リーダーはなぜ「孫子の兵法」を学ぶのか?
先日、Biz Mentorのメンターズサロン(オンラインセミナー)にて、『リーダーが職場で実践「孫子の兵法」』を開催いたしました。
本日のブログでは、その内容の一部をご紹介したいと思います。
「孫子の兵法」とは何か?
私は、ビジネスコーチという仕事をしています。 クライアントには、経営者や管理職の方々がいらっしゃるのですが、時折、古典の一部を座右の銘にしていたり、古典を会話の中に引用したりする方に出会います。
その中でよく耳にするのが『孫子』です。 果たして『孫子』は、経営者や管理職といったビジネスリーダーたちにどのような影響を与えているのでしょうか?
『孫子』は2,500年程前の中国(春秋時代)において、武将・軍事思想家であった孫武による兵法書であり、一般的に「孫子の兵法」として知られています。
軍事的な思想や哲学、戦略・戦術を記したもので、以下の13篇から構成されています。
▶ 『孫子』13篇と主な内容
- 始計 … 戦を始める前の心構え
- 作戦 … 戦争の準備・計画
- 謀攻 … 戦わずして勝つ頭脳戦略
- 軍形 … 攻撃と守備の態勢づくり
- 兵勢 … 兵の勢いづけ方
- 虚実 … 戦の主導権の握り方
- 軍争 … 戦局を有利に導く条件
- 九変 … 臨機応変に対応する手段
- 行軍 … 進軍や作戦行動の注意事項
- 地形 … 地形の掌握と部下の統率
- 九地 … 地勢別の戦術と兵を奮起させる秘訣
- 火攻 … 火攻めの戦術
- 用間 … 情報収集、謀略活動の重要性
『孫子』が読み継がれる理由
『孫子』は、兵法書でありながら、時代を超え、地域を超え、数多くのリーダーたちに読み継がれているわけですが、その理由はいったいどこにあるのでしょうか?
私なりの解釈となりますが、その理由は、以下の2点に集約できます。
① 表記が極めて端的に、かつ、抽象化されている
『孫子』には、具体的な事例や固有の地名・人物名などはなく、表記が端的に、かつ、抽象化されています。
ゆえに、さまざまな時代のリーダーたちは、自身の置かれている環境や立場に立脚した読み方、応用の仕方ができるのではないでしょうか。
② 戦略・戦術面が、人間心理の本質を突いている
『孫子』に記述されている戦略・戦術面は、実は人間心理に対する深い洞察に基づいています。当然のことながら、組織活動において“人”は財産となります。
リーダーが組織を運営していくにあたり、所属メンバーの心理に着目することは、ある意味で当然のことなのかもしれません。
まとめ
私は、ビジネスリーダーたちが「孫子の兵法」の知恵を現場で活かせるよう、講座や研修において、『孫子』の一節を取り入れた考え方や実践方法をケーススタディという形でお伝えしています。
次回のブログでは、そのケーススタディの事例をご紹介したいと思います。