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心に留めたい一言(第二弾):「上司の仕事は、楽しく働く姿を部下に見せること」

様々な方々とのメンタリング・セッションを通じて、私は多くのことを日々気付かせて頂いています。

このシリーズでは、その中でお聞きした「心に留めたい一言」をご紹介します。

なおセッション内容には「守秘義務」がありますので、主旨が伝わる範囲で編集しています。


「家業を継ぐ」とは?

「家業を継ぐ4代目として入社されて半年、とのことですが、お仕事の方はいかがですか?」

東京でのサラリーマン生活を終え、故郷へ戻った次期社長、Eさんへのセッションはこんな問い掛けで始まった。

「いやー、まだまだ始まったばかりですね。実際、いつ承継するかも決まっていませんし。うちの社長ですか? 古い人間ですね。今どきじゃないな、と東京の会社に勤務していた私はしばしば感じます。でもうちは田舎の会社なので、従業員はあまり違和感が無いようで。注文は社長である父が殆ど取ってきて、あとは社員が対応する、という構図です。」

メンターの視点

私はEさんが将来承継する自分の会社で、何を成し遂げようとしているのかと思い、自分の会社の将来像について問い掛けをした。


自分の会社に必要なもの

「どんな会社か、ですか? まだぼんやりしている感じです。」

「でも、はっきりしているのは時期は決まっていないが、いつかは自分が社長に就くこと。そのための準備をする必要はあると考えています。例えば、会社としての仕組みは色々必要かな?そもそも年度予算も無いし、ましてや中長期計画なんて。」

「でもその前にもっと大切なのは、企業理念やビジョンです。うちは田舎の中小企業ということもあって、企業理念やビジョンなんて無いんです。それをきちんと構築することが重要だと思っています。」

メンターの視点

入社半年では、いくら実父が社長でも「自分の会社」という意識は持ち得ていないようだった。そこで、Eさんが持ち出した「準備」について語ってもらった。

するとEさんは、企業理念やビジョンについて意気揚々と持論を語ってくれたが、私には何かが足りないように感じた。


出来ること・着手すべきこと

「東京の上場会社に勤務していた時は、私は営業職でした。従って今、父の会社でも同様に営業をやっています。これまでうちの会社が長く付き合ってきたお得意様はもちろん、新規開拓もやっています。」

「営業職というものに慣れがあるのかも知れませんが、結構楽しんでやっています。うちの営業は元々、御用聞き的な部分が多いのですが、私は新規のお客さんと新たな商品開発などで話を進めるのがとても楽しいです。」

「やっぱり自分の好きな事や専門性を活用しながら、お互いに良いものを作ろうとお客さんと協業している充実感ですね! お客さんからの、こういうのはできませんか? と尋ねられて、こんな感じではいかがですか? というやり取りにやりがいを感じます。時間を忘れて商談しちゃうことも多いです。」

「え、営業部の部下が私の商談スタイルをどう見ているか、ですか? うーむ、どうでしょうか? あまり考えたことが無かったですね。」

メンターの視点

Eさんとの二回目のセッションは、現時点での担当業務をお聞きした。

担当している営業職の話をする時に初めて、Eさんの瞳がきらっと輝いたように感じた。

そして次は、社長である父親との仕事での関わりについて話が及んだ。 


自分の役割とは?

「え、うちの社長と一緒に働いた経験ですか?親父はあまり姿を見せませんね。従ってそんな経験も余りありません。中小企業のおやじ社長だから、権力は絶大。いわゆるトップダウンです。業績もこれまでは何となく順調だった。でも本人は楽しいからやっているのか、社長だから仕事をしているのか…?」

「期待する上司像・社長像は、自分のやりたいことを色々、やりたい方法でやらせてもらえると嬉しいかな? 例えば、以前お話した私の営業スタイル。御用聞きではなくお客さんと創り出すスタイル。利益が出るかどうかは別にして、とにかく楽しいんです、創り出す過程が。」

「そうか、こういう私が楽しむスタイルを部下たちと一緒に展開していけばいいんだ!  旧態依然とした営業から脱却して、新たな客先や商品を開発するためにはこれを実践すること。これが今の自分に出来ること。こういう営業スタイルが出来る環境を創ることですね、私の仕事は!」

「企業理念やビジョンも大切だけど、先ずは社員に楽しく働いてもらうことが大切ですね。そのためには私自身がその姿を見せることが先決、と気付きました!」


まとめ:今回のセッションで得られた気付き

  • 楽しいことばかりではないのが仕事。しかし、仕事の楽しみを伝えるのは上司や職場のリーダーの役割である。
  • 仕事を楽しむ姿を見せることも大切。仕事に楽しみを見出す姿勢が部下やチームを動かす。
  • 社長や上司は、仕事を楽しめる環境を創り出す、整備することが最も重要な役目。ヒトは環境の動物である。

メンタリング・セッションで、改めて「自分の役割」を見出してみませんか?




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砂村 義雄
砂村 義雄
上智大学経済学部卒。外資系大手企業などで財務経理本部長などを歴任し独立。 経営者を対象としたエグゼクティブ・コーチング、及び企業向けにコーチングとコンサルティングを掛け合わせた「協業型コンサルティング」を提供。また「1on1ミーティング」導入支援や管理職研修を通じて、組織開発・企業風土改革のプロジェクトを展開中。名古屋商科大学大学院 経営学修士(MBA)取得

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