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部下と協働していく1on1

このたび、ある組織から1on1ミーティングの実戦講座の依頼をいただきました。

以前より実施していた講座ですが、今回はより大きな期待を感じています。

大きく違うのは、メンターである上司に加えて部下の皆さんも一堂に会するからです。

受講者は総勢400名を超えるため、シニアマネージャー以上はリアルで、そのほかの方々はオンラインで行われる模様です。


メンティーからの提案で開催に

この会社では、昨年から全社的に1on1の導入が方向付けられています。

徐々にですが、1on1の大切さやその意義も浸透してきている様子です。

ただ多くの企業がそうであるように、なかなか習慣として定着にはいたらず、1on1の最大の目的である「部下の成長への支援」も、まだまだ手探りが続いているようです。

そういう中、改めてこの講座の開催を切望してきたのは、実は部下側からでした。

この方たちは、本務の傍ら組織開発にも取り組んでいる人たちです。

彼らが目指す「組織風土の改革」にも1on1が大変有効であるとの気づきと思いから、その効果的な実践を望んでいたのです。

その先にあるのは「働く仲間の成長と喜び」です。

この1on1には、大きな期待と熱いオモイを寄せる部下達がいたのです。


上司にとっては初めての経験です

一方で、1on1に期待を込められた上司の方々ですが、その実践にご苦労されるのも理解できます。

何しろ多くの方が、まともなメンタリングなど受けたことも習ったこともないのですから、過去の上司との面談では、期初に目標を伝えられて(言わされて)、期末にその評価を伝えられる(振り返りも無い)のが、今の上司たちの1on1だったのです。

また長年刷り込まれた部下を管理しろという言わば性悪説を、部下の自主性に任せる性善説に変えろと言われても、戸惑いの中で躊躇するのも無理もありません。

でも、いよいよ変わる時が来ています。変わることでしか新たな扉は開きません。


1on1は上司と部下の協働の取組みです

さて、研修転移という言葉があります。

受講した研修が実践されて活かされることです。

今回のように、組織の全メンバーがひとつの研修を同時に受けることは、まさに研修転移が大いに期待できます。

メンバーが一堂に共通理解を持ったうえで、一斉に活動を開始できるからです。

そもそも1on1は、部下と上司の協働の取組みです。

部下はしっかり自律性を発揮し、上司はしっかり伴走している姿です。

伴走するには上質な対話の力が必要です。

部下の様子を観察し、経験や考えを整理させ、気づきを引出し、目標を叶える行動へと背中を押します。

上司の方にはこのような対話の力が求められます。

そして、この慣れない新しいことに取組む上司の姿に、部下の皆さんも大いに感銘し感謝されることでしょう。

それは組織の輝く未来につながっていきます。


まとめ

1on1は「組織の目標達成」を「メンバーの成長」という手段で実現することを目指しています。

まずは上司と部下がその共通理解を持って足並みを揃えましょう。

そうして始まる1on1は、きっと本来の目的に着実に近づいていくことでしょう。

松木 幹一郎
松木 幹一郎
東証1部上場の電気機器メーカーにて、役員・理事などを歴任。現在は非常勤顧問として、組織開発の支援。新入社員時代は、営業担当として飛び込み営業から開始、若い頃は売れずに苦悩の毎日を過ごす。中間管理職時代では、徹底した新規顧客開拓により担当エリア内顧客シェア90%を獲得し、年間売上を300%にまで拡大、事業基盤を構築。現在は、組織開発の内部実践者としてオフサイトミーティングなどを実践。全国にファシリテーターを108名育成し、組織開発の礎を構築した。趣味は、サッカー、ウクレレ、カラオケ。

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