ユーモアのススメ
”コミュニケーション”は仕事でも私生活でもその大切さはいうまでもありませんが、パンデミックによる異常事態においてはなおさら忘れてならないことが、ユーモアの気持ちではないでしょうか。
心に触れたスピーチ
学生時代、英語弁論大会に参加したことがあります。
参加者は帰国子女かと思われるほど発音が超絶上手く、素晴らしい内容とロジックで唸らせる人ばかりでした。
私は入賞すらできなかったのですが、最も印象に残っているスピーカーを今も覚えています。
彼の英語はたどたどしいのですが、ユーモラスで誠実な話だったことを覚えています。
採点基準にはめると落第なのですが、完璧な英語とロジックで優勝した人よりも聴衆の心をつかんでいました。
理想のスピーチを目指して毎日発音練習し、ロジックを考えてきたのに、その経験で目を覚まされたような感覚になりました。
以来、コミュニケーションはスキルや誠実さとともに、ユーモアが非常に大切なファクターだと思っています。
我的愛人在日本(私の愛人が日本にいます?)
私が初めて台湾に駐在した際、言葉も通じない取引先の方々と、どうすればラポールを築けるのか考えたのですが、こんな自己紹介を中国語ですることにしました。
「妻は今日本にいて、私は一人で台北のホテルに住んでます。」
これを中国語で言えばがっつり受けます。
この中国語の台湾中国語の解釈は「愛人が今日本にいて、私は一人台北のラブホに住んでます。」となります。
自己紹介だけでなく、とにかく片言の中国語でも、ウイットやユーモアを取り込んでいこうと心がけ、社員や取引先の方々と関係が深めることができました。
現在、以前のような「飲みにケーション」も制限され、在宅勤務が多いこともあってか、無駄話が少なくなっています。
無駄な時間が少ないから仕事の効率はとても高い、と感じているのは私だけではないと思います。
しかし、組織体の中で、互いの共感を体感する機会が減って、真のコミュニケーションを取るには、意図的にウイットやユーモアを使うべきだと強く感じています。
ユーモアでゆとりを
「不確実性の時代」という言葉が1970年代に出てから、最近ではVUCA(ブーカ)という言葉をよく聞くようになりました。
正解がなく、悩むことがますます多くなる現代社会において、ともすれば他人との関係がギスギスすることもあるでしょう。
そんな時こそ、ユーモアを使って気持ちのゆとりを産みたいものです。
”もし、私にユーモアがなければ、これほど長く苦しい戦いには耐えられなかったでしょう。”
マハトマガンジー
まとめ
私は今まで大小の組織をまとめる立場を経験しましたが、理詰めで相手を追い詰めないで、ユーモアを忘れないように人と接してきました。
人と人が直接接する機会が減っている今こそ、ユーモアのセンスを大事にしたいと思っています。