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1on1を始めるにあたり

1on1ミーティングを導入する組織が徐々に増えているようです。

私がサポートしている企業でも、昨年から1on1の導入が全社的に開始されました。

ただ現状では、多くの組織がそうであるように、1on1を始めてみたものの壁にぶつかり停滞している様子がみてとれます。

その中で、ひとりの組織長が自らコーチングの認定資格を取得し、改めて自部門へ1on1の導入を開始しょうとされています。

その方をここではTさんと呼ばせていただき、 そのチャレンジの一端をご紹介いたします。


まずはメンティ体験から始める

ご自身がコーチングを体得されたTさんは、1on1を実施するにはスキルを身に付ける必要があることを認識されています。

そこで傘下のマネージャーにも、まずは1on1の導入プログラムでスキルを学び、 次いで対話の訓練を行いつつ、実践していくことを求めています。

今はその前段階で、ご自身が1on1のメンターを務めて、部下である16人のマネージャーの方々にメンティ体験を実感してもらうところから始められています。

このマネージャーの皆さんは、全社的な指示で既に1on1を始めてはいますが、 スキルを身に付ける機会が無かったことから1on1本来の効力を実感するまでに至らず、 その実践もなかなか定着していないのが現状でした。


メンティ体験のアンケート結果から

そういう中、Tさんとの1on1が開始され3回目までが実施されています。

ここでは、その体験後のアンケートから、メンティさんの感想や気づきをご紹介いたします。

-「実際の現場での課題について一緒に考えて頂いたり、会話の中でヒントを 見つけたり思いつくことができ、課題解決へ向け役立っています。」

これは、まさに経験学習モデルが機能しているようです。

また、この1on1でどのようなチームを作りたいですか?との質問には、

-「風通しの良い職場、何でも話せ相談できる雰囲気にしていきたいです。」などと、心理的安全性を目指そうとする複数の意見がありました。

さらに、スキルを使う必要性にも気づかれています。

-「あまり多くを語らず、相手に話をさせる、考えさせる雰囲気や 空気感を作り出すのが非常に絶妙だと思います。」

まだ、3回しか実施していない1on1でも、このように実効性が高く評価され、 16人全員から今後に期待を寄せられています。

ご本人のTさんも、ご自身が得ていた感触を超える手応えに、正直驚いている という感想でした。


実効性が内発的動機を高める

1on1の導入に限らず何でもそうですが、押し付けでは目指す成果にはたどり着きません。

一方このケースでは、Tさんの率先垂範がロールモデルとなり、部下の内発的動機を点火させることができています。

また、スキルを身に付けて実践したことにより、その実効性を確かなものにしています。

このようにして今から、1on1を始めていくTさんの組織では、 Tさんの語る、「人間として一回りも二回りも大きな器の人間へと成長する」 そんなマネージャー達が仲間の成長にも寄り添い、この組織を大いに発展させていくことでしょう。


まとめ

まずは、正しいスキルの下での1on1を体験することから始めましょう。

するとその効力を実感し、自らも実践していく内発的動機が高まります。

また、組織内にロールモデルが存在することが更に1on1の実効性を高めます。

私たちはこのような体験のご提供と実践トレーニングでのご支援を通して、 組織と個人の目標達成と成長のお手伝いをしています。

松木 幹一郎
松木 幹一郎
東証1部上場の電気機器メーカーにて、役員・理事などを歴任。現在は非常勤顧問として、組織開発の支援。新入社員時代は、営業担当として飛び込み営業から開始、若い頃は売れずに苦悩の毎日を過ごす。中間管理職時代では、徹底した新規顧客開拓により担当エリア内顧客シェア90%を獲得し、年間売上を300%にまで拡大、事業基盤を構築。現在は、組織開発の内部実践者としてオフサイトミーティングなどを実践。全国にファシリテーターを108名育成し、組織開発の礎を構築した。趣味は、サッカー、ウクレレ、カラオケ。

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