サーバントリーダーシップが求められる時代
最近話題のサーバントリーダーシップ。
従来型のリーダーシップのスタイルから、時代の変化と共に、リーダーのあるべき姿が変わってきている。
多くの企業がこのスタイルを導入しようとしているが、「言うは易く行うは難し」。
リーダー(上司)も部下も、大きな意識改革が必要なことを忘れてはならない。
サーバントリーダーシップとは
リーダーである人は、相手に奉仕し、その相手を導くと言う、1970年代に提唱された、古くて新しいリーダーシップ論。
その対極にあるのが、支配型リーダーシップ。
従来の支配型リーダーシップは、ピラミッド型の組織において、頂点に立つリーダーがトップダウンによって指示や命令を出し、それに部下が従うと言うスタイル。
これに対しサーバントリーダーシップは、まずリーダーが部下の話を聴き、部下とともに協力して目標や目的を達成するスタイル。
そのために上司は部下に対する奉仕や支援を通して、部下からの信頼を得て、部下の強みや主体性を引き出し、部下の成長をも導いていく。
箱根駅伝に見るリーダーシップの変遷
20年前、駒沢大学の黄金時代を築いた大八木監督、カリスマ性があり、厳しさ、定評のある指導力、叱咤激励をして選手を伸ばしてきた。
その後、その黄金時代は、東洋大学酒井監督、そして青山学院大学原監督に受け継がれた。
指導方法も大きく変わり、いまや、楽しく盛り上げる、選手自身に考えさせ行動させるスタイルになってきた。
まさに原監督の指導スタイルが、サーバントリーダーシップなのだ。
選手ファースト、監督はあくまでも、サーバント、つまり召使いであって、選手が最高のパフォーマンスを出せるように奉仕する。
このように駅伝の指導スタイルも、大きな時代の中で変化してきた。
ビジネスの世界も、例外では無い。
昭和、平成、令和となり、テクノロジーも、情報量も、スピードも大きく変化している中で、いまこのサーバントリーダーシップが求められてきている。
サーバントリーダーに求められる行動
簡単に言ってしまうと次の通りなのだが、支配型のリーダーシップに慣れてしまっている上司や部下にとって、この行動の変化は、相当しんどいものとなる。
・リーダーが目標、つまり目指すべき未来を決めるが、そこに至るまでの道筋は部下が決める
・部下は、自ら行動し前に進む
・リーダーは、部下を信頼し、任せる。後方から応援、支援をする
サーバントリーダーシップが機能する状態
上司も部下も、このサーバントリーダーシップを行う、受けるための準備と覚悟が必要となる。
明らかに支配型のスタイルの方が、上司も指示が出しやすいし、部下も言われたことだけやればいいので、楽なのである。
そのためには、サーバントリーダーシップ下で仕事ができるための、力量を身につける必要がある。
上司は部下が最高のパフォーマンスが出せるよう、情報や環境を提供する準備をしておく。
また傾聴をはじめとして、コミュニケーションも十分に取り、信頼関係を確立しておく必要がある。
ここが正に「言うは易く行うは難し」のポイントである。
まとめ
時代がサーバントリーダーシップを求めているが、まだまだ我々は支配型リーダーシップの呪縛から抜け出せていないと感じている。
明らかに時代はシフトしてきているので、この変化と呪縛に気づき、一つ一つ、行動を変えていくことが、このスタイルにシフトする早道かもしれない。