ドラッカーの5つの質問(2) 我々の顧客はだれか
前回のブログで、5つの質問の概要と、第1の質問、ミッションについて考えてみた。
ミッションは我々の道標となるものだが、誰に向けてそのミッションを遂行するかが、とても重要となる。
今回は第2の質問、顧客を明確にすることの重要性について考えてみたい。
ドラッカーは非常にシンプルな5つの質問を、我々に投げかけた
シンプルな質問であるからこそ、答えにくい。しかし、それを深く考えることにより、いまの組織がどのような状態か把握でき、将来に向けてのミッションが見えてくる。
ミッションを明確にするには、PDCAを回すように、第1から第5までの質問を何度も繰り返し検証することが必要である。
その過程で、誰に対してのミッションなのか、つまり我々の顧客はだれなのかが浮かびあがってくる。
ドラッカーの5つの質問
|
われわれの顧客はだれか?
大きな組織や、長いプロセスの一部を担っているチームなどでは、顧客を意識することが難しかったりする。
例えば、
- 経理の支払担当者は、支払いの依頼者が顧客なのか?
- レストランに食材を納入している業者は、その食材を選んでくれた料理長が顧客なのか?
それも正しいが、果たして、それだけであろうか。
顧客を意識する上で、「あなたやあなたの組織は、誰を満足させた時に、成果をあげられたと言えるか?」
この問いに真摯に向き合うことにより、本当の顧客が見えてくる。
ここには2種類の顧客がいる、一つは「活動対象としての顧客」、もう一つは「パートナーとしての顧客」である。
先程の例を取ると、レストランに食材を納入している業者の顧客とは、
- 活動対象としての顧客:レストランで食事をしてくださるお客様
- パートナーとしての顧客:レストランのオーナー、料理長、スタッフ、その家族、他の納入業者、商店街の他のお店 などなど
特に大切なのは、納入業者の活動対象の顧客は、レストランではなく、レストランで食事をしてくださるお客様であることである。
また、パートーナーとしての顧客も満足してもらえなければ、この納入業者は十分な成果をあげられたとは言えない。
良い食材を提供することで、料理を食べて頂いたお客様が満足し、それだけでなく、レストランが繁盛し、シェフの評判があがり、スタッフの給与が上がり、そしてその家族も喜び、地域も発展する、など。
食材を納入することで、影響を受ける人たちはたくさんいる。これも顧客なのである。
まとめ
この対象とする顧客を徹底的に考え、特定することで、ミッションがより明確になり、自分たちが何をやるべきで、何をやるべきではないのかが、クリアに浮かび上がってくるはずである。
顧客を特定することは、ミッションを明確にする上で、とても重要である。