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「交渉」の成否は事前準備にあり - 2

購買担当のあなたは会社の予算として100万円を確保していましたが、交渉相手からの提示額は120万円です。

さて、このような場面で、あなたならどうしますか?


代替案を用意しておこう

前回お伝えした通り、この時は100万円があなたの限界値となります。しかし、相手の提示はこれを上回る額です。

こんな時に、あわてて値切り交渉をしても成果を得ることは容易でありません。そんな時に、他社からは105万円の提示を受けていたらどうでしょう。

これも予算を超えているとはいえ、落ち着きをもって目の前の交渉に臨む事が出来ます。

そうすると、条件Aから条件Bにする提案(前回ブログ参照)で、120万円の提示を自分の目標に近づけるような交渉が可能となります。

代替案を用意しておくメリット

  • 交渉時は以外と考える事が多くあります。よって事前に代替案を用意しておくだけで、余裕を持った交渉が出来るようになります。
  • 条件が悪いにも関わらず、不本意承知で合意してしまう。という人間特有の「合意バイアス」を回避できるようになります。


強みをたくさん用意しておく

交渉時の強みというと、唯一無二なモノであったり、圧倒的なQCD(品質・価格・納期)ばかりではないです。

このような強みを持って交渉する場面なんて例外中の例外です。それよりも、もっと地に足の着いたレベルで構わないので、思いつく限りを用意しておきましょう。

例えば、商品の色や形、あるいはネーミング。営業拠点の場所(駅近、国道沿い)、もちろんあなた自身の人柄。

自分視点では取るに足らないものでも、交渉相手の視点では魅力あるものとなる事があります。そもそも、相手が交渉の場に着くのは、あなたの何かに興味があるからなのです。


状況把握も必須

交渉に際して現在の状況を把握しておくことは当たり前すぎますが大事です。

特に、不利な事象については事前にしっかりと認識しておく事が、交渉の席で冷静さを失わないためにも重要です。

そのうえで、余裕があれば、交渉における利害関係者をピックアップしてみて下さい。きっと何か気づく事ができます。

また、あなたが挙げた利害関係者は、交渉相手にも同じように存在することが想像できると思います。


前回と今回で、交渉における事前準備を5点お伝えしました。 いづれも、交渉に限らず、ビジネスをすすめていく上では、活用できるものです。

倉地 修
倉地 修
コーチ・交渉学講座講師。大学卒業後、富士ゼロックス株式会社に入社し海外OEMビジネスのSCM担当となる。プリンター会社の設立でSCM領域の立ち上げ(国内外の商物流整備・SAP R3導入など)を担当。設立した会社へ出向し、外部生産委託(EMS)プロジェクトのSCM領域責任者として1年の半分は中国へ出張し、プロジェクトの立ち上げとビジネス確立に貢献。趣味は、旅行、アウトドア、茶道、妄想

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