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サビカス理論でこの時代を乗り切ろう

最近のコーチングや1on1でのテーマの半分は、自身のキャリア構築についてだ。

今の時代背景を考えると、当たり前のことかもしれない。

相談する側もされる側も、どうキャリアを設計して、人生を豊かにしていくか、考える力を持っておく必要がある。

私自身の解釈を入れながら、サビカスのキャリア構築理論を考えてみたい。


流動的で変化の激しい環境の中で

安定した終身雇用の形態は徐々に減少し、誰もが会社や職種自体を変える世の中になってきた。

また社会そのものも、それに適応した環境に変化してきている。

未だにキャリアアップとは、転職や高いポジションに付くことをイメージする事が多いものの、キャリア=ワーク・昇進・昇給と言うイメージは崩れつつある。

実は最近ライフキャリアという考え方が注目されてきて、人生そのものをキャリアのステージと捉え、その中にプライベートやワークがあると考える事が出来るようになってきた。

そう考えると、今までと違う世界観と展開が見えてくるはずだ。


サビカスのキャリア構築理論とは

マーク・L・サビカス、アメリカのキャリア理論家(1947- )が、この21世紀の不安定な時代を乗り切るために、2005年に提唱した比較的新しいキャリア理論。

キャリア構築を考えるときに、スキルや能力を開発することも重要ではあるが、自分という存在を意識し続ける事が、とても重要だと説いている。

自分自身をよく理解し、その存在を肯定的に受け止める。

コーチング的には自己基盤の確立をし、自分自身の人生観や価値観をしっかりと捉えた上で、人生をデザインしていく。

人生をデザインするとは、ライフを含むキャリアを構築する事である。

繰り返しになるが、その時の主体は組織ではなく個人だ。


キャリアの棚卸し

一見バラバラな人生の出来事、仕事経験などを、棚卸しし、系統立てて整理していくと、イベントとイベントの間に小さなストーリーが生まれ、因果関係が見えてくる。

またそれらを組み合わせていくと、過去から現在、そして未来に対し、大きなストーリーが構築されてくるのだ。

子供の頃の経験、学生の時の楽しかった事、就職、結婚、転職など、人生のイベントはたくさんあり、よく考えてみると、その中で共通の考え方など、無意識に繰り返されている思考の癖や価値観などが見え隠れし、自分の人生がどのように成立しているかがわかる。

つまり過去から現在にかけての棚卸を通して、徐々に自分のアイデンティティ、つまり自分が何者であるか、という問いに対する答えが見えてきて、自分という存在が明らかになってくる。


キャリアテーマ

小さなストーリーを集めていくと、何度も同じ事が繰り返し起きていることに気づく。

そのことにより自分がどんな感情や価値観に基づき、キャリアを選択してきたのかわかってくる。

その上で将来のキャリアを考えることはとても重要だ。

現状をよく理解し、将来その延長線上でキャリアを考えていくのか、またはどう舵を切っていきたいのかなど、自分の将来に、自分自身で意味を加え、構築する事ができるようになってくる。

その将来への方針が、キャリアテーマであり、そこへの道筋がキャリアプランとなる。


まとめ

不確実な世の中であるからこそ、今までの自分を見つめ、しっかりと棚卸しする事で、今日の自分の立ち位置が明確になる。

その上で、将来をどう設計していくかを検討することは、それを達成させるチャンスを格段に高める大きなポイントとなる。

いろんなキャリア理論があるが、サビカスのキャリア構築理論に基づき、一度キャリア(仕事を含むライフ)を棚卸ししてみては如何でしょうか。

鈴木 淳也
鈴木 淳也
日系電機メーカーでハードディスクの電子回路設計エンジニアとしてスタート。その後米系大手コンピューターメーカーCompaq(現HP)で、国際調達、品質管理部門を経て、世の中の常識にチャレンジ、他社が海外に生産を移す中、日本でのPC製造を立ち上げる。その後守備範囲を製造からサプライチェーンに広げ、計画、調達、製造、受注、物流と製品供給のすべてに関わる。HP、Appleを経て、2010年に外資系医療機器メーカ(Becton Dickinson)に転職し現在に至る。  2019年9月、銀座コーチングスクールにてコーチ認定を、2020年12月キャリアコンサルタントの資格を得る。2020年8月、ホライズンを立ち上げ、兼業コーチとして、実務と現場に寄り添ったコーチとして稼働中。趣味:アマチュア無線、神社巡り

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