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折れない心のつくり方 追いつめられたら宇宙の図鑑を見ろ!

2017年11月、テレビ番組「さんまのホンマでっか⁉TV」に専門家として出演しました。

出演時の肩書は、「ドン底評論家」という有難くないものでしたが、 その時に私が提案したのが、「追いつめられたら宇宙の図鑑を見ろ!」ということでした。

「苦しい時には宇宙の図鑑を見ろ!」なんて、いかにもバラエティ番組らしい内容ですが、 どん底で喘いでいた頃の私は、大真面目に毎日、宇宙の写真に魅入っていたのです。


すべてが灰色に見えた

36歳の時に多額の負債を抱えた父の事業を 突然、事業承継してからというもの私は毎日真っ暗闇の中を歩いているようでした。

借金と資金繰り、そして次々に発生する問題に心を痛め追い詰められていきました。


「もう私の人生は終わりだ。この多額の借金を抱えてずっと下を向いて生きていくんだ」

「もう死ぬまで心から笑う事もないだろう」


と、私は思い込んでしまい 本当に暗い気持ちでうな垂れながら日々をやり過ごしていたのです。

何を見ても聞いても心が前向きになることはなく、 何をやっても無駄だと半ば自暴自棄になっていきました。

父の会社を引き継いだその日からすべての景色が変わりました。 何もかもが灰色にくすんでそれまでとは全く違って見えたのです。


苦境に追い込められると視野が狭くなる

しかし今、冷静になって考えてみれば、 それは少し大げさではなかったかと感じています。

確かに当時36歳だった普通の会社員の私にすれば、 40億円という多額の負債は天文学的であるし、 途方に暮れるのも無理はないと思います。

一方、いくら多額の借金を抱えた会社を引き継いだからと言っても、 何もかもすべてが終わりというわけではないはずです。

自己破産して再スタートを切るという道もあるし、 例え借金を抱えたままでも明るく充実した人生を送ることもできるかもしれません。

世の中には同じような境遇で元気に頑張っている人はいくらでもいるでしょう。

それでもその当時の私は、


「もうこれですべてが終わりだ、私の人生に何の希望もない」


と思い込んでしまったのです。

まさにこの世の終わりだと感じていました。 多額の負債により心が追い込まれたことで、視野が狭くなり借金以外の事は一切見えなくなってしまったのです。

苦境に陥ると視野狭窄になり、物事を柔軟に捉えられなくなる。 他の事が見えなくなっていく。

本当に怖いことです。


拡大のリフレーミング

毎日、何をしていても借金の重荷で苦しくて苦しくて仕方がなかった私は、 突然、宇宙の図鑑を何冊も買ってきて、それを眺めるようになりました。

事務所、寝室などいくつかの場所にその宇宙の図鑑をおいておき、苦しい時にそれを手に取って眺めるのです。

そしてこう考えるようにしていました。


「この広い宇宙には、地球のある銀河系のようなものが無数にある。この宇宙の広がりを考えれば、今、私が悩んでいる借金の額なんて大したことない」

「この大きな宇宙に比べたら私の問題なんて取るに足らない」

「宇宙の歴史は140億年、その悠久の歴史を考えれば、今の私の苦境なんて、本当に一瞬のことに過ぎない」


漫画みたいな話ですが、その頃の私は宇宙の図鑑に向き合いながら、 懸命に自分の気持ちを楽にしようとしていました。

その時は、必死に考えた行動でしたがあとからそれは、物事の受けとめ方を変えるリフレーミングという方法だと知りました。

ある特定の事柄に囚われてそのことを必要以上に大きく捉えてしまっているときに、 より拡大した大きな視点でとらえ直す。

宇宙の広がりや悠久の歴史など遥かに大きなものと比較し、 自分が直面している事柄を見直すことで極端に狭くなっている捉え方を正常な状態に戻す効果があります。

リフレーミングは「決してすべてが終わるわけではない」と客観的な視点を取り戻すためにとても有効な方法です。


まとめ

厳しい状況や困難を前にすると、 そのことを実態以上に大きく受け止めてしまい視野がどんどん狭くなっていく。

視野狭窄に陥ると他の手段や道が見えなくなってしまいます。

そんな時には、より拡大した大きな視点でとらえ直すことで客観的な視点を取り戻せて、 気持ちが楽になります。

そうは言っても、渦中にあるときはなかなか自分一人では 自分の捉え方が狭くなっている、偏っていることには気づけないものです。

そんな時こそ、メンターやコーチに相談するのが効果的です。 第三者の客観的な見方が大きな救いになるのです。


最後に蛇足ですが、明石家さんまさんはバブルの時に5億円の借金を背負ったことがあり、その経験から私の話にとても共感してくれました。


http://owarai-geininnsokuhou.blog.jp/archives/5116125.html

湯澤 剛
湯澤 剛
大学卒業後、1987年キリンビール社に入社。国内ビール営業、ニューヨーク留学、海外事業担当を経て、1999年飲食店チェーン経営者であった実父の急逝に伴い事業を承継。年商20億、負債40億の会社をボロボロになりながら16年かけて再生、負債も全額返済。現在は、飲食店経営と並行して中小企業経営者向けの講演を全国で行い、コーチングを活用した経営者向け個別相談も実施している。趣味・特技:空手初段

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