お互いの価値観を理解すると可能性は広がる
会社のトップが変わったことで、新しい組織改革の実践が求められているチームリーダーのBさんは、スタッフが安心して働けているのはいいが、トップの求めるスピード感がない上に、危機感がなく馴れ合いに甘んじているように感じている・・・
そこで、新しい改革の方向性を伝えるとともに、変化の必要性や職責の拡大無くして今のポジションにはいられないこと、リーダーとして見えている課題などを個々に伝え1on1も定期的に行ってきた・・・
しかし、反発するでもなく、聞いてはくれるが変化のないまま手応えがなく時間が過ぎていくことに、リーダーとして焦りを感じていると相談を受けました。
これは、話は聞いてくれてはいるが、反発心を持ちながらも争いを避けている、または評価を怖れるあまり何も言えない起こせない状態かもしれません。
いずれにしても部下の心が離れている・・
このような不安を感じたことのあるリーダーも、少なくないかもしれません。
スタッフの心が離れるのはなぜなのか?
リーダーは責任感から、どうしてもチームの問題点や不足していることに目が行きがちです。
- 機能していないのは、中堅社員の〇〇さんが慣れた仕事として手放さないから・・
- 変化が必要とか、成長のためと称して・・
- 業務責任を増やさないとポジションが確保できないから頑張って・・
など、一見様々な改善に着手したりスタッフのことを考えたりしているようですが、本当にそのアプローチでいいでしょうか? もし問題点を指摘され続けたらどう感じるでしょうか? 過去を否定されたと感じるかもしれません。
もしかしたら、これまでの自分が正しいということをわかってもらおうとするかもしれません。
そのような状態になってしまうと、お互いの信頼関係を築くことは難しくなり、スタッフの気持ちが離れていってしまうのではないでしょうか。
問題点の真因を探る
問題解決に注力するのをやめるということではありませんが、リーダーが思うようにいかない時こそ、立ち止まって考える機会と捉えましょう。
- なぜ問題と感じたのか?
- リーダーが問題だと感じていることは、部下にとっても問題なのか?
- 部下は今のチームの状態はどうだと思っているのか?
- リーダーとして伝えていることの、何が伝わり、何が伝わっていないのか?
Bさんは、こうした対話を個々の部下と続けていくことで、伝わり方・捉え方がスタッフそれぞれで違うこと、本来伝えたかったことが十分に伝わらず、相手がリーダーの考えを想像し(妄想し)部下を排除しようとしてとっている行動を勘違いされていた・・など、様々な事実がわかってきたそうです。
人はその人なりの捉え方をするものです。それぞれ歩んできた経験があり人生も違うので、捉え方も違って当然です。
ですが、ついその違いを忘れ、自分に見える世界と同じ世界を他人も見ている、つまり自分にとっての正解がすべての人にとっての正解だと思い込んでしまう・・・
そうなってしまうと、対立はネガティブなインパクトをもたらします。
お互いの主張と価値観を理解することから始める
相手には何が見えているのか? それは相手に聞いてみなければ決してわかりません。主張の異なる相手に対し、まずは否定せずに聞く。
そして、どうしてそのように考えるのか、その理由を話してもらう。それから自分の主張と考えを相手にも話す。相手がどう受け取ったかを聞く。
そうしたプロセスを通して、自分の考えの偏りに気づいたり、新たな気づきが生まれてきたりもします。
そして、そもそもの目的に立ち返り、共に探索していく・・・。
このようなやりとりから、信頼関係は構築されていくのではないでしょうか。
まとめ
問題を見つけて変えようとするのではなく、まずは自分の関わり方を変えてみる。そうすることで、チーム成長の機会は大きく広がる可能性があります。
あなたは周囲とどのような関係をつくっていきますか?