何事も要件定義が大切
ITのプロジェクトを担当していると、他のプロジェクトで炎上した話をよく聞きます。
私自身も火消し役として炎上プロジェクトを支援したのは1度や2度ではありませんが、どのプロジェクトにも共通する問題点があります。
プロジェクトの問題はリーダーとして組織を運営する上でも参考になるので、そんなことを書きたいと思います。
曖昧な要件
炎上プロジェクトに共通する問題。それは要件が定義できていないという点です。
他にも様々なリスクが顕在化するケースもありますが、概ねこの点が「あの時ああすれば・・・」みたいな感じで語られる共通の問題点だと思います。
要件が定義されていない、曖昧な状態とはどんな状況なのでしょうか?
簡単にいうと、やりたいこと、実現したい業務やそのための機能、それら付随する各種の制約事項が明確になってないと言えるかと思います。
どうして炎上するのか
要件が曖昧なままプロジェクトが進行すると、どこかで炎上します。
初めはちょっと火が出るくらいですぐに消化できますが、実際には消し切ることができず燻り続けます。
燻った火種は、何らかのはずみで大きな炎として顕在化します。なんなら運用が開始されてから炎上します。最悪です。
要件を元にして基本設計を行い、詳細に設計を進めてシステムを構築しますが、要件が曖昧なまま進むことが多くあります。
しっかりと要求されている事項を整理し、対話に引き出す事を行わなくてはならないのですが、早く進めたいあまり十分な議論がされてなかったり、なんでも詰め込んで何がしたかったのか分からないものが出来たりします。
少しずつズレていきます。 最初の角度が少し違うだけで、到達点が大きくズレるのはバスケのシュートのようです。
その結果、当初期待したものとはずれたものが出来上がります。 出来上がってからこれは違うと言っても後の祭りです。
炎上しないために
これには様々な手法がありますが、基本はコミュニケーションです。
何を実現したいのか、どんな背景があるのか、どこまで手を加えることができるのか、等やどんなリスクがあるのか、進捗はどんな状況か、課題は対処できているのかと言った内と外の様々なステークホルダーとコミュニケーションして、理想を明確にします。
組織におけるリーダーもプロジェクトにおけるPMも基本は同じで、目標に向かって推進する役割を持っています。
組織においても要件=その組織、会社のミッション・ビジョンを明確にして共通の目的とし、どうするとそれが達成できたと言えるのか、それがどのように組織や会社に貢献できたと言えるのか協働の意志を示し、各ステークホルダーが合意し納得する意思の疎通を明確にして推進するのです。
そうすることで、後続の設計(実際の業務に落とし込むところ)もぶれずに取り組めます。
リーダーとなる人たちはプロジェクトを任された経験も多くあると思います。
ご自身の経験をもとにプロジェクト型の組織運営も参考にしてみると良いかも知れません。
まとめ
要件定義はメンバーやステークホルダーとの最初のコミュニケーションです。
これを時間をかけてじっくりと行い、関連する人たちが合意し納得することでプロジェクトはブレずに進みます。
組織運営もそのように行いたいものです。