「シェアド・リーダーシップ」とは
リーダーシップは、部長や課長だけが発揮するもの。そう考えている読者の方は驚くかもしれません。
「リーダーシップはメンバー全員が発揮する(発揮できる)」ものであるという考え方が、「シェアド・リーダーシップ」です。
「シェアド・リーダーシップ」が取り上げられる背景や、職場での実践について、考察しました。
「職場のみんなでリーダーシップを発揮しよう」
リーダーシップ研究において、「シェアド・リーダーシップ」という考え方が注目されているそうです。
簡単に言えば、職場のメンバー全員でリーダーシップを発揮しようということです。
リーダーシップと言えば管理職とかの権限がないと発揮できないのでは? という疑問も思い浮かびます。
『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー博士は " Leadership is a choice, not a position."(リーダーシップは選択である。肩書ではない)と語っています。
「シェアド・リーダーシップ」の考え方において、リーダーシップとは「職場やチームの目標達成のために、他のメンバーに与える影響力」ということです。
他の人に影響を与えられれば、すべての人がリーダーシップを発揮することが可能だということになります。
若手の社員でも、新人研修の企画をするにあたって、「では自分は昨年の新入社員にヒアリングして、入社してどういうことに困ったか」などを聞き出します。
「年が近いので、聞きやすいですから」と自発的に考え行動すれば、リーダーシップを発揮しているのです。
大切な心理的安全性
社会的な背景も見てみましょう。
現代はVUCAの時代と言われます。変動が大きく、不確実。誰しも経験のないことに直面する。
こういう時代にあっては、リーダーがすべての事象に的確に対応していくということは難しい。
リーダーが単独でリーダーシップを発揮するということに限界がありそうです。
コロナでテレワークが一気に広がりました。
職場に全員が顔をそろえるという機会はかつてよりもはるかに少なくなるわけです。
一人ひとりがより主体性をもって自律的に行動していくことが求められます。
一方、このように全員が主体的、自律的に行動するために欠かせない要素が「心理的安全性」ではないかと考えます。
「今までのやり方を変更するような提案はしにくい」
「この前の失敗は黙ったままにしておいた方がよい」
「上司の間違いは指摘できない」
このような職場では自発的、自律的な言動を期待するのはそもそも無理というものです。
メンバーに「みんなもリーダーシップを発揮してくれ」、という前に職場の心理的安全性が作れているかどうかを確認することが必要でしょう。
まとめ
メンバーに主体的、自律的に取り組んでほしいと思っている管理職の皆さんにとっても、自分の現在地では十分な活躍の機会が持てないと考えているメンバーの方にとっても、「誰でもリーダーシップを発揮できる」という考え方は、活用すべき提案ではないでしょうか。
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