ドラッカーの5つの質問(4) われわれにとっての成果は何か
ドラッカーの5つの質問の4つ目、 われわれにとっての成果はなにか。
第1から3の質問で、ミッションが策定され、その対象となる顧客と、その顧客にもたらす価値が特定された。
第4の質問では、その価値の達成度を測るための成果物を、明らかにしていく。
ドラッカーは非常にシンプルな5つの質問を投げかけた
シンプルな質問であるからこそ、答えにくい。
しかし、それを深く考えることにより、いまの組織がどのような状態か把握でき、将来に向けてのミッションと行動が見えてくる。
そのためには、第1から第5までの質問を何度も繰り返し、検証することが必要である。
ドラッカーは第4の質問「われわれにとっての成果は何か」で、ミッションに対する貢献度の割合を測ろうとしている。
ドラッカーの5つの質問とは
顧客にとっての価値をどのように測るか?
先にも述べたように、成果とはミッションに対する貢献度の割合であり、顧客にもたらす良い変化の度合いである。
顧客と顧客にとっての価値が特定されたならば、その価値がどの程度達成されたかを測ることによって、ミッションがどの程度実現できているかがわかってくる。
また顧客における価値を成果とするので、その成果は顧客と共有できるものであることが望ましい。
陥りやすい間違えのひとつは、売上げを成果と捉えることである。
売上◯◯億円達成を目標とし、その成果を測るため毎月いくら売り上げたかをモニタしていく。
確かに、売上げ目標を掲げる事は間違ってはいないが、これは必ずしも顧客の価値を表す指標とはなり得ない。
ある飲食店の成果とは
ある飲食店のミッションは、美味しい料理を通して、至福の時間を味わってもらうことであった。
お客様に満足して頂き、お帰りいただくことが価値であり、顧客の満足度が成果の指標であった。
よって、その飲食店においては、お客様からのフィードバックは、とても重要で価値のある情報源であった。
よって、「美味しかった」「とてもいい雰囲気だった」「また来たい」などの好意的なコメントや、「料理がなかなか出てこなかった」などのクレームも、全て価値を評価する成果となった。
お客様の声に耳を傾け、正しく成果を評価する事で、その飲食店の評判や質を保つことが出来、彼らのミッションに向けて、さらに行動することが出来るようになる。
まさに食べログの評価が、これに値するのかもしれない。
まとめ
正しい成果の設定が、日々の仕事をミッションに繋げることができる。
ミッションを我々が向かうゴールであるとすれば、成果とは、そのゴールに向かって、正しく進んでいるかを測るツールである。
この正しいツールを持つことで、確実に目的地に最短で向かうことができると思う