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話しかける、のすすめ

先日、友人と少し遠くまで出かけました。彼、行く先々でよく人に声をかけます。

電子ピアノが展示されていると「これ音はどこから出るんですか?へー、なるほど!あなたたちは弾かないの?」

外国人がいると「どこから来たんですか?そうなんだ!日本語わからないところは教えましょうか?」

重い荷物を持っている人がいると「上の棚に上げましょうか?お子さんと一緒で大変ですね」。

話しかけることで、あっという間に上手にコミュニケーションしています。

得意不得意もあるかもしれません。でも、「話しかける」ということ、あなたが上司であれば、ぜひおすすめします。


部下からは話しかけにくい

上司は、「いつでも話しかけてね」と言います。

部下は、「そうはいってもなかなか話しかけにくい」と思っています。

上司が忙しそうだ、考え事しているのを邪魔したら悪い、実際に話しかけたら返事もされなかった、など。

私も若い頃、伝票に印鑑を押してもらうタイミングを一日中待ち続けていたことがあります。

そこで、上司の方から話しかけるのが効果的です。

「最近どう?」「いま何に取り組んでいるの?」

具体的な確認というよりは、曖昧な問いかけにして部下が話したいことを話しやすいようにするのがよさそうです。

そこから、「今、こういうことをやっているのですが、難しくて。よければ、少しご相談してもいいですか?」のように発展するかもしれません。

上司も座って待っているだけではわからない情報が、入手できる可能性があります。

「いや、別に何も」という返事だと淋しくなりますが、心配いりません。

「そう、また何かあったら教えてよ」と言って、撤退すればよいだけです。

繰り返していると、部下もそのうち今度はこういう話をしよう、となってくるでしょう。


名前で呼んでみる

話しかける時に名前で呼ぶことをお勧めします。「○○さん、最近どう?」という感じで。

あるクライアントに「入社してから嬉しかったことは何?」と聞きましたら「社長が自分の名前を覚えていてくれたこと」と返事がありました。

私は中国で働いていた時、社員の名前を呼んだら「社長、僕の名前どうして知っているの?」と、大喜びされました。

名前で呼ばれると、自分の存在が認められていると感じます。

「私はここにいていいのだ」「仲間として認められている」。

つまり、名前を呼ぶことは「存在承認」になっているのです。

挨拶の前に○○さん、と付けるだけでもぐっと良くなります。


部下からも話しかけやすくなる

上司の方から、ちょくちょく話しかけるようにしていると、お互いに話すことが日常化してきます。

上司はこんな感じに話すのか、こんな話をしても聞いてくれた、という経験が重なると、部下からも上司に話しかけやすくなります。ハードルがずっと低くなる感じですね。

そうなれば、大成功です。


まとめ

普段の何気ない「話しかけ」と、しっかり話を聴く場としての「1on1ミーティング」がうまく噛み合うとさらにいい効果をもたらしそうです。

どちらも、部下の話を聞くという姿勢が大事なことは言うまでもありません。

吉森 浩一
吉森 浩一
パナソニックグループでビジネスキャリアをスタートし、その後、大企業など4社で人事部長を務める。自ら企画したアフターファイブの社内勉強会にはいつも数十名が参加。趣味は、卓球・ゴルフ・読書・妻とのウォーキング。

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