
話を戻すと、あなたが部下に議事録を任せる時に大切なことは、会議の目的やその会議で目指すゴール(出したい結論の内容ではなく、次のアクションを決める等)を、きちんと事前に部下に伝えておくことです。
常に、目的やゴールを意識して行動をしていくと、目標を達成するスピードは格段に上がります。 ぜひ、試してみてください。
まとめ
部下育成のやり方は、様々です。 その中でも、議事録を任せることは、その目的やゴールの重要性を意識することにつながり成長の速度が上がるはずです。
任せるためには、あなた自身が目標を明確に持ち、それを確実に部下に伝えておくことが重要です。
スピードが求められる時代にあって、普段の行動から目的やゴールを意識することは、マネジャーにとっても部下にとっても大切なことですね。
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