1on1ミーティングは直属の上司・部下じゃなきゃダメ?
弊社で提供している「1on1実践トレーニング」では、トレーニングの対象者と月に一度の定例ミーティングを行い、皆さんからの実践上の質問にお答えしています。
今回のブログでは、定例ミーティングの中で比較的よく聞かれる標記のテーマについてご紹介したいと思います。
1on1ミーティング本来の目的から考える
形式的な部分にのみ焦点を当てれば、一般的に1on1ミーティングは、「上司と部下の間で行われる定期的な1対1のミーティング」と言われています。
業務遂行上、上司と部下は最も近い関係にあることから、信頼関係づくりや相互理解、エンゲージメント(絆)の向上は必須です。
そういった意味から言えば、1on1ミーティングは、直属の上司と部下の間で行われるのが理想的です。
一方で、部下の成長やパフォーマンスの向上を支援することは、直属の上司しかできないわけではありません。
家族に置き換えてみると
例えば、悩み多き年頃のAくんは、進路に関しては父親を相談相手とし、父親には相談しにくいこと(例えば、恋愛や、自分と父親との関係のことなど)は親戚の叔父さんに相談している、というように、テーマによって相談相手を変えることはよくあることです。
会社の中においても、相談できる相手が複数いることは望ましいことです。上司との1on1ミーティングだけではなく、上司以外の信頼できる相手と話すことができる機会を設けることはとても良いことではないでしょうか。
サントリーの「お節介おじさん・おばさん」
以前、日本経済新聞の紙面で『サントリー「お節介おじさん・おばさん」、職場救う』という記事を読みました。
記事によると、サントリーホールディングスでは、包容力のある役職定年に達したシニア社員を「TOO(隣のお節介おじさん・おばさん)」として任命し、若手社員などの仕事や人間関係の悩みを聞いたり、元気のない社員を対面や電話で勇気づけることを行なっているそうです。
今後、上司以外の人がメンターとなって、若手社員などをサポートするこのような仕組みは広がっていくことでしょう。
部下の数が多い場合の対処法
「上司と部下の1on1ミーティング」の話に戻します。
上司の中には、抱える部下の人数が多く、部下の全員と月1回の1on1ミーティングを行うことはとても厳しい、という声もよく聞かれます。
そのような場合の対処方法をご紹介しましょう。
1)1on1の頻度を2ヶ月に1度にして全員と行う
2)1on1の半分の回数は希望制にして全員と行う
3)上司や次席に協力してもらい、自分が1on1を担当する部下の人数を減らす
1on1の導入によって上司が疲弊するようになることは避けなければなりません。
まとめ
先日の定例ミーティングの中で、ある実践者の方が次のように発言されていました。
「私には遠隔地に部下がいますが、これまでは主に携帯のメッセージで連絡を取り合っていました。何か問題があったわけではありませんでしたが、少し前からオンラインで1on1ミーティングを行うようになりました。すると、相手の表情や気持ちを把握しやすくなり、部下との関係づくりにとても役立っています。」
最初のうちは実施頻度を下げ、1on1は上司と部下で行うことを基本とし、それを補完する形で、上司や次席、ベテランの嘱託社員などの力を借りるなどして、組織全体で取り組めるようになることが理想です。
1on1の導入にあたっては、現場の声を聞きながら、無理のないやり方で始めることをおすすめします。