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リーダーのあなたにお勧めしたい「越境学習」

会社でリーダーあるいは次期リーダーとみなされている多くの方は、その会社で長い経験と学習を積まれてこられたことでしょう。

ここからさらに飛躍するために、いまいる場所の垣根を飛び越えて「越境学習」に出られることをお勧めします。


同じ環境の中だけではデメリットもある

「越境学習」というのは、組織の境界を飛び越えて学習に出ることを言います。

交流会、勉強会、研究会、読書会などがこれにあたります。

いま越境学習には様々なメリットがあると注目されています。

私たちは、どのような場所であれ組織に所属しています。そこに愛着や誇りを感じている方も多いし、それ自体はいいことです。

ただ、一般的に長く同じ場所にいると「過剰適応」や「能動的惰性」に陥る可能性が高くなるそうです。

能動的惰性とは環境が変化しているのにもかかわらず、過去に成功した手法に頼り、それをさらに強化して対処しようとする性向のことです。

これらは要注意と考えた方がいいでしょう。


境界の外に出て、得られること

現代はVUCAとも言われ、イノベーションの時代なのですが、同じ場所や同じ人とだけ会う環境下でイノベーションを起こすことは難しそうに感じます。

異質な他者や事象に出会うことで、新しい思索をめぐらすきっかけを得ることが必要です。

これは越境学習で得られる効果の一つで、越境学習の参加動機にも「新しい着想や発見を得たい」という回答が多いそうです。

さらに、越境学習は「自らのキャリア構築を促進する」可能性もあります。

社外の勉強会や交流会では多種多様な人と出会いますし、自己紹介をする機会には自らの仕事の説明もします。

その中で自分の現在や将来を問い直す内省の機会にもつながるという仮説です。

越境学習の参加者を調査したところ、現在の組織に不満がある人は少数で、個人業績も高い人の方が多かったようです。

リーダーや次期リーダーであるみなさんは今の組織にしっかりと適応してこられたからこそその位置におられます。

そのことは「過剰適応」や「能動的惰性」の罠に陥りやすいことも意味します。

さらに上位の役割を実現するためにはこれまでとは格段に違う、視野の広さ、情報の幅広さ、人格的な豊かさ、人脈、などが求められます。

一方、皆さんはほかの人から見れば魅力的な経験や知識を身につけておられます。

まさに越境学習に最適の世代です。

私の場合、交流会には、上司の取締役が連れて行ってくれました。元アナウンサー、医師、旅行業、保険セールス全国トップなど実に多彩な人たちがいて、時には国会議員や関取も来ました。

これが私の越境学習の原点で、いまにつながっています。

最近私が参加する交流会は、人事の会(主催)、Book Bar for Leaders、Points of you勉強会、新月の会などです。これらの活動は私にとって大事なエネルギー源です。


まとめ

いまの組織の境界を飛び越えるのはある意味勇気がいることかもしれませんが、実に多くのことを得る機会ではないかと思います。

そう言えば私の友人は、ひとり旅も越境学習だ、と言っていました。

社外のメンターと話をしてみるのも「越境学習」の一つかもしれません。

吉森 浩一
吉森 浩一
パナソニックグループでビジネスキャリアをスタートし、その後、大企業など4社で人事部長を務める。自ら企画したアフターファイブの社内勉強会にはいつも数十名が参加。趣味は、卓球・ゴルフ・読書・妻とのウォーキング。

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