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1on1を少しグレードアップする「フィードバック」

1on1ミーティングは通常の業務打ち合わせや面談とは違って、「部下が主役」「部下が自分の話したいことを話し上司は聴き役に回る」ということが基本です。

部下が自分で考え、答えを得る、主体的に行動できるようになる、という効果があります。

上司のみなさんは、まず「しっかり聴く」ということを心掛けると十分できているといえるでしょう。

さらに一歩進めたい上司の方にお勧めしたいのが、本日お話する「フィードバック」をうまく使うことです。


フィードバックで経験学習を促す

1on1ミーティングでは、部下の仕事経験をふりかえりながら、できたこと・できなかったことを確認し、経験を今後の仕事に役に立つ概念に変換していくことを行うことが基本的なパターンの一つでしょう。

経験学習モデルの活用ですね。

経験をふりかえるときには、部下自身に考えてもらい、「期待されたことと結果、できたこととできなかったこと、周囲の状況や環境はどうだったのか」などから気づきや教訓を引き出していくことになります。

ここで役に立つのが上司からのフィードバックです。

フィードバックとはその時起きていたことを率直に伝える、ということですが、部下本人には見えなかった、聞こえなかった、感じなかったことがある場合もあります。

自分の顔を自分では直接見ることができないように。

それを上司が伝えてあげると、経験のふりかえりがぐっと深まるし、広がります。

部下には感じられなかったことを、上司から伝えられることを部下の思考が刺激され、そこから今までに得られなかった気づきにつながることも期待できます。


率直であること、受け取りやすいことの両方を工夫する

部下にフィードバックを与える時には、以下のことに注意しましょう。


1.率直に伝える

2.受け取りやすい表現を工夫する


まず「率直に伝える」。

本人にとって嬉しいことも耳の痛いことも、どちらも率直に伝えることが大事です。

ほめるのは気恥ずかしいからと冗談めかして言うのは相手に信頼感を与えません。

きついことを言うのは可哀そうとオブラートに包んだり、他のことと絡めて「でも他ではうまくやっていると思うよ」などとほめ言葉を追加したりするのは、効果がないどころか逆効果になることもあります。


次に「受け取りやすい表現を工夫する」。

率直に伝える必要はありますが、感情が受け付けないような言い方では意味がありません。

その際に有効なのが「I(アイ)メッセージ」です。

「あなたは○○ですよね」という言い方では、相手は自分のことを何かに決めつけられたように感じられますから、反発の気持ちが生じます。

そうではなく、私(I)を主語にして伝えるのです。

「私には、この前のお客様とのミーティングでのあなたの話し方は、少々先方への配慮に欠けていたように聞こえたよ」など。

この時、述語は「思う、考えている」というような自分の意思を表す言葉ではなく、「聞こえる、見える、感じられる」などのような言葉を使うのをお勧めします。

これだと、事実として聞こえた、見えたということですから素直に受け取りやすくなります。


まとめ

フィードバックは、人材育成にとって非常に有効なツールです。仕事を観察してフィードバックできるのは、上司だからこそです。

1on1ミーティングではもちろん、業務ミーティング、評価面談でも、このブログで述べたことを参考にして大いに活用してみていただきたいと思います。

吉森 浩一
吉森 浩一
パナソニックグループでビジネスキャリアをスタートし、その後、大企業など4社で人事部長を務める。自ら企画したアフターファイブの社内勉強会にはいつも数十名が参加。趣味は、卓球・ゴルフ・読書・妻とのウォーキング。

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