
リーダーは、「時間」を味方につけよう
ありがたいことに、弁護士やメンター・コーチとして、色んな立場・属性の方からご相談を受けて、お話を伺う機会を頂戴します。
そうした中で、どんな局面に立たされても“無敵だな!”と感じるのは、「時間」を味方につけることのできる方々です。
スピードという意味での「時間」
到底受け入れられない事情が生じて、課題に直面し、ストレスを抱える。
あわてふためき、次にどういう行動に出ればよいか判断がつかず、立ち止まってしまう。
こんなときは、スピード感を持って対処できる方ほど、被害を最小限に食い止められることが多いように感じます。
もちろん、ただ早ければよい、というわけではありません。
これまでに投入した時間やコスト、迷惑をかける関係先のことなど、あらゆる事情を考えて冷静に判断しなければなりません。
しかし、これらのことに固執し、考える時間を費やせば費やすほど、結果的には、現在、
そして未来という貴重な「時間」を無駄にしてしまうことがあります。
「時間」だけは、お金を出しても、頭を下げても、手に入れることはできません。
スピードという意味での「時間」を大切にする人は、このことをよく分かっています。
変化のためにかける「時間」
もっとも、現代のビジネスパーソンは、スピード感を持って対処することは得意な方が多いです。
仕事上、そうした対応を求められる傾向に慣れているからだと思われます。
むしろ、自分の思うように事が進まず、時間がかかることに苦痛を感じる方の方が多いように感じます。
時間がかかっている間、ずっとそのことを考え、苦しまなければならないからです。
しかし、逆説的かもしれませんが、変えられないものを受け入れ、受け入れられないものを変えるためには、「時間をかける」ということが不可欠です。
特に交渉の場面などでは、相手とのバーゲニングパワー(交渉力)との兼ね合いで、同じ返答でも、すぐに返答することで判断の隙を与えないのか、あるいはギリギリまで引き延ばして焦らすのか、それによっても結果が180度異なることがあります。
つまり、時と場合によって、時間をかけずスピーディーに対処した方がよいこともあれば、あえて時間をかけて変化を待った方がよいこともあるのです。
「時間」を自由自在に操る
自分なりの基準を持って、「この問題はスピーディーに」「この問題は時間をかけて」と割り振り、行動できる方は、問題解決にも長けています。
問題の本質が分からなければ、このような割り振りもできないからです。
スピーディーに、かつ、時間をかけて変えていく…リーダーとして身に着けておきたいスキルですね。