システムは更改されるのに、更改されないものとは?
先日、手伝っていたITシステムの更改プロジェクトが終結した。
残作業はあるものの問題なくシステムは移行し、新しいシステムをユーザーにも利用いただいている。
IT業界にいるとシステムの更改はよくあることで、それを見越した受注計画を立てたりもする。
ITシステムは更改するのに、なかなか更改できてないものもある、と感じたので、今回はそれについて書いてみたいと思う。
システムの更改とはなにか?
ITシステムの更改理由はさまざまでです。老朽化により保守が出来なくなった、新しい機能を追加したい、より大きく拡張したいなどなど。
いずれも現状が維持・対処ができないことが大きな要因となります。これにはメーカーの思惑や利用者の要望などいくつもの側面があります。
また永遠に続くことはないが、長く使えるようにするための施策でもあります。
更改できていないもの?
ITシステムは時期が来れば更改することになります。
計画的だったり突発的な要求だったりしますが、時期が来れば更改することになります。
これに対して更改されないものはなにか?
誤解を恐れずに言えば、使う人や仕組み・プロセスが更改されないことが多いのです。
ITシステムがその目的のために更改されても、それを利用する利用者がその意図を知らず、目的を認識できていないためにこれまでと全く同じだと考え、利用しプロセスも変えずに対応することがあります。
そうすると利用者から様々な不満が出てきます。 システムは今までとは変わっているのに、使う側が何も変わらず使おうとするので不満につながります。
切れ味の鈍くなった包丁を新しい包丁に買い替えて、その切れ味に慌てることに似ているかも知れません。
「こんな切れ味だと手を切ってしまう!」と。
見えないからこそ気を配る
ITシステムなどは目に見えて変わることがほとんどなので、変化はとても分かりやすく、「明日から新システムですよ!」なんてアナウンスもあり、周知もしやすいものです。
これに対して人の意識は目に見えません。従って、「みんなの意識が変わっているか?」「意図を理解しているか?」外からでは分からないのです。
このようなとき、リーダーはしっかりと目的を示し、意図を伝え、みんなが意識を更改し新しい環境に望めるように支援する必要があります。
リーダーは全体と個別の対応が必要
リーダーのスタイルとして様々なものが提唱されていますが、ビジョンを示し推進すると共に、個々の意識が今どうなっているのか気を配り、それぞれにカスタマイズした対応が必要ではないかと思います。
チームに対してはビジョンを示し、メンバー個別にはそれぞれの感じ方、理解度を考慮した接し方で分かるように支援することで、チームメンバーの意識の方向性を合わせることができるのだと思います。
まとめ
目に見えるものだけ新しくするのではなく、目に見えないところも更改して、日々便利になるITシステムをより良い形で活用できるチームとなる。
人にしかできないところをリーダーがしっかり導くことが大切だと思います。