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経営者はチームの一員ではない⁉

私は飲食店を経営していますが、接客も調理も全くできません。 これまで20数年間、飲食業界にいてほとんど現場で働いたことがないのです。

これは飲食店の経営者として時に非常に大きなハンディとなりました。 経営者がまるで現場経験がないので、何を言っても説得力に欠けるのです。 この点は本当に苦労しました。

しかし一方で、現場で働くスキルや能力がなかったからこそ、 破綻寸前の会社を何とか立て直しここまでやって来れたのだとも思うのです。


現場の一員でないからこそ気づくこと

もし私が現場で働く能力を持っていたら各店舗の運営に入って 店舗を立て直すために必死に行動したと思います。

現場にどっぷりと浸かり、スタッフと苦労を共にして頑張ることができたでしょう。 まさに店舗の一員となり奮闘努力をしていたはずです。

そのことによる効果は必ずあります。 一方、そのようにチームの一員となることで見えなくなっていくものもあるのです。

例えば、真面目な調理人はメインの料理の添え物であるキャベツ千切りなどにも手を抜かずしっかりと仕込みを行います。

しかしウチの店舗は大衆居酒屋であり千切りキャベツに対するそこまでのこだわりはお客様にはその価値が伝わっていなかったのです。

懸命に努力している調理人の方には申し訳ないですが、 その労力をよりお客様が価値を感じる部分に向けるべきなのです。 このようなことは多々ありました。

もし私が現場に入り込んでいたら、そのうちのいくつかは気づかなかったと思うのです。

現場に入れない私だったから、一歩引いて俯瞰的に状況を見ることができたのです。

チームの一員として共に苦労を分かち合うことは大事ですが、 経営者は大局的な視点でチームの一員には気づくことができない点に目を向けることも重要な役割なのです。


メタな視点を持つ

大事なのは、状況から一歩引いて俯瞰的にみる視点。 自分自身を少し上から見るメタな視点を持つことです。

私自身、現場の事についてはメタな視点で見ることができるケースも多かったのですが、自分が直接携わっている業務についてはついつい周りが見えなくなってしまい判断を間違うことがありました。

岡目八目という言葉があります。 碁を打っている人を傍から見物している人は、実際に打っている人よりも八目も先まで手を見越せるという意味です。

状況にどっぷりとはまっている当事者よりも第三者の方が客観的に正しく見ることができるのです。

すべての責任を背負っている経営者は、必死になるがゆえに視野が狭くなります。 そんな時に、ふっと力を抜いて一歩下がって状況をメタな視点でみることで突破口が見つかることもあるのです。  

いつも真面目に全力で問題に立ち向かっていく経営者にとってこそ俯瞰的に状況をみるメタな視点が大事です。


まとめ

すべてを背負う経営者だからこそ、一歩引いた視点をいつも意識することが必要です。

しかし「メタな視点で客観的に」と言われても、厳しい現実の中ではそんな余裕を持てないことも多々あるのです。

そんな時は、コーチやメンターを活用することで、客観的な視点を得ることが有効です。

全く出口の見えないような迷路の中で、その全体を客観的、俯瞰的に見ることができるコーチやメンターの視点は、そこから抜け出すための大きなヒントになるのです。




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湯澤 剛
湯澤 剛
大学卒業後、1987年キリンビール社に入社。国内ビール営業、ニューヨーク留学、海外事業担当を経て、1999年飲食店チェーン経営者であった実父の急逝に伴い事業を承継。年商20億、負債40億の会社をボロボロになりながら16年かけて再生、負債も全額返済。現在は、飲食店経営と並行して中小企業経営者向けの講演を全国で行い、コーチングを活用した経営者向け個別相談も実施している。趣味・特技:空手初段

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