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陰の中に陽を見る 折れない心のつくり方

私事で恐縮ですが、昨年6月に新規オープンした弊社の飲食店が1周年を迎えることができました。

コロナ禍のど真ん中で、新規オープン後すぐに緊急事態宣言となり時短営業、そして休業へと追い込まれました。

3,000万円以上の投資をした店だったので開店直後にいきなり休業になり一体今後どうなってしまうのかと大きな不安を抱いたことを思い出します。


追いつめられて

私は元々、コロナ禍において積極的な投資を行うのはリスクが高いと思っていました。

しかし、2021年2月ごろにコロナの新規感染者数が減少傾向になりこのままコロナは収束に向かうだろうと私は判断したのです。

そして 「もしこのままコロナが収まっても、企業の宴会需要は簡単には戻らない。売上はコロナ前の8割程度に留まるだろう」 と想定しました。

8割の売上では現状の正社員の人数では多すぎて人員削減が必要になると危機感を持ちました。

そして正社員の雇用を維持するためには新しく店を出すしかないと出店を決めたのです。

新たに挑戦するのは、定食をメインにした海鮮食堂業態。 これまで居酒屋として夜の営業を中心にやってきた弊社にとっては新たなチャレンジでした。

社員の雇用を守るという動機に突き動かされ、新たな挑戦に対する不安を乗り越えて何とかオープンにこぎつけたのでした。

6月にオープンをした店舗は新規出店につきものの様々な問題はありましたが、ほぼ順調なスタートが切れました。

しかし、7月に入るとまたコロナ感染者数が急増し8月には第5波に突入してしまったのです。その後緊急事態宣言から時短営業、そしてついには休業となりました。

多額の資金を投じた新規店舗が開店後2か月ほどで店を開けられなくなり、私は途方にくれました。


ピンチはチャンス

その後もオミクロン株の第6波など何度もコロナには翻弄されました。

ようやく2022年3月下旬から通常営業になり、4月、5月と順調に推移し、現在では新規オープン時の目標売上を大幅に上回る実績を安定的にあげられるようになりました。

売上が大きく伸びたことも嬉しいですが、何よりもこれまで長い間、検討を重ねながら踏み切れなかった新しい定食業態を確立できたことが大な成果です。

コロナの前から夜型居酒屋の営業には限界を感じておりどこかで昼と夜の二毛作が期待できる新業態を確立させなくてはと思いながら、日々の忙しさと比較的好調が継続していた居酒屋業態に依存し手を付けられずにいたのです。

それがコロナ禍で夜型の居酒屋が壊滅的になり、社員の雇用維持のためには否が応でも新業態に挑戦しなくてはならなくなったのです。

もしコロナ禍にならなければ、今でも新業態には挑戦していなかったかもしれません。 まさにピンチはチャンス。 コロナ禍で追い込まれたからこそ、重い腰をあげてチャレンジすることができたのです。

脱夜型居酒屋というのは永年の課題であったにも関わらず、ある程度現状が上手く行っていると中々リスクをとってまで挑戦できないものです。

今回はコロナのお陰で一歩を踏み出し、新しい成長の種を手に入れることができました。ピンチや逆境は従来の殻をやぶる大きな機会でもあるのです。


まとめ

経営や人生において訪れるピンチや逆境、悲しい出来事、辛い状況。その出来事や状況の中にも、必ず自分や会社の成長に繋げられる道はあるのです。 いわば、「陰の中に陽を見る」ことが本当に大切だと今回、実感しました。  

いわゆるポジティブシンキングで楽天的に考え、根拠もなく 「この位は大丈夫、きっと必ず良くなる」 などと目を逸らすのは状況や出来事から逃げているにすぎません。

厳しい状況や現実をきちんと受け止めつつ、一方でその中に成長や進化につなげる要素を見出して、「陰の中に陽を見る」ことこそが本当に意味でのポジティブシンキングであり、折れない心だと思います。

コロナのお陰で、新しい店舗業態を確立できただけでなく、厳しい状況や辛い出来事の中にポジティブな意義を見出していく折れない心のつくり方を学んだ気がします。

湯澤 剛
湯澤 剛
大学卒業後、1987年キリンビール社に入社。国内ビール営業、ニューヨーク留学、海外事業担当を経て、1999年飲食店チェーン経営者であった実父の急逝に伴い事業を承継。年商20億、負債40億の会社をボロボロになりながら16年かけて再生、負債も全額返済。現在は、飲食店経営と並行して中小企業経営者向けの講演を全国で行い、コーチングを活用した経営者向け個別相談も実施している。趣味・特技:空手初段

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