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経験学習モデルで成長を加速する

2023年は地政学リスクやグローバル経済が依然として混とんとした中で新年を迎えました。

ビジネスリーダーの皆さんは、引き続き環境の変化に対応していくことが求められます。

この変化に対応していくのに、人的資本経営への取組みや自律分散型組織への移行などが注目されています。

人と組織に潜在する価値を最大限に引き出し活用することが、今まで以上に求められているのでしょう。

ここではそのひとつの方策として、人の成長を加速させる「経験学習モデル」について少し触れてみます。


経験学習モデルとは(以下、JRLA 1on1実践トレーニング基礎知識コースから)

《経営コンサルタントのロバート・アイチンガーの研究によると、人は仕事において、7割を仕事上の経験から学び、2割を他人からの助言やフィードバックから学び、1割を研修などのトレーニングから学ぶと言われています。》

《また、組織行動学者のデービッド・コルプは、学習とは、「経験を変換することで知識をつくり出すプロセス」と考え、「経験学習モデル」を構築しました。》

《経験学習モデルは、①まず具体的な経験をし、②その内容を振り返り、③そこから得られた教訓を抽象的な仮説や概念に落とし込み、④それを新たな状況に適用することによって人は学習する、というものです。≫


意識して成長を加速する時代に

そもそも経験から学ぶことは生きていくために必要なことで、それは自然に行っていることですが、どうやらこれからの時代は、自然に任せたペースでの成長では遅すぎるようです。

例えば、ある一つのスキルが使える期間は、今やたったの5年だともいわれています。

すると、その短期間でスキルを習熟し、そこで得た経験を再現性のあるリソースとして大急ぎで蓄積していくことが求められます。

それは少し極端な例かもしれませんが、のんびりできそうにはありませんね。

加速度的に変化していく時代には、成長の速度も加速しなくてはなりません。

従前、5年10年かけての30才35才になってからでの一人前では遅すぎるでしょう。

人の成長は7割がその経験から学んでいる訳ですから、成長の速度を上げるには、 日々の経験からの気づきや学びを教訓に変換して、次のステージで活かしていく。

このサイクルを回す速度を上げていくことが大切です。


フレームワークとして活用できる

ときに、この経験学習モデルの①~④のサイクルは、「PDCA」のサイクルになっています。

PDCAは皆さんも良くご存知の代表的なフレームワークです。

フレームワークは用意された特定の型を使い、その枠組みで課題の本質を捉え、論理的に解決していく手法です。

したがって、いち早く期待する成果にたどり着くことを可能としています。

経験学習モデルをメンター(上司)とメンティ(部下)で行うPDCAとしているのが、まさに1on1ミーティングです。

上述の①~④のサイクルをメンターが質問として問いかけることで、メンティは経験を振り返り、気づきと学びを得て、それを教訓化して、次の行動に活かしていくことができるのです。

人が成長する速度を飛躍的に高めるのに、このサイクルが大変有効なのです。


まとめ

日々の貴重な経験が成長への糧です。

経験学習モデルのサイクルを回すことで、その成長を加速することができます。

それを1on1ミーティングで実践していきましょう。

人と組織の成長を加速することで、 この混とんとした時代も、きっと乗り越えられると思います。

松木 幹一郎
松木 幹一郎
東証1部上場の電気機器メーカーにて、役員・理事などを歴任。現在は非常勤顧問として、組織開発の支援。新入社員時代は、営業担当として飛び込み営業から開始、若い頃は売れずに苦悩の毎日を過ごす。中間管理職時代では、徹底した新規顧客開拓により担当エリア内顧客シェア90%を獲得し、年間売上を300%にまで拡大、事業基盤を構築。現在は、組織開発の内部実践者としてオフサイトミーティングなどを実践。全国にファシリテーターを108名育成し、組織開発の礎を構築した。趣味は、サッカー、ウクレレ、カラオケ。

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