『成果の出る「1on1ミーティング」の導入方法とは』 イベント報告〜事例紹介
本日、Sansan株式会社主催のオンラインイベント「DIGITALIST Talks 」に弊社理事の大石典史が登壇し、『成果の出る「1on1ミーティング」の導入方法とは」というテーマで講演させていただきました。
講演の内容
- 企業に広がる「1on1ミーティング」の歩み
- 1on1ミーティングがうまくいっていない現場の声
- そもそも「1on1ミーティング」とは何か?
- 成果を出すための4つの導入ポイント
- 事例紹介
また、イベントの後半には、東芝テック株式会社 元執行役員で、同社の1on1ミーティングの導入や定着に熱心に取り組まれている、松木 幹一郎さんをゲストに迎え、どのように1on1を導入し展開されているのかを、トークセッション形式でお話を伺いました。
今回のブログでは、そのトークセッションの様子をポイントにまとめ、ご紹介したいと思います。
【1】1on1ミーティングの導入の背景について
5年ほど前、事業本部の取り組みとしてエンゲージメント向上のために組織開発に力を入れることになった。
大きな取り組みとしては、「風通しの良い、本音と事実が語り合えるような職場づくり」を目的に、経営層と一般社員、他部署間などでの「対話会」を展開。
対話会の展開により、以前より風通しの良い組織になったが、エンゲージメントの向上という点では課題も。
「ハーズバーグの二要因理論」から、社員の満足感やモチベーションを高めるためには、上司が部下に対して、承認したり賞賛したりすることが重要だということに強い納得感を覚えた。
「衛生要因」のテーマを扱うことが多い対話会では社員の不満を解消し、一方で、上司と部下の対話では主に「動機づけ要因」のテーマを扱い、満足感やモチベーションを高めることで、エンゲージメントは向上できるのではないかと考え、1on1ミーティングの導入にたどり着いた。
【2】最初に行った研修と実践について
組織の活性化に意欲的なある支社長が名乗りをあげ、彼が担当する北関東支社にて、最初の1on1ミーティング研修を実施。
研修は29名の部課長を対象として半日間で行った。スキル指導のほか1on1のデモセッションをやってみせるなど、実践的な内容にした。
研修の翌日から、この部課長29名は、毎朝、1on1セッション練習会を行い、振り返りやフィードバックを通じてスキルの習得に努め、7回の練習を終えてから部下との1on1をスタートさせた。
1on1を受ける部下たちから1ヶ月ごとにアンケートをとり、半年後には、上司と部下の関係の質が向上し、信頼関係が醸成され、いわゆる「心理的安全性」が向上していることが分かった。
年に一度のエンゲージメント調査では、当支社のスコアは全社平均より5ポイントほど高く、1on1をはじめとする取り組みの効果が出始めている。
【3】その後の課題とスキルアップ
一方で上司たちからのアンケートを見ると、部長の一部は強い手応えを感じていたが、全体としては「スキルアップが必要」と感じている人が多かった。
支社長自ら、1on1に役立つコーチングのスキルを数ヶ月かけて取得して効果を実感し、管理職たちにも同様のトレーニングが必要だと感じた。
支社長、松木元顧問、研修会社(JRLA)の三者が協力し、「知識」「体験」「練習」「評価」の4つの要素を取り入れた「1on1実践トレーニング」を開発し、課長職を対象に実施したところ、90%近い人が「1on1がやりやすくなった」と答え、部下の成長を実感する管理職も多数いた。
【4】他支社への広がり
現在は、北関東支社での取り組みや成果が他支社にも広がり、この秋からは他の支社の一部でも「1on1実践トレーニング」がスタート。
北関東支社で当トレーニングを受けた人たちが、他支社のトレーニングの1on1メンターとなってサポートすることもスタートした。
今後このような取り組みが広がってくれることを期待している(松木氏)。
【5】「1on1実践トレーニング」の評価
「1on1実践トレーニング」について、松木氏は次のように4つのポイントで評価している。
1つ目は、研修転移ができているところ。練習や検定によってスキルが身につき、部下との1on1の実践で役立てられるようになった
2つ目は、高い履修率で修了できたこと。数ヶ月に及ぶ研修トレーニングだったが、遅れる人や途中でやめてしまう人が出なかった。
3つ目は、仲間とのつながりが深まったこと。研修対象者同士のセッション練習などにより、関係性が深まった。
4つ目は、社外のプロメンターとの貴重なセッション体験があったこと。それらのセッションは、1on1の手本となっただけではなく、管理職の人たちが、視座を高めたり、広げたりする機会になった。
当イベントではこの後に、「1on1実践トレーニング」についての概要を大石理事から説明しました。
1on1の導入をご検討されている企業様のお役にたてば幸いです。
なお、「1on1実践トレーニング」の資料をご希望の場合は【こちら】からご請求ください。